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ももちゃんのじゃこピーマン

今日は久々に、うちのごはんのおはなし。

わたしのつくるごはんの副菜で、すごく簡単にできて、誰に出してもとっても好評なのが、じゃこピーマンとカニかま大根サラダ。

どっちも、ももちゃんに教えてもらったものだ。

ももちゃんは学生の頃つきあっていた彼のおかあさん。
わたしたちは、とっても仲良し、だった。

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ももちゃんちは長男である彼と、そのお姉ちゃんのちいちゃんの3人暮らし。うちと同じで、おとうさんはいなかった。
お姉ちゃんは高校を卒業してすぐに結婚して家を出たから、彼とももちゃんはすぐにふたり暮らしになった。

彼と同級生だったわたしのことを、ずっと前から知っていたももちゃん。

高校卒業後ひとり暮らしを始めたわたしのことをいつも気遣ってくれて、日常で使う細々した食材をくれたり、家に遊びに行ったらなにげなくお惣菜の作り方を教えてくれたり、まるで本当のおかあさんみたいによくしてくれた。

彼の家に泊まりに行って、翌朝仕事に出かける彼を見送ってからももちゃんと近所の喫茶店でモーニングを食べたり、お姉ちゃんのちいちゃんがこどもと一緒に帰ってきた時はみんなで遊びに出かけたり。

すっかり家族の一員みたいに過ごしていたから、ももちゃんと会わなくなる日が来るなんて、思ってもみなかった。

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卒業してもう数えられないくらい何度目かの桜の散る頃、別々の道を往くことに決めたわたしたち。

彼とさよならをした次の日、ももちゃんから電話がかかってきた。


『もう会わないなんて、信じられない。』


あの時のももちゃんは、たぶん私よりも泣いていた。


『ももちゃん、ごめんね。』

ももちゃんに会えなくなることが本当に悲しくて、悔やみながら、謝りながら、ふたりでずっと泣いていた。


誰のせいでもないのだけれど。

ごめんね。ももちゃんの娘になれなくて。

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そうしてお別れした彼ともももちゃんとも、それ以来一度も会うことはなかった。今日に至るまで。

けれど、わたしは今でもももちゃんに教えてもらった料理をいつものようにこうして作っている。
まるで最初からわたしのレシピだったみたいに。


ももちゃん、元気にしてるかな。

わたしは、元気だよ。

もうすぐ、ピーマンの季節も終わっちゃうね。

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ももちゃんのじゃこピーマン

★材料★

ちりめんじゃこ・しらす(干物でも釜揚げでもお好みで)
ピーマン いくらでも
塩、ごま油、醤油

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★つくりかた★

ピーマンを縦半分に切り、種を取り除く。
輪切りになる方向で、3~5mmくらいの細切りにする。
炒めるとかさが減るので量は山盛りがおすすめ。

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ピーマンとおじゃこは2:1くらいの割合かな。必ず魚をひとくち味見してみて、塩加減を決める。

ごま油をひいたフライパンで、ピーマンに軽く塩を振りながら、しんなりするまで炒める。強火で一気に炒めて、色良くつやっとしたところで魚を入れる。ピーマンの水気が結構出るので、初めから強火で水分をしっかり飛ばすのがポイント。

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仕上げに醤油をひと回し。味付けはそれだけ。

わたしはその日の気分で、ちょっと『しこの露』という魚醤を入れたりもする。今日のは『しこの露』と小豆島のお醤油をたらーり、ひと回しずつ。

ピーマンは道の駅で買ったしっかりめのもの。
淡路の釜揚げしらすがたっぷり手に入ったので、ふんわりとあまり火を入れずに仕上げてみた。味付けも控えめに、今日のはお魚が主役。

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簡単すぎて誰でも作れる、夏の一品。
こどもも大好き。ご飯がすすみすぎて困っちゃうやつ。
ピリ辛が好きなら、仕上げに一味や輪切り唐辛子を入れて大人味に。

道の駅とか直売所でもりもりのピーマンを見つけたら、必ず作りたくなるレシピです。

夏が終わる前に、ぜひお試しあれ。

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