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noteでみつけたたからもの

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そっとのぞいてみてほしい。わたしのスキのライブラリー。いつかの、だれかの、珠玉のことばたち。
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#LGBT

「あたしってなに着ても似合う」と、母は言った。

「あたしってなに着ても似合う」 僕の母がもっと若かったころ。 僕がまだ小~中学生くらいの…

椎名トキ
3年前
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勤め先の書類に、僕のパートナーの名前を記入した話。

僕が勤めてる企業は、LGBTQフレンドリー企業ではありません。そんな企業で、誰にも知られず、…

椎名トキ
3年前
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「俺(私)の周りにLGBTなんていない!」について/職場でのカムアウトの話

年末ですね。いかがお過ごしでしょうか。 先週、冬季賞与の査定結果として、直属の上司との面…

椎名トキ
5年前
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結婚できないわたしが、恋人の両親に何度も頭を下げに行ったら、渡された洋服のこと

「結婚させてください」 勢いをつけるでもなく、ひたすら丁寧に。 わたしは、古い考えだった…

1,723

男のわたしがコスメカウンターに座って口紅を買い、初めて入ったバーで自慢した話

「しをりちゃん、俺も口紅塗ったら、可愛いと思う?」 甘えている、どこまでも。 "初めて"の…

1,178

口紅やマニキュアを塗ったり、ワンピースを買った報告を男のわたしがする意味

「勝手にやっててくれ」 気づいてはいた。 薄めていた色水に、絵の具を直接流し込まれている…

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自分の力でマニキュアを買おうと思ったら、初めて会った高校生に助けてもらった話

「わたしも最初はこれだったから」 今更来た夏に、自分を重ねる。 幸せになればなるほど、わたしは文章を書かなくなると思っていた。錆びた歯車を泳いでいる自分がいちばん、自分らしいのだろう、と。いつか亡くなる胸に手をあて、想いを透かしている。 「あれ、おかしいな」 朝起きて、夜眠るまで演じている自分に、愛想よく付き合っている。「前はこんなはずじゃなかったのに」。以前友達がプレゼントでくれたマニキュアを手に取る。深緑と潜る日常。贅沢が染み込まないよう、必死に手首と手首をこすり

転職した会社でトラウマが蘇り、化粧室に嬉し涙を飾った

度々わたしは、自分を卑怯だと思う。 「…止められない」 演技はできないのに、全員に舞台が…

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やっと見つけたわたしの居場所は、LGBTフレンドリー企業でした

平日、履歴書を買いに行く瞬間、人はとびきり臆病である。 「いらっしゃいませ」 声が聞こえ…

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セクハラを会社で報告したら、つながった勇気のこと

「言わなければよかった」 "大丈夫"の境目がわからない。 つらく、苦しいことを体と心の中で…

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僕にとっての魔法使いがチャラ男だった件 #磨け感情解像度

この世界に魔法があるとしたら。その一つはきっと、美容師によるものだと僕は思う。   ボイ…

椎名トキ
4年前
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487日目、わたしは毎日更新を今日でやめる

「あなたがいてくれてよかった」 人生で言われたい台詞ランキング、堂々の一位である。少なく…

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ハラスメント相談窓口に、エッセイを書いた

傷ついた言葉を残すなんて、性格がわるい。 「今日はどうですか?」 愛する人に聞きたいこと…

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わたしはもう、サンドバッグから卒業する

「うつ病の人」 そういえばあの頃も、そんな名前で呼ばれていた。 本人は聞こえていないと思っているのか、それともわたしに聞こえるように言っていたのかはわからない。なんにしても「迷惑」をかけているのは自分なのだから、愚痴をこぼしてはいけない、弱音を吐いてはいけない。悪口なんて、以ての外だ。とにかく目の前の仕事をこなし、息をしなければならない。 パソコンを見ながら、悪夢を見ている。 臙脂色の瞳。内側から突き上げられるような恐怖と痙攣。力強く、繰り返し目を閉じていなければ、あ