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駱駝が針穴を通る?

週一くらいで、ミラノの若い女性のアリーチェちゃんと、イタリア語30分、日本語30分での言語交換おしゃべりをskypeで行っている。

今日は、イタリアではお金を持っているということは悪いこと、というカトリックの意識がちょっとある、ということをアリーチェから教えてもらった。
褒められた時に返す言葉などに関する話をしていた時だ。
例えば、日本だったら「うわ、素敵な洋服ね」などと褒められたら、「いやいや、たいしたことないよ~」とかまあ、せいぜいそのくらいだろうけど、イタリアだったら「実はこれ、セール品で買ったの」などと、そんなに高いものじゃないということを主張したりするみたいだ。

イタリアにインフルエンサーでChiara Ferragniという人がいる。もともとミラノ出身で The Blonde Saladというファッションブログで人気を博して今はインフルエンサーでもある。きれいな女性だが、まあ・・・そうね、薄っぺらい感じで、いかにもインフルエンサーって感じだ。
彼女は、昨年冬、バロッコ社のイタリアの伝統的クリスマスのお菓子のパンドーロを購入すると(それがふつうのパンドーロの2.5倍ほどの金額だったそうだが)その金額からトリノの病院の癌に関する治療機器設置への寄付が行われるというプロモーションに加担した。しかしその寄付というのが実はすでに2022年に終わっていた話で、じゃあ、2023年末のプロモーションが、実は詐欺ではないかという話で高額の罰金が科せられ、さらに捜査も行われている。

だから、アリーチェによると、今回のキアラ・フェッラーニの事件で、「ほら、やっぱりお金持ちって悪いことしてるじゃん」というイタリア人にもともとある感情がさらに高まったというのだ。

「この聖書の言葉わかりますか?」とアリーチェがニコニコしながらわたしにイタリア語ですらっと言ったフレーズが、すぐに脳内で理解できなかったから、「ちょっと書いて書いて!」とチャットボックスに書いてもらうと、

È PIÙ FACILE CHE UN CAMMELLO PASSI PER LA CRUNA DI UN'AGO, CHE IL RICCO ENTRI NEL REGNO DEI CIELI.

というものだった。
あ~、なるほど。(crunaという単語はアリーチェに再度聞いたが)なるほど。
わたしが訳するとしたら、「金持ちが神の国に入るよりも、駱駝が針穴を通るほうがやさしい。」つまり「金持ちは天国に行くのは、まず無理」ってことだ。

なんやかんやでカトリックの国イタリア。キアラ・フェッラーニにこのフレーズを投げつけて「ざまあみろ」と思っているイタリア人も多いらしい。


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