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美と健康  見た目と機能、どちらをとる?

今日、ネットのニュースで若い形成外科医で、高校の時から総額4千万円かけて形成手術を重ねている人の記事を見た。
先日顎を削ってさらに小顔にしたらしい。彼の持論では「小顔は美の重要な要素」らしい。本当に??

美醜の基準は人によって違う。国や文化によって違う。しかし今はネットやSNSで情報がすぐにいろいろと広まる。習慣や文化を超えて、トレンドというものが皆の意識に影響を与える。

で、先ほどの形成外科医の小顔の話だが。「神経切っていいから」というつもりでぎりぎりまで輪郭の骨を削ったらしい。

歯科医の立場で言わせてもらうと、本当に怖いの一言。そして、無知。
人間の体はそもそも機能的にできている。もちろん昔とはライフスタイルも変わり、小さいころから硬い物を食べなくても良いから、日本人は特に下顎が小さい傾向にある。しかし、万一外傷や事故の場合は顎が細い人はその分骨折する可能性が増える。
この形成外科医は外から骨を切っているが、もしこの人が歯周病などになった場合、内側から骨が減っていくことになる。そうすると、さらに下顎の骨は薄くなる。合わない総入れ歯を使っていて、下あごがものすごく細くなっている人をたまにレントゲンで見る。「うわ、転んだら折れるだろうな。。。」と思う。食事中に折れることすらありえるらしい。機能的に見れば、彼はそういう方向にあえて自分をもっていっているとしか思えないのだが。

だからそういうことを知っている私からすると、顎の骨を外から細くするなんて、怖い怖い怖い。

時代がどんどん変わっているから、人間の体もどんどん改造人間みたいになっていって、人工関節やらインプラントやら、そして美容形成で顔にもチタンが入っていたり、レントゲンを撮ったら白い人工物が映る人がどんどん増えてきている。

わたしはピラティスインストラクターでもあり、フランクリンメソッドのエジュケーターでもある。その立場から考えると、心と身体の健康なくしては美はなりたたない。
まあ、この時点で、たぶんわたしとその形成外科医の「美」の基準が違うので、たぶん議論にもならないだろうけども。

もしも、短期間の見た目の美を追求するならその形成外科医の考えでもいいのかも。でも、手術で変えた見た目は永続しない。結局また手術するのだろう。
でも、いつまでそんなことを続けるのだろうか?一生?

たぶん手術後に満足できる期間なんて短い。その後は毎日何度も鏡を見てあらさがしをするのだろうか?不安に満ちた日々?

考えるだけで怖い。

情報が簡単に入る世の中は便利でもあるが、特に若い人は美に関する情報に踊らされるだろう。
わたしはすでにもういい年なんで、単なる見た目の美には踊らされないが、わたしの年でも見た目だけの美に執着する人は多い。

わたしは。あくまでわたしは機能美に執着します。
機能美には健康が必須。そして健康であれば体が気持ちよく動く。気持ちよく動けば痛みがない。痛みもないし、食欲もあり、楽しく食べれる。そしてよく眠れて、ちゃんと朝はすっきり起きれる。
週末は趣味のフラを踊って、友人たちと飲みにも行く。
わたしは自分が健康で、病院にかかる必要が今はないし、これで幸せな方だと思っている。

世の中、これからどういうほうに舵を切っていくのだろうか。
わたしがおかしいのだろうか、とぼんやり思ったりもする。
いや、わたしはわたしの考えでこれからも行く、はず。


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