ユトレヒト・リストコンクール2022で黒木雪音さんが優勝！現地の様子（本選）を少しだけリポート
2021年に行われるはずだったリストコンクール in ユトレヒト。本選のチケットは買っていて凄く楽しみにしていたのに当時はコロナでロックダウン中で開催できる見込みがなく延期どころかキャンセルとなり、泣く泣くチケット代はホールに寄付しました。
しかーし！
なんと今年になってコンクールが再開してるではありませんか＼(°o°)／
パートナーの🐨がオーケストラで弾いてて、「リストコンクール本選に日本人の人がいたよ」とリハーサルから帰ってきて教えてくれ、開催されていたことに全く気がついていなかったことを悔やむ。
本選の日は丁度友人のお葬式で本当に沈んでいたのですが、🐨が「もしよかったらコンクール聴きにくれば？」と言ってくれたのでそのまま着いていきました。
かっこよー
ユトレヒトにある大ホールで本選に残った3人はオーケストラと一緒に演奏できます。
このリストコンクールは毎回テーマがあるようで、今回はシューベルトeditionといってシューベルトの曲やリストが編曲したもの、そしてリストの曲もコンクールの課題曲になっているようです。ピアノソロだけでなく、室内楽、歌曲もステージごとに要求され、バラエティに富んだ楽しいコンクールです。
といっても私は本選以外全ミスしてるので詳しい内容をお伝えできないのが残念ですが😭
スクリーンには本選に残った３名がピアノを弾いている動画が映し出され、本番が始まると演奏者のインタビュー映像と本番中の演奏者の手（上からの定点カメラ）が映し出されてました。定点カメラとは時差があるので音と映像がズレるためあんまり見ないようにしました。
一番手はDerek Wangさん
3人とも曲目は全く同じ。
リスト編曲シューベルトのさすらい人幻想曲、そのあと各自サプライズアンコールとして一曲ソロを弾きます。これが各々のキャラクターを出しているのでなかなか面白い。
Derekさんは男らしい力強い演奏で技術も素晴らしいですが、なぜかあんまり音が届いてこない…自分が座ってる位置が悪いからかな？
と少し聴こえづらかったのですが、ソロはかなり爆音で弾いてたのでオケのボリュームが少し大きかったからかもしれません。
二人目は黒木雪音さん
あれ？
音がよく聴こえる😂
全く同じピアノなのに雪音さんになったら聞こえなかったメロディとか音がクリアに聴こえるようになった！
自分は演奏者の背中を見る位置にいたのですが、Derekさんと違うのは明らか腕から背中にかけての使い方。
雪音さんはバレエもやっていたというので身体や手首、腕の動きが柔らかい。力が入っているのに音が硬くなく、オケの音にも負けない重低音を凄く響かせられるしなやかな腕とそれを支える強くて長い指を持っていると思いました。
技術だけでなくオケとの一体感や彼女の持つ音楽性が誰の耳にも明らかにクリアに聴こえていたと思います！
最後を飾るのはYeon-Min Parkさん
愛くるしい感じのYeonさんは素敵な紫のドレスに身を包み、その容姿とは裏腹にバリ情熱的に弾く素晴らしいピアニストでした。
彼女もまた音がよく伸びてオケに埋もれずよく聞こえました。雪音さんも彼女も小柄なのに本当に舞台での圧倒感が凄い！
女性というのを忘れる演奏でしたw(°ｏ°)w
これ、結果発表の前なんですが、笑っちゃうほど審査員のコメントが明らか雪音さん大絶賛でした🤣他のコンテスタントのコメントも物凄くポジティブで何も否定的なことを言ってないのですが、雪音さんに対してはもう「完璧」、「リストを弾くために生まれてきた」、「素晴らしいピアニスト」など大絶賛。
聴衆賞もあり、私もいそいそと雪音さんに投票したのですがそれはYeonさんに渡ることに。
雪音さんには残念ですが、Yeonさんも素晴らしかったしソロもとても情熱的なラ・カンパネラを披露したので賞に値する演奏だったと思います。
二位 Yeon-Min Park
三位 Derek Wang
皆さん本当に素晴らしいかったのは間違いない！おめでとうございます！！！
そして一位の雪音さんは受賞した時に何か弾いてくださいと司会者に促され、リストのバラード2番から最後のほうを抜粋して弾いてくれました☺️🙏
黒木雪音さん、改めて一位おめでとうございます！
個人的にオランダらしいな！と思ったのは、まず本選の３名が終わったあと、審査員はホールを出たのですが結果まで待ち時間、もう一曲前回ヤングカテゴリーで優勝したピアニストが協奏曲を演奏しお客を楽しませていました。
こういう時間の埋め方がオランダらしいなと思ったり。また、結果までもさほど時間を要さず予定通り受賞式は始まり、写真の通り舞台はスッキリ椅子３つにトロフィー台一つ、審査員がずらずらと舞台に並ぶことなく彼らはまた客席側の審査員席にいました。
これ、凄いことだと思うんですよ。
だって国際コンクールってほとんどの受賞式見てると審査員が舞台にいること多くありませんか？でもこんなに舞台空いてるのに一人として上がってこない。
いるのは司会者、コンテスタント、トロフィーを渡す人（誰か知らない（笑）、これだけです！
ちょっと前までオケで埋め尽くされていたから余計にあまりにもスッキリしすぎて舞台が寂しく見えたり😂花は各コンテスタントに渡す意外は舞台に無し、賞状もなし、おめでとう！と受賞式は簡潔に終わって3人で最後カメラに向かって並び解散。
全てがスッキリしてていいわー😂
写真撮影が終わった雪音さんにどうしてもおめでとうと伝えたくて舞台に張り付くみーみー。
全然知らない顔なのに雪音さんはとても優しくフレンドリーに対応して下さいました🙏
日曜朝。
優勝者記念コンサートでまたも狩り出される🐨。自分も一回聞いたのに雪音さんの演奏をもう一度聞きたすぎてまた行くというストーカーぶり。これには🐨も笑ってたけど嬉しそうでもあったり😁
当日の朝にチケットを買い、こんな良いバルコニー席で聴けました。でも日曜の朝というのとまだ雪音さんが知られてないこと、リストコンクールさえ知らない人が多い、コロナ後の不況でお客が戻ってきてないなど色々な理由で客席があまり埋まっていなかったのが本当に残念。でも今回の素晴らしい演奏でオランダの人々が目覚めてくれたら雪音さんファンがついてくれるでしょう！
コンサートも終えて🐨と合流するためアーティストエントランスへ回ったらなんと途中で雪音さんとばったり！
向こうもまだ日が経っていないからユトレヒトで会ったことを覚えててくれました😭🙏
ホール内の音響の違い、全然緊張しなかったこと（すげー😱）、演奏が楽しかったことなど雪音さんのコメントを直に聞けて幸せでした。
こんなストーカーみたいに毎回会ってるのに写真を一緒にとお願いしたらとても快く受けてくれました😍
最後まで本当にエレガンスでフレンドリーで丁寧な対応をしていただき感無量。
今後も世界のピアニストとして活躍していくであろう楽しみなピアニストさんでした！
そして個人的にまた嬉しいことがありました。
このコンセルトヘボウでの優勝者記念コンサートをnoteでお知らせしたら、それを見て聴きにいらっしゃったnoterさんのAkioさんと直接お会いすることができ、これは私にとってもAkioさんにとっても「noteをやってる人に初めて会う」という記念すべき日となりました！
そう、noteでの自分のフォロワーさんは98%がオンラインで繋がった方々。それが雪音さんというピアニストによって現実世界でも繋がったことに感動を覚えています。
いつか他の素敵なnoterさん達とも直接お会いしたいなと心から思いました。
以上、オランダ・ユトレヒト、リストコンクール本選と優勝者記念コンサートの感想でした💐
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