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夢の時間

昨日は久々にオペラ鑑賞に行ってきた。
知り合いから公開通し稽古の入場券を頂いたから。

コロナ以降、元々の出不精に輪をかけて出かけることが減った私には、とても久しぶりの感覚だった。
オペラといってもあまり気合を入れて着飾る人もいないため、適当なワンピースと久々の黒のハイヒールでまとめてみた。
こういう場所に行く時くらいは着飾ることを楽しむのもいいと思うが、フランスではラフな格好をする人が多く、それはちょっと残念に思う。

オペラの演目はラクメ。
イギリス植民地時代のインドが舞台の悲恋物語だ。
初めて見るオペラだったが知っている曲もあったりして十分に楽しめた。
ただ舞台装飾と衣装が残念だなと思った。
白を基調とするシンプルさを追求したような装飾は、素敵だったんだけどインドっぽさが全く感じられず。
舞台装飾はともすれば和風、衣装は韓国を思い出させる雰囲気だった。
インドが舞台ならもっとカラフルに華やかに演出すればいいのに…と素人ながら思ってしまった。

とはいえ主演のオペラ歌手は小柄ながらも声量は圧倒的で、会場全体の空気がビリビリするほどの歌声だった。
圧倒された。
ダンサーを見ても同じことを思うけれど、自分の体を自分の思うように使い、動かして表現することは気持ちがいいだろうな。

久しぶりに華やかなオペラ座でオーケストラの生演奏にオペラ。
贅沢で豊かな時間を過ごさせてもらった。
やっぱり舞台って魔法や夢を見せてもらってるような気分になる。
日常から切り離されて別の世界に連れて行ってくれる不思議な空間、時間。

話は飛ぶが、私と同じ列に席を一つ空けて若いカップルが座っていた。
付き合って日が浅そうに見えた二人はおしゃべりに夢中だったが、会場の照明が落ち、オーケストラのチューニングタイムに入った時に男の人がそろそろっと彼女の手に手を重ねたのを見てしまった。
なんか初々しいというか、甘酸っぱい感じがして見ている私が恥ずかしくなってしまった。
意を決して手を重ねてみたのかなんなのか、男の人がとても嬉しそうで、二人が可愛くて、貴重なものを見せてくれてありがとう!という気にさせられた。
なんていうか、お幸せにとしか思えない二人だった。

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