見出し画像

嫉妬。#なんのはなしですか。

記憶とは実に厄介なもので、彼が仲良くしていた あの子が…
あの子と彼の関係が、頭にこびりついて離れない。

彼を失う 我が身の不憫ふびんさから、根拠のないネガティブな妄想を膨らませ…
脳内で作られたストーリーは、私の頭に絶え間なく熱い湯をそそぐ。
それはまるでれたコーヒーの様、ぽたぽたとドリップされ、抽出ちゅうしゅつされたもの( 想い )は、時間を追う毎に希釈きしゃくされるばかりか 非常に苦々しいものになった。

ポーカーフェイスよそおっても、解けがたき胸の乱れは、彼のリアクションひとつにもざわつく。

確証バイアスで大きくなった私の頭はいら立ち、いくら深呼吸をしても 追いつかなかった。

ついには、嫉妬心から来る衝動を抑えられず…
自分のコーヒーカップに毒を盛る。

   いっそ、あの子ごと飲み干してしまいたい。

ざまあみろ。
私じゃなかったら、許してなかったよ?
こんな状況。




なんのはなしですか。

#なんのはなしですか

彼を 強く問い詰めることも、離れることも出来ず…
嫉妬心から、とうとう 自分を殺したオチ。

文末の
『 なんのはなしですか 』
から、最期は記憶も消えて救われた、救いようのない話。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?