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さよなら。

オススメに上がっていた記事を読んだ。

それは『 彼氏ができました 』というもので、文章はハッピーで溢れ愉悦ゆえつが伝わってくる。
とても可愛くて、幸せを願いながら 私はスキを押した。

作者さんのクリエイターページに飛んで、その恋の続きを見に行く。
目に止まったのは『 1 週間と 4 日で振られました 』という文字。
なんだか、ばつが悪い。
途端に、自分がした事が、他人の恋路を追う 悪趣味な行為にさえ思えてくる。

昨夜、彼と喧嘩をした。
「 話する気があるの? 」
と聞かれ、私は意地を張って
「 話なんかしたくない 」
強い口調で言って、一方的に電話を切る。
喧嘩なら、いっぱいしてきた。
いつもなら、この後 彼がかけてくれる。
しかし、昨日は違った。
『 もう二度と連絡しません 』
という無機質な文字。
はぁ!?と思いながら、引くに引けず、勢いのまま
『 わかった 』
と返した。
『 さよなら 』
それを目の当たりにして、時間が止まる。
別れを告げられる心当たりは、山の様にあった。
そっか…仕方ない。
このまま、いつもみたいに自責をして身を引くか、素直になって電話をかけるか。
 —  諦めるのは、慣れている。
これまでも、沢山のことを諦めてきた。
そういえば、彼は
「 別れたら、ヨリは戻さない 」
と言っていた。
「 ブロックして、もう連絡を取ることもない 」
とも。
もう、ブロックされているかもしれない…
頭の中でぐるぐる考えながら、私の手は、彼に電話をかけていた。
彼が出るまでのコールの時間が、とても長く感じる。
自分の気持ちを言葉にするのが本当に苦手で、とても怖かったけど、素直に「 仲直りがしたい 」と言って話し合い なんとか事なきを得た。

私から別れ話をしたことは、幾度いくどとなくある。
ブロックもした。
本当に 別れた方がいいと思ってのこともあるし、本心では無い時もあった。
でも、自分の身に降り掛かって 初めて、その言葉の重みを知る。
きっと、彼を、ひどく傷つけてしまったに違いない。

付き合うということは、別れもセットなのだ。
そして それは、思いがけず呆気あっけなくやってきたりもする。
ずっと『 1 番 』だったのに、別れたら もう、知り合いより遠い存在になってしまう。
こんな 当たり前のことも忘れてしまうくらい 私は、自分本位に振舞ったり、幸せに浮かれていたりした。


私はあれから…彼の言葉が、頭から離れないでいる。



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