舞台「ピサロ」@パルコ劇場2021.6.3
ストーリーは大して興味がなかった。インカ帝国はスペインに滅ぼされた位の知識しかなく、宮沢氷魚が出るというので観たのだ。
彼の役はアタワルパ。太陽の息子、インカ帝国の王、神である。高身長、長い手足、小さな頭、白い肌、高貴で威厳に溢れとにかく美しい。心身疲弊の今、美は想像以上に効く。
終盤、アタワルパを解放する約束を守るか、アタワルパを殺すかでピサロは悩み苦しむ。
ピサロとアタワルパが交流していくうち、お互いの共通項、自身の「悲しみ、傷み」に触れた。ピサロはアタワルパに肉親のような愛情を感じたのだ。私生児だったピサロ、初めての通い合った愛情だったのかもしれない。
そのせいで、将軍ピサロは根なし草のように何も判断が出来なくなった。
一方アタワルパは、確固たる信念を持ちピサロに陳を信じろと繰り返す。例え殺されても、翌朝太陽の光を浴びれば生き還る。それを信じろというのだ。「信じる」またここでもこの言葉。
●カズオイシグロの「クララとお日さま」
●今村夏子の「星の子」
どちらも最近の好きな物語で
「信じる」がテーマだ。
信じるって何だろう。ありふれた言葉は
実はものすごく難しい。
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