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『100日後に死ぬワニ』から見る、いいね数の変動。~人は何に動かされるのか~

アルクロです。
無料で最後まで読めます。

一世を風靡した『100日後に死ぬワニ』がついに3月21日完結しましたね。私自身も1日目からずっと追ってきた人間の1人です。

これまで色々な考察がされてきたと思うのですが、作品から一歩身を引いて見方の一つに数字の動きもあったら面白いんじゃないかと思ってグラフでまとめました。本当はコメント数やRTにも着目したいんですがなんだか地味に大変だったんでいいねだけにとどまりました。反響あったら他も書きたいと思います。

事前にことわりを入れるならば、面白半分で始めたのとデータの取り扱い方に突っ込みどころが結構あるので決して間違いないというものではないのでご了承ください。

しかしながら結果から見えてきたものもあったので、創作をする人が大枠を考えるのに役立つのではと思います。

また、この記事はfeedbacksaunaというサービスを利用させいていただき、書きました。フィードバックとこの記事の感想をいただいたarsroさんには感謝申し上げます。

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さて、別に大学のレポートでもないんで、結果ファーストでいきます。
ワニくんから以下のことがある程度言えそうです。

・善の行為を描いたものは共感を呼ぶ→いいねを呼ぶ
・日常を描くのであれば個人ではなく複数人絡めて描く、個人を
描くのであれば何らかの関わりを持たせる。
・とりあえず友情や親友関係を描くのはベター
・話題が漫画とリアルでリンクしていると爆発力アリ
・作品の前提は重要。そのうえで先が見えなかったり、対比があるとわかりやすく伸びた。
・恋愛系はワンクッションが大事?


以前ワニくんの100日をざっくりまとめた記事も投稿しているので、それと見比べて読んでみると、色々な視点に気付けるんじゃないかなと思いますよろしくお願いします。


それでは内容に入っていきます

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方法


まず何を基準に伸びたとするのか?

まずは何をもって伸びたとするのかが重要です。しかし1日目からしっかり数字をとってきたわけではなかったので、時間による変動は顧慮できませんが。今回は前日よりも「いいね」が多いか少ないかを判断基準としました。

また、グラフを作るためには元となるデータが必要ですが、今回は以下のような方法でデータを取りました。

・計測日時は3月22日の19:00からとし、1日目→100日目の順番に記録。

・記録する数値はRT、いいねは1000の位まで記録し以下切り捨て(例:8900RT→8000RTとして記録)コメントは1の位まで記録(ただし、1万を超えた場合には1000の位までで以下切り捨て)とする。

・コメント数は引用RTのコメントはわからないのでその日のツイートのリプ欄についたコメントのみ計測

さらに今回は得られた各値に加えて、どのような内容だといいねが伸びるのか調べるために4コマの内容に状態感情を与えてみました。

状態は日常・友達・恋愛の3つに分け、感情はポジティブ・ネガティブ・どちらでもないの3つに分けました。さらに、日常にはワニくん個人か誰かと関わりがあるかを分類しました。(内容に関係ないテレビの人物等は除く)しかし、どちらもの属性も明確な定義付けは行っていないので、どっちつかずの内容の場合には主観で分類しているのでご了承ください。

一応、状態で日常はワニくん個人の話、友達はワニくんと友達が会話もしくは友達同士で話している話、恋愛はワニくんとワニちゃんとの関わりの話で緩く分類しています。

感情は閲覧者が4コマをみてどう思うかを示します。オチがポジティブだったりネガティブだったりが主な判断基準です。ポジティブorネガティブな内容かもしれないけれど、どちらかに分類するほどでもなかったり、内容の中にどちらも含まれていて判断しづらいのをどちらでもないにしています。主観が大きく含まれるためご注意ください

また、前日に比べて伸びたかどうかで判断するため、前日が伸びすぎていると次の日もそれなりに伸びたのに、伸びなかった扱いになってしまうということもあり、補正値的な意味合いで前日の状態という項目を設けました。終わってからこれは必要だったのか疑問は残ります。

そしてできたのがこちらの表です。

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もうなんか、見やすさもへったくれもないんですが、こんな感じです。

この表から各状態で分類していき、さらに今回は傾向を見たかったので、該当する話数が2話以上ある項目を抽出して示しました(わかり辛かったらすいません)

このような分類を行ったところでグラフと照らし合わせていき、どんな状態、感情の内容だと人々の共感や思いが数字に表れていくのか、考えていきます。

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方法まとめ

長ったらしくなりましたのでまとめます。
独自で考えたものを使用しているので読んでてわからなくなることがあるかもしれません、そういう時これを見ていただければと思います。

・コメント、RT、いいね数は3月22日に計測
・伸びたかは前日よりも「いいね」が多いか少ないかで定義
・何故いいねが伸びるのか調べるために4コマの内容に状態感情を付与
・状態は、ワニくん個ワニの日常を描いたもの、友達との関わりを描いたも
 の、ワニくんとワニちゃんの恋愛を描いたものの3つに分類
・感情は閲覧者が4コマを見てどう思うかをポジティブorネガティブorどち
 らでもない
の3つに分類。ただし主観が大きく含まれるため注意
・さらに日常はワ二くんが他者とかかわっているかを、ありorなしで分類
・これらの分類から○○×△△×□□×○○のパターンを作成
・該当する話数が2話以上あるパターンを抽出して傾向を見る


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表にした結果


1.100日間のコメント・RT・いいね数の変動

まずは、この100日間どのような数値の変動があったのか見ていきます。


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100日間のコメント・RT・いいね数の変動

縦軸にコメント数(左軸)、RT・いいね数(右軸)をとり、横軸にワニくんの100日を示しています。

1日目が若干伸びたことから始まり、じわじわと伸び、最後は爆発的に伸びたことがわかります。本当に99日目と100日目の伸びが凄まじいです。いいねに関しては212万以上押されています。

また、最後2日間の伸びが凄まじいがために分かりづらいですが、1日目から98日目の間にもジグザグと各数値が変動していることが見てわかります。

分かりづらいので、以下に1日~98日の各数値の変動をグラフ化し、示します。



2.1日~98日のコメント・RT・いいね数の変動


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1日~98日のコメント・RT・いいね数の変動

数値の変化がわかりやすくなりましたね。横軸は100日までを表示していますが、実際にはマーカーは98日までを示しています。

概ね右肩上がりで伸びていることがわかります。88日目など伸びた日はどの数値も高くなる傾向がありますが、その一方で、33日目にはコメント数376、いいね13.1万に対して、34日目にはコメント数771、いいね12.8になり、コメント数が2倍に増えたのにいいねは減るといったズレが見られます。


3.分類の結果

分類した結果を、状態の日常友達恋愛から見ていきます。

状態:日常について 

まずは日常からみていきます。青は前日に比べて伸びた項目、ピンクは前日に比べて伸びなかった項目です

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日常における内容のパターンは36通り。その中で伸びた内容は5通り12話、伸びなかった内容は5通り13話ありました。

伸びた内容はポジティブな内容で、人との関わりがあると若干より伸びる傾向があることがわかります。反対に伸びなかったのはネガティブorどちらとも取れない内容、もしくはポジティブでもワニくん個ワニの内容だとより伸びない傾向がわかりました。

また伸びなかった前日の状態は日常が多い傾向です。


状態:友達について

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友達における内容のパターンは18通り。その中で伸びた内容は6通り23話、伸びなかった内容は5通り12話ありました。約2倍の差があります。

伸びた内容はポジティブ、もしくはどちらでもない内容に多い傾向があります。ただし友達×ポジティブ×増×友達の組み合わせの話数8うち5話は80日目以降の内容であるため、内容に関係なく、時間経過と100日目が近いことが大きく作用している可能性があります。また、前日の状態が恋愛で伸びた内容は1話のみでした。

伸びなかった内容はネガティブ、もしくはどちらでもない内容で前日の状態が恋愛、友達で、前日の状態が日常で伸びなかったのは2話でした。


状態:恋愛について

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友達における内容のパターンは18通り。その中で伸びた内容は3通り10話、伸びなかった内容は2通り4話ありました。2倍以上差があります。

伸びた内容はポジティブ、ネガティブどちらもありますが、ポジティブなほうが伸びる傾向です。

伸びなかったのはネガティブ、どちらでもないです。


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考察

状態:日常について

結果より、日常においては伸びた記事と伸びなかった記事が半々ぐらいになりました。ポジティブな内容であれば基本的にいいねが伸びそうです。顕著な例としては日常×ポジティブ×増×日常×ありの8話「横断歩道で抱っこされている回」や日常×ポジティブ×増×恋愛×ありの33話「勇気を出して席を譲る回」があり、前日までのいいねよりも大きく伸びています。



まず前置きとして述べたいと思いますが、どの内容においてもいえることは作品の性質上必ず存在する、死との対比ではないでしょうか、ワニくんはこんなに優しいのに後何日で死んでしまうといった状態が多々現れ、その対比が大きいほどに閲覧者の心情は揺れ動くのだと考えられます。

そのうえで、体系化するために死との対比を置いといて、この8話と33話に共通することに何があるだろうと考えると、ワニくんが何らかのアクションを起こしそれが上手くいったということではないでしょうか。言い換えればマズローの欲求5段階説でいう自己実現をしているとでも言いましょうか。

この2話では一般に善とされる行為をワニくんがした内容と考えられます。そして自己実現は、マズロがーの欲求5段階説でいう最後の欲求で達成難度が高いものですが、こうした善の行為をワニくんが行ったことに共感を呼びいいねが押されたのではないでしょうか。斜に構えた視点から見れば、ワニくんが自分に達成できないことを肩代わりしてくれたので、ほっこりしていいねを押したのではないかとも考えられます。


状態:友達について

結果より、伸びた内容は6通り23話あり、伸びなかった内容は5通り12話ありました。のある友達×ポジティブ×増×友達の組み合わせの話数8うち5話は80日目以降の内容であるため、内容に関係なく、時間経過と100日目が近いことが大きく作用している可能性があることを除いても18話伸びた記事があり、日常の内容よりも友人が関わっている内容というのは、伸びる傾向があるのではないのでしょうか。例を挙げて考えていきます。

まず、非常に顕著な話は友達×ポジティブ×増×日常の42話「ネズミくんが慰める回」です。


先輩ワニちゃんとの恋愛が上手くいかず憂鬱になっているワニくんネズミくんがバイクに乗せ枠外から飛び出して憂鬱からも飛び出すわけですが、こういった友情や親友関係で起こる話題というのも、伸びる傾向が考えられるのではないでしょうか。

また、時間経過による認知の増加によって伸びているという別視点からも考えられますが、友達×ポジティブ×増×友達の組み合わせの91話「新技を見てラーメンを提案するネズミくん回」、92話「モグラくんが雲布団くれる回」においても同様のことが考えられます。



さらに友達との話題の場合、ネガティブな内容であっても大きく伸びる場合があるようです。例えば25話「明日から平日ヤベー回」や88話「冗談でもそれは言うなよ回」がありますが、分けて考えてみます。



25話は平日が始まるということで、我々にも関係のあるネガティブな話題なわけです。そして、この話が投稿されたのは1/5の19:00です。3が日に続く土日が終わり、明日から平日と、リアルな人たちもネガティブになっており、漫画と現実がリンクしていることで共感を呼び伸びる結果になったことが考えられます。

88話は何といっても死との対比ではないでしょうか、この時点でただ漫画を見ているだけではワニくんは死を知っているのか、知らないのか、わからないところではあったのではないかと思われ、そんなこというなよ感満載なわけで、そんな中ネズミくんが、どストレートに「冗談でもそれは言うなよ」というわけですから、ねずみくんもワニくんの死を知っているのかなどさらなる議論と考察を呼び、拡散され結果とんでもないいいねを稼ぐことになったのではないかと考えられます。この場合は作品の前提不確実性が伸びることに影響したのではないでしょうか。それは3話の「ヒヨコを助ける回」にも似たようなことが言えます。

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黒丸左から25話、42話、88話、91話、92話



状態:恋愛について

まずこの作品全体としても言えることではありますが、1日1話4コマの性質上、2日連続して同じ話題の場合があり、前日の状態で同じ状態の場合が多いのはこれによってだと考えられますが、恋愛の場合、恋愛×ポジティブ×増×恋愛で5話伸びている内容があるように、ポジティブな内容だと日を重ね変化するごとに伸びる傾向がありそうです。

正直恋愛考察したくない(本音)

伸びる内容についてみると恋愛×ポジティブ×増×恋愛の65話「モグラくんの彼女に後押しされる回」、66話「元バイト先前で偶然外で会ってしまう回」と83話「映画デート回」、84話「付き合えたと思われる回」がわかりやすいかもしれないです。





恋愛×ポジティブ×増×恋愛の好転しそうな65話の内容から66話では実際にワニちゃんに会えるに至り、さらには帰ろうとしたところで偶然会うという斜め上の展開(ある意味恋愛ものでは鉄板かも?)が刺激されるのかいいねが伸びています。

恋愛×ポジティブ×増×恋愛の83話においても水族館が休館で気まずいからの映画に切り替えたところから、84話で付き合えたと思われるまで、休館というワンクッション置いているのが見えます。

このような帰ろうとしたら会う、デート先が休館だった、のようなワンクッションが重要なのかもしれません。リアルでも。。泣きそう。


反対に恋愛×ネガティブ×減×友達の19話「ワニちゃんに大晦日の誘いを断られる回」や恋愛×ネガティブ×減×日常の64話「ネズミくんとモグラくんの会話を聞いてしまう回」のように



ネガティブな内容は、みんな悲しいのかいいねは押されにくいかもしれません。19話は下がり具合は初期なので小さく見えますが、19日までの数日で1番伸びていないことがわかります。

これを書き始める前、恋愛の内容はバチくそに伸びているんだろうなあと思っていましたが(特に付き合ったあたりとか)、思いのほかグラフで見ると緩やかな伸びでびっくりしました。Twitterで尊い系のやつが単発でも、続きものでもバチくそに伸びているのを見ると単純にキャラクターが尊い系を連想し辛い存在だからなのかなとか考えてます(主観)

100日後に死ぬワニ 表 恋愛いいね

黒丸左から19話、64話、65話、66話、83話、84話


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全体を通して

全体として色々な要素が出てきたので冒頭でも述べましたがまとめると

・善の行為を描いたものは共感を呼ぶ→いいねを呼ぶ
・日常を描くのであれば個人ではなく複数人絡めて描く、個人を描
 くのであれば何らかの関わりを持たせる。
・とりあえず友情や親友関係を描くのはベター
・話題が漫画とリアルでリンクしていると爆発力アリ
・作品の前提は重要。そのうえで先が見えなかったり、対比がある
 とわかりやすく伸びた。
・恋愛系はワンクッションが大事?

あたりでしょうか、作品特有のものも当然あると思いますが体系化?すると色々な作品に当てはまってきます。

例えば「進撃の巨人」で考えると・作品の前提は重要。そのうえで先が見えなかったり、対比があるとわかりやすく伸びるというのは納得できるところがあります。

日常系も個人をずっと描き続けるだけでは成り立ち切らないところがあります。

ポジティブな内容が伸びるのも読み手視点に立てば理解しやすいかと思います。多くの人はお金や労力、時間を払ってまでネガティブになりたくはないのです。(多分)

本来であれば、コメントやRT数も交えて考えることができれば、より有意義な記事になったかもしれませんが、異様に長くなってしまったため今回は「いいね」に焦点を置いて考えるまでとさせていただきます。

以上です。

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最後まで閲覧いただきありがとうございました。
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