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おとぎ話の中に迷い込んだよう

6月1日(土)
朝、目が覚める。アラームが鳴る前だ。素晴らしい。カカオは足元ですーすー眠っている。

玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。さわやか。うっとり。

カカオにご飯をあげる。

ウーちゃんとルーちゃんに控えめにエサをあげる。

昨晩、真夜中にデータを仕上げてアップロードした。DNPのAさんに「ダウンロードをお願いします。」とメールを出していた。今朝 5時頃に返信が来ていた。すごい。

昨晩、11点の絵を仕上げたあと素晴らしい解放感を味わった。ほっとした。とても可愛く描けた。

今日は夕方 こもれびの森へ行く。
MさんとRくんが来る。みんなで蛍を見に行くことにしている。楽しみだ。先週、ごはんさんに蛍を見に連れて行ってもらって感激した。今週はどうなんだろう。

お弁当を作る。

せっせと お弁当を作っていて手が離せないので、ごはんさんが差し入れにポテトを買ってきてくれた。もぐもぐ。

お重3段分のお弁当が出来上がった。
修一郎の分のお弁当も用意しておく。

夕方、お弁当を車に乗せて ごはんさんの運転で しゅっぱーつ!

到着。
猫たちが出迎えてくれる。子猫の姿が見えない。「いない、いない。」と言っていると、ごはんさんが「裏から見てみたら?」と言った。いい考えだ。

裏というのは、秘密基地のことだ。
先週、ごはんさんが

「秘密基地作ったよ。」と言った。

すごくときめいた。なんて素敵な響き。

「どこどこどこ?」と、私。

「裏のイチョウの木のとこ見て。」と、ごはんさん。

ものすごく背の高いイチョウの木や、大きな椿や桜の木の間に木の梯子が立てかけてあった。ときめく。

わくわくしながら梯子を登った。登りきったところで梯子から降りる。まわりがよく見えた。その梯子の上り下りはとても楽しい。

ごはんさんが草刈機で草を刈っていた。すごい音がする。そんなにすごい音がしているのに、小さな赤トンボが肩に留まっていた。

先日、お庭でメダカちゃんたちの水を換えているときも、背中に小さな赤トンボがずっと留まっていた。去年もそうだった。

建物に入り、用事をする。
日が暮れる少し前、Mさんたちが到着した。
みんなでお弁当を食べる。

そして、蛍に会いに しゅっぱーつ!

山道を走る。街灯が全くない。ヘッドライトを消すと闇になるあの山道。

鹿がいた。ものすごく可愛い。道端で じっとこちらを見ている。夜空のような瞳。みんなで興奮する。まだ若い。

「鹿!鹿!鹿!可愛い!可愛い!可愛い!」

しばらく行くとまた鹿がいた。
少し角が伸びている感じ。若い牡鹿だ。

ずっと騒ぎながら進む。今度は何かが飛び出してきた。ゆっくり走っていた ごはんさんがブレーキをかけた。

「あれ、何?何?」

「タヌキ?ネコ?」

「キツネだ!!」

すごく可愛い。出てきた方へ戻り、そこからこちらをじっと見ている。か、可愛い!!おとぎ話の中に迷い込んだようだ。素敵。素敵すぎる。

興奮しているうちに蛍のいる場所についた。
今日はどうだろう?

すごかった。

すごすぎる。生まれて初めてこんなにたくさんの蛍を見た。先週もそう思った。今週、記録を更新した。

地上に ぽっかり現れた宇宙のよう。まるで銀河だ。夜空には北斗七星を中心にした満点の星。天にも地にも星空が輝いているようだった。上を見たり下を見たり右を見たり左を見たり、忙しい。

幻想的。という言葉がぴったりだった。なんて美しいんだろう。感動して胸がふるえた。言葉がない。

「ぜんぶすごい。」と、ごはんさんが言った。

その通りだと思った。

地面にも蛍がいて光っている。間近でみると力強い光だ。みんなで興奮しながら蛍を見た。

iPhoneで撮影した。なんとか撮れたけれど、実際は写真に写っている 3倍くらいの蛍がいた。暗いのでシャッタースピードが遅くなり、私の腕では一番たくさん輝いているときからずれて写ってしまうのだ。

別の場所へ移動する。

蛍が橋の支柱に留まっていた。
Rくんが「蛍、手に持ってみて。」と言った。

Mさんといっしょに そっと包む。Mさんの手の中でゆっくり点滅している。黄色と緑色の光が美しい。次に私の手のひらに乗せた。ずっと蛍は手のひらで光っている。呼吸に沿って点滅しているのかな。ゆっくり深く光っている。

蛍は全然飛んでいかない。意外と大きいんだなぁと思う。ずっと乗せたまま眺めていたいくらいだが、そっとおろす。

車の中で

「すごかったね。」と、みんなで話す。

帰り道、もうすぐ こもれびの森に着くというところで、突然 鹿が 2頭飛び出してきた。結構大きい。真正面にいる。近い近い!絶対当たる…!

「きゃー。」と言って、また目を閉じて顔を両手で覆ってしまった。前回、猪が飛び出してきたときと同じだ。

全然 当たった感じがしない。胸がバクバクしている。目を開けてみる。鹿はいなかった。

「当たった?」と聞くと、

「当たってないよ。」と、ごはんさん。

どうやって回避したか全く分からない。でもみんな無事で本当によかった。ほっとする。

みんなで「びっくりしたね〜〜!!」と、騒ぐ。そのとき、

「後ろに鹿がいる。」と、ごはんさん。

後ろにバンビが立っていた。子鹿だ。バンビだ。めちゃくちゃ可愛い!!メルヘンの世界だ。胸が高鳴る。子鹿は ぴょんぴょん跳ねながら山へ帰って行った。

鹿も人も車も みんな無事で本当によかった。

こもれびの森に到着。

「なんか、すごい日だったね。」

と言いながら、空を見る。こもれびの森で見る星空は極上だ。寝転んで ずっと眺めていたくなる。こんなにたくさん星があるなんて。感動する。

「またね。気をつけてね。」と言って、それぞれ帰路に着く。

こんなにたくさんの美しい蛍が見れて幸せだ。動物たちも星たちも。連れて行ってくれた ごはんさんに感謝のきもちでいっぱいになった。

家に帰り着く。
中に入る前に夜のぜんぶに「おやすみ。」を言う。

修一郎が起きていた。蛍と動物たちのことを話す。びっくりして「よかったね。」と言ってくれた。

カカオは遊びに出かけている。

手のひらの蛍の感触と光を思い出す。

今日もいい一日だった。

手のひらで光る蛍
北斗七星の上の光の筋は蛍の光
川の上の蛍たち
実際は もっともっとたくさん飛んでいた

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