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生みの親としてとてもうれしい

7月2日(火)
朝、アラーム 2回目で目が覚める。むくりと起き上がる。

寝室を出ると廊下が水浸しになっていた。
雨漏りをしているようだ。

数年前に大量の雨漏りをして、その後雨漏りしなかったので屋根が自然治癒したと思っていたけれど、していなかった。ふきふきする。今度雨がたくさん降ったらバケツを置いておこう。

玄関の戸を開けて朝のぜんぶに「おはよう!」と、あいさつをする。
クローバー畑が水浸しになっている。トンボたちがスイスイ飛んでいる。可愛い。胸が躍る。

カカオにご飯をあげる。
ウーちゃんとルーちゃんにタブレットのエサをあげる。ウーちゃんが ペッと吐かなかった。おぉ。

ウーちゃんが可愛いポーズでこちらをじっと見ている。「可愛い!可愛い!」と言いながら似たような写真を11枚も撮影してしまった。

水を換えようとすると、ルーちゃんが つぶらな瞳でこちらを じっと見ている。可愛い。きゅん。

食事の支度をしていると電話が鳴った。
遠賀町役場 企画広報課のKさんだった。新作の おんがっぴーグッズではないが見せたいものがあるので、午後 持って来てくれるという。なんだろう。楽しみだ。

仕事部屋をちょっとだけ片付ける。

役場の Kさんと課長の Fさんがやってきた。
Kさんがテーブルの上に名刺を置いた。これから遠賀町の職員さんたちが使う名刺だという。そこには 遠賀町のロゴといっしょに おんがっぴー がアップで印刷されていた。おぉ。すごく可愛い。

よく見ると、その名刺の名前が ”さかいみる” になっていた。絵本作家と書かれている。そして、私の住所なども書かれていた。見本として作ってくれたそうだ。

「みるさんの分も作りましょうか?」と、Fさん。

「いいです。」と、私。

それから、1色で おんがっぴーが描かれた半透明の手提げ袋も製作中だということ。
町長や職員さんが遠賀の特産品を持って出かけたり、新しく遠賀町民になった方に書類などを入れて渡すのに使われるということ。素晴らしい。

さらに、数年前に新しくなった遠賀川駅の廊下の壁一面に遠賀町の花の写真をいくつか貼るそうだが、その中に おんがっぴーも入れるということ。おもしろいなぁ。

「おんがっぴー、町民の方に ほんと人気なんですよ。」と、言ってくれた。

すごくうれしかった。
おんがっぴーグッズも予想以上に売れているらしい。町のグッズというものは、なかなか売れないそうだ。利幅が狭いので、どん!と利益が出ている訳ではないそうだが、最近作られたマルシェバッグは 1ヶ月ちょっとで在庫が 30個になってしまったということ。びっくり。グッズが売れても私にロイヤリティは入ってこないが、生みの親として とてもとてもうれしい。

着ぐるみの貸し出しも一気に増えたということ。先日は近くの町のイオンから貸し出しの依頼が来たそうだ。おんがっぴー、がんばっているなぁ。

遠賀町の職員さんの夏の制服は紺色のポロシャツだ。昨年まで おんがっぴーがアイロンプリントされていた。それが今夏は、胸元に銀色の糸で おんがっぴーのシルエットが刺繍されている。シンプルでいい。

そのポロシャツを今度、町の小学生たちに配るそうだ。ときめく。

おんがっぴーの活躍をあれこれ聞いて本当にうれしかった。
町民のみなさんに親しまれ愛されているんだなぁ。それが何よりだ。

「あの表彰状に書かれたそのままですよ。」と、F課長が賞状を置いてある方を見て言った。私も振り返る。

しまった。賞状を、使えなくなった iMacに無造作にもたれさせている。賞状の前にはヘルメットのパンフレットや、うさぎさんのぬいぐるみや、ポーチや、箱や、コピー用紙を積んである。

「ちゃんと飾ってあるんですよ。」と、私。

F課長もKさんも何も言わず生温かい目で ほほえんでくれた。

ふたりを見送る。

「あっつぅ…。」くらっとした。

絵のラフを描く。

修一郎が起きてきた。食事の支度をする。

夕方、庭仕事をする。昨日からの続き、クローバー畑のドクダミを抜いてゆく。

冷たいお水を持って帽子をかぶってお散歩に行くことにする。玄関に ”Mil is out for stroll" のカードを貼る。

てくてく歩く。あっという間に汗びっしょりになった。途中で ごくごくお水を飲む。おいしい。お水っておいしいなぁ。と、しみじみ思う。お水が飲めて幸せだ。

坂道をてっぺんまで上って奥まで歩く。暑いけれどとても楽しい。

坂道を下りきったところで、レモンさんがワンちゃんとお散歩しているのが見えた。

「こんにちは!」と、手を振る。

「こんにちは!」と優しい笑顔でレモンさんも手を振ってくれた。

すごくうれしかった。というのも、つい最近 ごはんさんと「最近レモンさん見ないね。」と、話していのだ。そしてちょっとだけ心配していた。80歳半ばのレモンさんの元気な姿を見て本当に ほっとした。

夜、東京で暮らすトッツィーと久しぶりの長電話をした。とても楽しかった。東京の暑い夏を乗り越えるためにトッツィーはいろいろ工夫していた。

南国の葉っぱを切り絵で作って額に入れて飾ったり、箱に青い紙を巻いたり。素敵だ。センスのいいトッツィーのことだから、さぞ涼やかな素敵なものになっていることだろう。

「楽しんでできることが大事。」合言葉のように話した。

「何が起きても ”すべてうまくいっている”と、思うようにしているの。」と、トッツィーが言った。

いつも明るくて前向きなトッツィー。いるだけでその場に優しい灯りがついたようになる。

夜、庭に出る。
真っ暗。深い夜の色。家々のシルエットも濃い夜空に溶け込んでいる。コォォォと水の流れる音が聞こえてくる。クローバーたちは静かに眠りについている。夜のぜんぶに「おやすみ。」を言う。

カカオは おやつを食べて出かけた。

今日もいい一日だった。


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