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おっさんだけど、仕事辞めて北海道でチャリ旅するよ\(^o^)/ Vol. 12 進化

2024 0709
 
いまから15年以上前、7月も終わりに差し掛かった酷暑の夕方。わたしは船上の人でした。船の名は『さんふらわあ』。30代になったばかりのわたしは、大洗発、苫小牧行きのフェリーに、チャリとともに乗り込んでいたのでした。これから半月にわたる北海道周遊が始まるのです。
明けた昼過ぎ、苫小牧港にフェリーが接岸。いざゲートがオープン…! わたしの胸は高鳴っていたでしょうが、身体はすでにくたくたでした。昨日37度を超える猛暑の中、140kmもチャリを漕いで大洗まで到着したものの、フェリーで一睡もできなかったのです。わたしが選んだフェリーチケットは、一番安いヤツ。大部屋に何人もが並んで眠る、いわゆる雑魚寝です。いえ、『さんふらわあ』フェリーの設備が特別悪いのではありません。わたしが悪いのです。数多くある弱点の1つ。わたしは雑魚寝ができないのです。
大雑把で適当なくせに妙に神経質。パーソナルスペースが広く、他人との距離が近いとリラックスできない。わたしの悪い癖です。
港から出たばかりの路上の端で、荷物を積みなおしながら、寝不足の頭でわたしはこう考えていました。
“さて、どこに行こうか?”

50歳を目前にして思いますが、わたしも随分性格が変わってきました。これって、いろんな失敗の経験にくわえ、生理の変化が大きいような気がします。


そして今朝…。窓から流れる景色はひたすら海。青森県沖の海です。10余年前と同じく、東京から大洗まで140kmチャリで走り、そして苫小牧行きのフェリー『さんふらわあ』にチャリとともに乗り込んだのです。
昨日も猛暑でした。最高気温は37度。7月初旬でこの気温です。身体中の汗腺という汗腺から吹けるだけ汗を吹き出し、太陽に身を焦がされながらペダルを回しました。髪の毛という防護壁を持たないわたしの目には、眉毛を超えて容赦なく汗が侵入。掌も汗まみれで、ハンドルはズクズク。なんだったらクロックスを履いた裸足の足の裏も汗でべとべとで、ペダリングにも支障が出るレベル。公衆便所を見つけ、そこの手洗いで頭から水を被り、手と腕を洗い、無理矢理にに足の裏を流し…。風通しの良い日陰にあるベンチで休んでいると、ようやく汗が引いてきました。真っ黒に焼かれた脛。その脛に点々と付く、白い結晶。塩でした。汗が乾いて、塩だけが残ったのです。
「やばいな…」
誰ともなく、声に出して呟きました。

日本はもう亜熱帯なんだから、働き方も含めて生活様式を変えていかなくちゃですね。


夕方、這う這うの体ってやつですね。どうにかこうにか大洗に到着し、フェリー乗船に成功しました。取り急ぎ荷物を置いて、真っ先に向かったのは風呂。そう、『さんふらわあ』には風呂が付いているのです。
風呂をいただき、売店でビールを買い、そして…。眠くなってきました。今回買ったのも、もちろん一番安いチケット。眠れないであろう雑魚寝部屋に戻り、布団の用意をしていると…。
気が付くと、朝でした。しかも、7時半! 昨日、身体中の水分を汗に変えて放熱したわたしの身体。相当量の水分を補給したにもかかわらず、昨夜はトイレに立つことなく眠りこけました。そう、わたしは雑魚寝ができないという自身の弱点を克服したのです。

野宿的にはこういう東屋がベスト。もちろんテントは張るんですが、それにしても雨風をしのげるって、ホントに有難いんですよね。この公園はきれいすぎてちょっとビビりましたが…。


ちなみに、この文章を書いている現在時刻は、午前9時。10時間近く眠ったにもかかわらず、体の芯にはダメージが残っています。いやまあ、アレですね。おっさんになるってしんどいですね。

体力の低下は仕方ないけれども、感性はまだまだフレッシュでいたい! なかなか難しいですけれども、ね…。


 
 

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