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おっさんだけど、仕事辞めてアジアでブラブラするよ\(^o^)/ Vol, 69 沈没

キルギス ビシュケク
2023.0930 Sat

『なにもしない』をする---。
6月1日から始まった今回の旅。絶景を求め、街を散策し、市井の人々と交わり…。
そんな旅行者らしい行動にくわえ、もう一つ、どうしてもやりたいことがありました。
それは、なにもしないこと。
1つの街にとどまり、1件の宿を定める。そしてその場所でなにもしない…。
茶店でボーッとするもよし、宿のチャイハネにたむろするもよし、ドミトリーで寝っ転がるもよし。
宿に転がっている小説なんかを読んだり、バックパッカー同士で情報交換したり…。そして、そのうえで、なにもしない。
バックパッカー用語で言うところの、“沈没” というやつですね。

現時点でのサイコーの茶店って、実はインドのマナリなんですよね。ここは本当に気持ちの良いカフェでした。真の意味で、“インドではない” 場所でしたね。知らんけど…。

上京したのは22歳の夏の終わりでしたね、たしか。西暦でいうと、2000年前後です。
そのころ、都内在住者で関西弁を話す人は、現在ほど多くなかったように思います。だからでしょうね、そのせいでいろいろ “アレなこと” がありました。
たとえば、
「なんかツッコんでよ」
これは本当によく言われました、マジで。そのたびに、わたしはこう返していました。
「やったらなんかボケてみいや」
その他にもいろいろありましたよ。
「大阪人同士が普通に話していると漫才になるんでしょ?」
「そんなわけないやろ」
「だって大阪人ってさ、…」
「オレは兵庫の姫路出身や。大阪人ちゃうねよ!」
若き日のわたしは、“乗っかってやる” サービス精神など持ち合わせていませんでした。

よく「インドってどう?」って聞かれます。インドっぽくないインドは楽しかったけど、インドっぽいインドはちょっと “アレ” でしたから…。どう応えるのがよいのでしょうか?


その頃の関東人が持っていた関西人に対するある種の偏見、しかしながらその中には、事実もそれなりに含まれていたんですな。
「一家に一台、タコ焼き機を持ってるってホント?」
残念ながら、これはおおむね事実です。
「関西人って、ホントに自分のこと『ワイ』っていうの?」
残念ながら、これも事実です。というか、これはわたしの地元に限ったことですが…。
そしてもう一つ、関西人に多く見られる共通点があります。それは、『せっかち』なこと。
とにかく、せっかちな人が多いのです、関西在住者、そして関西出身者には…。赤信号で待たない、青信号になる前にフライング。歩くスピードも速め。待たせるのはOKでも待つのは苦手。ダラダラして論点のつかめない話には容赦なく「なにが言いたいねん?」。
自分の『せっかち』を欠点と認識し、長い時間をかけて矯正に努めてきたわたし。齢47となったいま、その試みはそれなりに成功したように感じていました。

わたしだって観光地に行きますし、団体行動もしますよ! そんでもってストレートに心から楽しみますし、楽しめますよ。自分でも嬉しい誤算ですが…。

しかし、今回の旅の出立に前後し、『せっかち』矯正不足が露呈します。
アジア周遊を意識したのが今年の2月くらい。決心したのが4月半ば過ぎ。動き始めたのがその1週間後。ちなみに、ベトナム着の飛行機が6月1日で、パスポート取得日が5月22日です。この一例だけでもわたしの阿呆さ、せっかちさがわかるかと思います。
当然、現地でも、準備不足が原因のトラブルが多発します。まず、キャッシングができない。というよりもやり方を知らない。予約した宿までたどり着くことができない。というか、空港を出ることすらできない。

そんなわたしでしたが、多くの人々の助けを得、そしてもちろん自分でもいろいろ調べ行動し、9月末現在どうにかこうにか旅を続けることができています。有り難い話です。

インドを経験したいま、たいていの不愉快さや理不尽さは「まあまあまあまあ…」で済ますことができます。そういった意味でも凄い国です、インドは。知らんけど…。

そして、キルギスの首都ビシュケクの宿で、わたしは以前からの目標であった、“沈没” を体験しつつあります。
ビシュケク到着が9月19日。22日の朝からトレッキングに出発し、ビシュケクの宿に戻ったのが25日の夜。イランビザの申請や、それに伴う航空券の予約など、いろいろなことをダラダラとやった結果、この文章を書いている現在が9月30日。
あれあれ、これって “沈没” ですよね? “沈没” で合ってますよね? 
その間にも、幾人かのバックパッカーに出会い、いろいろな話を聞けたりしています。その結果、次回の長期旅行、その候補地に南米が加わりました。
つまり、ビザ発行待ちでビシュケクに留まっている現状でも、それなりに旅を楽しんでいるのです。せっかちでせっかちでどうしようもなかったわたしが…。今回の旅でも、3日以上同じ宿に泊まることのなかったわたしが…。

人間って、日々変わってゆくものです。
とりあえず、これを成長とすることにしましょう。

コルカタのムスリム居住区で出会った女の子。すぐに声を掛けました。
この写真のこの表情、すごく気に入ってるんですよね。
※写真と本文は関係ありません。

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