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おっさんだけど、仕事辞めてアジアでブラブラするよ\(^o^)/ Vol, 73 再開

サマルカンド
2023.1006 Fri

いくつか前のエントリーでも書きましたが、キルギスはビシュケクの “さくら” ゲストハウスで わたしは“沈没” をしていました。そのときは正しく“沈没” していたと思っていたのですが、どうやら思い違いをしていたようです。
“さくら”  でわたしは “沈没” ではなく “帰国” していたのです。

生物学的に言うと、“刺激”は“ストレス”と言い換えることもできます。
繰り返しのない新鮮な毎日って、実は予想以上に疲れていたりするんですよね。


“さくら” を評して快適と言えば少し語弊があります。実のところを言うと、マジで超快適なのです、特に我々日本人にとって…。
ではでは、盛りだくさんのメリットを紹介しますよ。
なんと言っても、まずはこれ。日本語の通じるスタッフがいる! Poor Englishしか使えないわたしみたいな日本人は、マジで本当に助かるのです。オーナーは日本人だし、現地人の奥さんは日本語が堪能です。つまり、キルギス語と日本語の両方の使い手が受付にほぼ常時居てくれるので、たいがいのことには対応できます。“さくら” で対応できないのなら、もうあとは大使館しかありませんね。
次はこれ。トイレとシャワーと洗面台がセパレートでいつも清潔! これもめちゃくちゃ重要です。腹を壊しやすい海外で、清潔なトイレがいつでも使える。このアドバンテージは、海外で貧乏旅行をした者にしかわからないでしょう。シャワーだって重要。ホットシャワーがすぐに出ますし、しかも清潔だから、いつでもそこで洗濯ができちゃうのです。
そして、日本人ツーリストがよく訪れます。“さくら” は日本人宿ではなく、日本人がオーナーのゲストハウス。体感的に外国人:日本人は8:2くらいです。良くも悪くも個性的な人が多いバックパッカー。「ガチガチの日本人宿はちょっと…」というわたしのようなタイプの日本人ツーリストも丁度良い塩梅でくつろぐことができます。
他にも、旨い飯屋や早朝からやっている食料品店が近所にある、皆で話せるチャイハネがあり、なんならそこにコンセントも装備、キッチンは使い放題で電気ケトルもある、などなど、“さくら” ならではの特典がまだまだあるのです。

このメンバーでよくチャイハネに集いました。あと1か月くらい居てもよかったかも、“さくら”には…。それくらい快適で楽しい毎日でした。

トレッキングに行ったり、ビザを取得したり、想定外のトラブルがあったり…。そんな “さくら” でわたしは合計10日間くらいも滞在していました。
その生活は、そう、まるで日本でした。

朝7時に起床。ベッドでスマホをチェックし、少し経ってからシャワー。8時に朝飯の買い出しに行き、チャイハネで食事。そのまま旅ブログを更新したり、旅仲間と駄弁ったり…。
夕方過ぎか夜にまた皆で集まり、ビールを飲んだり飯を喰ったり…。ベッドに入るのが24時前なんて夜もザラにありました。

ビザ所得の目途が立った10月3日の夜、後ろ髪を引かれる思いで、わたしは “さくら” を後にしました。

タシケントがつまらないのではなく、わたしが都市に興味がないだけです。この旅を通し、自分の興味の方向性がより鮮明に視えてきました。

次の日をウズベクの首都タシケントで過ごし、その次の日の夕方にサマルカンドに到着しました。
『みんな大好きサマルカンド!』
言葉通り、誰もがストレートに好きになる街サマルカンド。そして、宿は2カ月弱前に宿泊済みのお気に入りのホステルです。
しかしながら、わたしはイマイチ乗り切れていませんでした。微妙に高いサマルカンドの物価と、わかりにくい超高額紙幣(1000スム=12円)。絶妙に近くない食料品店。方針が変わり、使用が制限されたホステルのキッチン。目ぼしい観光スポットは前回にすべて訪れているので、特に見るべき場所もありません。
おまけに、ウズベクに入国してから、スマホがネット接続できないという致命的なトラブルに見舞われているのです。もちろんウズベクsimを購入済みで、sim屋の姐さんもお手上げです。

Photogenic city サマルカンド! これって誰でも好きになりますよね? 旅行者はもちろん、地元の家族連れやカップル、なかには結婚式の写真をここで撮る人たちもいますよ!


ホステルでWi-Fi接続して調べ、ネットの繋がらない街に繰り出しました。目指すは銀行。次の目的地イランではカードキャッシングができないため、現金をドルで用意して持ち込まなければならないのです。
よくわからないウズベクの銀行システム。よくわからない日本のキャッシュカードシステム。よくわからないスマホの設定。もちろんわたしはわかっています。ウズベクの銀行システム以外、わかってないのは自分の責任だということを…。
普通のバックパッカーが知っているべきことを、わたしはなんにも知らないのです。効率的な現金の入手方法。スマホの設定や使い方。入国や出国に関するあれこれ。なんだったら観光地のことなんかもほとんど知りません。
たしかに時間はありませんでした、アジア周遊を決めてから出発するまでに…。しかし、もう自分で気付いています。わたしという人間は、常にそういうアレなことを繰り返してきたのです。

バザールの裏に搬入口あり。こんな場所でもトラック野郎たちは活躍しているんですな。

ナショナルバンクで300ドル分の両替に成功し、続いてあと1000ドル分くらい両替しようとしたとき、突然カードが使えなくなります。調べようにもネット接続ができない。仕方がないので4km歩いてホステルに戻り、ネット接続して原因を調べました。1枚は利用限度額の問題、もう1枚は不正利用防止システムに引っかかったからでした。
利用限度額は仕方ないとして、不正利用防止システムの解除には成功。また4km歩いてナショナルバンクのATMでキャッシュをおろそうとしました。が、はたしてカードは弾かれてしまいました。絶望し、次いで立腹し…。もうホステルに帰ってふて寝しようかと思いましたが、思い直して最寄りのカフェで尋ねました。
「このカフェにWi-Fiはありますか?」
どんなカフェでもWi-Fiがつながる東南アジアとは違い、中央アジアのカフェは多くの場合がWi-Fi無し。しかし、このカフェには奇跡的にWi-Fiがありました。
さっそくネット接続し、カード会社に問い合わせ。と、「カードシステムには問題なし」とのこと。考えること1分。
「違うATMで試してみよう」
カフェでチャイを飲むことにより、わたしは落ち着きを取り戻していました。
トイレを使用させてもらい、そしてチェックを要求。
「要らないよ」
年若い兄ちゃんは笑顔でそう言いました。いまは休憩中だから、お代は結構だと…。
礼を言い、わたしは違うATMに向かいました。先程までとは打って変わって、軽い足取りでもって…。

なにが嬉しいって、人に親切にされたときが一番嬉しいですよね。いただいた分、今度は別の人に返そうと思います。なかなかできてないけれど…。


アジア銀行のATMで現金の引き出しに成功し、それを持って両替にトライ。多額の両替にはウズベク人のIDが必要でしたが、当たり前のように隣にいたウズベクの兄さんがIDを貸してくれました。1000ドル分のウズベク紙幣は強烈に大量で、数えるのも大変でしたが、ここはウズベクのサマルカンド。治安的に安心して紙幣を数えることができました。2回に分けて両替をしたのですが、2回目も当たり前のように近くの人がIDを貸してくれました。

余談ですが、中央アジアでは肉屋にこの手のハムがめちゃくちゃ置いてます。値段も手頃だし充分に旨い! 2日に1本くらいのペースで喰っていますよ、わたしは。

帰り道、わたしは想いました。
“さくら” は日本で、サマルカンドは外国なんだ、と…。
海外でパックパッカーをしているわたしは、“さくら” で甘えてばかりはいられない。
英語が話せないのは自分の責任です。現地のルールを知らないのも、予定を立てていないのも、自分の責任です。そのうえで、旅を楽しむのです。それを選択したのは他ならぬわたしです。

いままで4カ月間、かなり力いっぱい旅を楽しんできました。
これからの後半戦、まだまだ力いっぱい旅を楽しむつもりです。
もしも旅を楽しめなくなったら、帰国して英気を養えばいいのです。
なにをどうしたって、今後も旅は続きます。
賽は投げられた。
Point of no return.
笛吹いて歩いて行きますよ、わたしは!

わたしの知る限り、手頃な値段の鶏の唐揚げは、サマルカンドのバザールでしか売っていません。強烈に旨いこの鶏から揚げ、これを喰うためにバザールまで出張りました。


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