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こんなに汎用性のあるアイデアと戦略を得られるとは…!と感動した話と得た学び

 

ビジネスのサスティナビリティやスケールのための戦略を考えるすべての人に見てほしい、ものすごいものを見つけてしまった…!

自分の業務に活かせるのはもちろんのこと、あらゆるマッチングに適用できるのでは?!?!めちゃくちゃすごいものが公開されている…!!!と大興奮した勢いのままに書く。


全6回のこの番組を見ればあらゆるマッチングのヒントをつかめるのでは?とさえ思う。

上司への提言、社内での昇進や希望部署への異動(社内でのR&Rとのマッチング)、自分の市場価値(市場とのマッチング)、婚活(結婚相手とのマッチング)、理想と現実、ビジョンとレベニュー…と、活かせるヒントの宝庫。 

USP(Unique Selling Point)の確立や競合との差別化、ユニークであることをどう証明するかなど、異なる立場での考え方や施策が詰まっている。


その番組は、Netflixの「100万ポンドのメニュー」。

レストランアイデアを持つチャレンジャーが3日間ポップアップストアを開き出資をつかむという挑戦を描いたドキュメンタリー。


ノンストップで3話まで観て、次も2話連続で観てと、とにかくひさしぶりにどハマりした番組で、キーファー・サザーランドの24以来の「次を観ずにいられない感」で観続けた。


なぜこんなに惹かれるのかを考えてみたらそれはひとえに、ビジネスの基礎から応用まで、アイデアからオペレーションまで、事業から投資まで、リアルな現場から判断まで、なかなか通しで見られない上流から下流までの工程が60分のなかに詰まっているから。


ビジネスのいろはがこれでもかと凝縮されていて、加えて投資家側のリアルな声、シビアな視点を聞ける機会はなかなかない。


企画やマーケティング、新規事業、起業を考えている人に特に響くポイントがたくさん!
必修にしてもよいのでは!?!?とすら思う。


そしてすごいのが、適用できるのがビジネスだけじゃない点。

ビジネスにもキャリアにも転職にも結婚にも共通することは、正解がないこと。

正解がないからこそ、正解を見つけることではなく正解にしていくことが必要で、その方法論がこれでもかと詰まっているのだ。



ぐさぐさ刺さりまくって観ながら&観終わってからもずっと考え続けてしまうぐらい(日本語字幕で観た後に英語字幕でまた観ている。イギリス英語が新鮮。)。


すでに3ターン目なのだけど、これからのBack to basicsになりそうなぐらいすでに自分のなかで生きた教科書化している。


「人は見たいようにしか見られない」というのが何かを伝える時に心に留めていることなのだけど、自分用の備忘録としてまとめておく。(12こもある!)(ネタバレなし)


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◼︎数打ちゃ当たる、でもその前にできることがある
100人いたら100通りのアイデアがあるように、投資家が100人いたら100通りの投資方針がある。

だから一度のチャレンジでマッチングしなくても、一喜一憂は不要。

一度の不成立が今後のすべての可能性を否定するものでは全くない。

単純に相性や方向性がその人とは一致しなかっただけ。

でもマッチングするために自分ができることとして、自己認識と言語化は必須。

というのも投資を得るにもサービスが流行るにも、ベースには共感が大なり小なり必要。

共感はアートな部分が大きい。

ただアートはサイエンスを礎として生むこともできる。

だから共感を生むためには共通言語を具現化することが必要で、その具現化とは2点。

背景から始まるストーリーと、数字。

ストーリーはアート、数字はサイエンス。

ストーリーと数字は、自己認識と言語化で生まれる。

マッチングの確度を上げる策としては、数、そして粒度の細かさが鍵。


◼︎ビジョンなくして未来なし
Win-Winなマッチングをするには、お互いのビジョンの公開が必須。

事業家は投資家のスタイルを知り、投資家は事業家のビジョンを知る。

ビジョンがなければその先は続かない。

印象的だったのが、3話でレストランのほかにも事業をやっているチャレンジャーが投資家に「(もし投資を得られたら)専念するか?」と聞かれた時に「それは俺のスタイルではない」と言い切ったこと。契約成立の前にわかったのはお互いよかった。スタイルの違いを無視して成立したとしても、同じ未来を目指すことはできなかった。


◼︎“その先“に続くために現実を知る
投資家の判断は、今目の前の現実に、確実に描ける未来が乗せられるか。

原価率、スタッフの給料、家賃、どのスタッフでも再現できるか(平準性)、スタッフ1人あたりが1時間にいくら売り上げられるか(物理的に対応できる人数や席数)、季節性の有無、複数店舗への拡張可能性、立地や場所に左右されるか、リピーターはつくか、などが彼らの指標になる。

事業家もこの目線を持てたら強いなと思いつつ、最初からブランドとビジネスを両立しようとすると「二兎を追うものは一兎をも得ず」になるから避けるべきではある。

まずはプロダクトファーストが鉄則であることにかわりはない、ものの、目の前の数字(売上、客単価、回転率、最大売上可能額)、消費者の評価や懸念、参入しようとしているマーケットの現状などの現実を見ることもできるに越したことはない。


◼︎前提の共有は大前提、可能な限り多角的に
ビジョンではWhy(なぜやるか)のウエイトが大きいが、How(拡大スピードや規模など)、SWOTなどを事業家側も描いておくことが必要。

1店舗オープンしたい人と全国展開したい人とでは、スピードも違うし必要なオペレーションも違う。

成し得たい目的が合致していなければ、当然正解も異なる。

目的だけじゃなくてアプローチも一致していた方がお互いストレスがないし軌道修正が簡単。


◼︎すべてがプレゼンたれ
レストランでいえば、内装やメニューは言うまでもなく、出迎えも注文を聞くタイミングもサービングも見送りも、すべてがプレゼンテーション。
細部を演出できない人は細部に気づけない人、細部にこだわれない人と見なされる。

雇われている身ではそこまで求められないと思いがちだけど、言動も仕草も目線でさえ人となりを表すなーとテレビ越しでもわかる。


◼︎常に本質に立ち戻るべし
人はいろいろ言う。

真意も意図も温度感もわからないものに振り回される必要はない、信じるべきはいつだって自分のなかにある。

だからこそ自分のなかには確固たる軸が必要。

譲れないもの譲れるもののラインを明確に。

何を失ったらアイデンティティが失われるのか。どこが命なのか。それは直感でもいいし、好みでもいいし、そこに理屈はなくてもいい。説明できないことに不安を感じるなら、ロジックを見つければよい。一番こわいのは、確かな信念がないままに流動的になること。

◼︎人には人の乳酸菌
だれがなんと言おうと思おうと、自分の人生。

自分がありたいように。それが一番大事。

最短距離でスムーズに平和主義でいくことがいちばんコンフォタブルならその選択もあり。

正解はない。正解は、ない。


◼︎フェーズがある
4話に出てきたプリンスという男性、独学で母のキッチンからデリバリーを始めて、インスタのフォロワー43,000人を中心に1日250食限定・週3日の営業で週1万ポンドを稼いでいる。彼のキャラクターはこれから成功しそうな雰囲気を醸し出している。

ネタバレを避けるため全部は言わないけど、この回は特にフェーズドアプローチの重要性を感じた。

事業には事業計画が必要で、目的と戦略で決定される。投資にもどのフェーズで投資するか会社や人ごとに方針や信念がある。すべての物事には段階があって、そのときどきでのベストシナリオをつくることが重要。

0→1、1→3、3→7、7→10のどの段階にあるのか、それぞれの段階でのKPI・KGIは何か、フェーズとTo Doの見極めが戦略をつくる。


◼︎ブランドとは

登場するのは選ばれた事業家なのでコンセプトやメニューはすでにあるなかで、それがブランドであるかどうかはまた別の話だなと。

必ずWhy(なぜやるか)からすべては始まっているけれど、その描いたものが描いた通りに認知されるかどうかはまた別のお話。

店名、外観、内装、メニュー、スタッフ、サービス、すべてがひとつのコンセプトに帰結されていなければ世界観は完成されない。


◼︎売りを理解する

何が自分のUSP(Unique Selling Point)なのか?
自分がやる意義がどこにあるのか?
どこにそれを表現できる/すべきなのか?

ここの突き詰めが重要。

世の中にすでにあるほかのサービスと何が違っているのか、が明確に伝わらないと、選ばれるきっかけにならない。


◼︎目的が異なることを理解する

事業家と投資家は見ている世界が違う。

存在の目的が違うからだ。

事業家は自分の夢やアイデンティティや経験を投影したアウトプットをつくることがまず目的で、立ち上げの段階では収益化が二の次になっていることもしばしば。

投資家はいかに儲けるかが目的。そのためにビジョンやUSPはもちろん大前提だけど、スケーラビリティ、平準化、収益性、投資回収性をより重視している。(スケーラビリティを重視する投資家は、大掛かりな設備投資が不要か、小スペースで済み家賃を抑えられるか、店舗だけでなく売店や映画館でも展開できるかを投資判断のポイントとして挙げていた)

だからタッグを組むのはお互いにとって利害が一致すればWin-Win。

だけど念頭に置くべきは、それぞれの目的が違う以上、正しいことはそれぞれ違うということ。

決断内容も理由も違う。

ビジネスなので自分の領域を超えて相手の立場を慮る必要はない。

だからこそ、目的が違うことを理解したうえでどこまで最大公約数に近づけるか、の線引きが不可欠。


◼︎チームをつくる
コンセプター、シェフ、マーケター、オペレーター、ファイナンス…

ひとり何役も最初はこなさなければならないけど、やっぱりいちばん得意な分野にフォーカスすることが個人にもチームにもリターンが大きい。タレントを持ち同じ目線で夢を語れる人と組めるかどうか、が強い存在になれるかの必要条件だとさえ思う。


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は〜〜〜とにかく学びがありすぎてつらい…!

もう3ターン目も観終わってしまった。
あー「100万ポンドのメニュー」ロス…!!!
シーズン2早く…!!!


ちなみに…

同じぐらい生きた英語の勉強になる!

ビジネスでの表現をこんなに生の状態で聞ける、字幕で見られる(これが大きい!)のは、私のような非留学経験者には涙が出るような機会。。。


※知らなかった/忘れてた単語メモ※

I seconda that. 私もそれにします(本来は「同意します」)
genuinely 純粋に、心から
laddie(スコットランド方言)若者、少年(親しみを込めて)
reckon(イギリス英語)=I think
attire 服装
virtue 美徳
stigma 汚名
cop-out 責任回避する
suburban 郊外の
evaporate 蒸発する、消失する、蒸発させる
predominantly 主に、圧倒的に
arrogant 横柄な
generosity 寛容
remiss 怠慢な、不注意な
pillion rider 相乗りする人
culinary 料理の
fascinate 魅了する
assumption 家庭、臆説
chuffed(イギリス英語)とても喜んで 
versed 精通して
indulgent 甘い
succinct 簡潔な
ginormous 予想以上に大きい、とてつもない
sway 揺らす、揺れる
viable 実行可能な

A very small proportion were able to finish an entire tub of cookie dough. なんて表現、ネイティブじゃない限りさらっと出てこないよ…!


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