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<瞑想体験記>目を閉じて心をしずめる④

瞑想は今では有名な企業が取り入れていたり、有名人やインフルエンサーの人たちが「瞑想してます」と言っているので、「瞑想」という言葉はそれなりに市民権を得ているのではないかと思う。

女優の柴崎コウさんは、自身のyoutubeチャンネルで朝瞑想をしている姿を映していたしね。モデルのローラちゃんも瞑想してた。なんだか、瞑想ってオシャレなかんじ?もしているのでは。

私が「瞑想をしてみよう」と思った15年ほど前は、まだ瞑想って「ちょっと怪しい世界」と感じられていた。当時私はフランスに住んでいたのだけど、一時帰国した時に瞑想の本を買ってひそかに試していた。その本にはCDもついていて、それを聴きながら瞑想するのだけど、必ず最初の5分もしないうちに眠ってしまって続かなかった。

私の瞑想は、挫折から始まった。

誰に教えてもらうわけでもなく、頭の中で「瞑想は背筋を伸ばし、意識を集中させ少なくとも30分は行うこと」というイメージがあった。でも、私の場合は5分ももたない。背中をピンと伸ばして座り続けることも出来ない。すぐに腹筋が緩んで、背が丸くなってしまうし。

それからしばらくして、日本に帰って来た私はまた瞑想をしてみたくなった。

ある日、訪れた場所の受付に貼ってあった張り紙に「瞑想」と書かれていて、瞑想をしたいなと思っていた私の気を引いた。こういう時の私の行動は素早い。すぐに申し込みをした!でも、その瞑想って1泊2日の瞑想合宿。ハードルが高すぎやしないか?と、私が当時の私の友達ならツッコミをいれたいが、私には藁にもすがりたい何かがあったのです。書かないけど。

1泊2日の瞑想合宿なんて楽しそう!瞑想だから、人と話す必要とかなさそうだし(私は人見知り。美容室でも出来る限り話したくないタイプ)、じっと瞑想だけする時間なんていいじゃないか!ワクワクしながらその日を待った。

はっきり言って、それがどこで開催されたのか、現地までどうやって行ったのか全然覚えていない。でも、そんなに交通網の良い場所ではなかったはず。最寄駅からバスに乗ったかな?それくらいの記憶しかない。

というより、この瞑想合宿の印象が強烈すぎた。本当に、強烈だった。CDで密かにひっそり始めた瞑想から、一気に「ここ」へ???と。落差が激しすぎた。「ちゃんと調べてから申込めよ!!!」冷静な自分が後ろ蹴り。

会場に着き、受付を済ませた。「あちらです」と言われる瞑想会場の方を見ると仰天。「え?うそでしょ?これ、瞑想じゃないでしょう?いやいや、少なくとも私が申し込んだ、私がやりたかった瞑想じゃないよね。ここ違うでしょう?会場間違ってるでしょう?」たぶん、一瞬でそれくらい頭の中に言葉が飛んだと思う。本当にびっくりした。なぜなら、会場からよく分からない爆音が聞こえていたから。

爆音でさえ驚きだったけど、中に入ってさらに驚いた。みんな・・・跳ねてたから。

そこは小さめの体育館のような感じ。蛍光灯が眩しかった。その中で、30名近くの人たちが上下にぴょんぴょん跳ねていた。すぐにでも帰りたかった。いや、帰ればよかったんだよ。でも、私ってそういう時は小心者。それに「今はこうでも、本当は違うのかも」と期待した。それはかすかな期待ではなく、大きな期待と大きな希望だった。

結局集まったのは50人くらいだったんじゃないかと思う。インドだったかな?の、偉い先生のような人が来ていた。時々、その人が話す時間とかあったけど、どんな話だったのか全く覚えていない。私の記憶には人々がぴょんぴょん跳んでいるという姿が残っているだけ。

世の中には、様々な瞑想があるもんだと思った。人それぞれ好みはあるし、要は「瞑想状態」になれば良いのだ。だから、好きなスタイルの瞑想を続ければいい。私の場合、このピョンピョン跳ぶ瞑想は合わなかった。

こうして、2度目の瞑想体験も挫折したというわけ。

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