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近鉄生駒線擬人化歴史漫画『張子兄弟と絵図の虎』【2】

不景気や車両の不備で開業が遅れた信貴生駒電気鉄道
苦労の甲斐あって、信貴山にお参りできる第1期線は好成績でスタート!
しかし、そこにまたしても不穏な影が忍び寄る⁉️

現・近鉄生駒線のあまりにも主人公補正がない鉄道史漫画、第2弾!

▼【1】はこちら

本編

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鉄道誘致に消極的だった理由がいかにも奈良の平群近辺。

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生駒電気鉄道の役員は信貴電では取締役どまりで、専務の椅子は与えられませんでした

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解説

信貴生駒電鉄社史』では、(京阪と社長が同じ)三重合同電気による援助が実現したのは、京阪と資本関係があった生駒電気鉄道を合併したためであると説明しています。

京阪が触れてないだけで、生駒電気鉄道ははじめから京阪の子です。

生駒電気鉄道設立時の社長は篠野乙次郎氏(京阪の取締役)
専務は山口定亮氏(信貴電と合併したときに専務になれなかったお方、のち色々なドラマを起こすので作中の枚方線は彼の行動をトレースすることになります)

信貴電に生駒電気鉄道の合併を勧めた大阪株主協会の理事長、大鐘彦市氏はのち新京阪鉄道千里山線→阪急千里線となる北大阪電気鉄道設立者のひとり。
人脈としては大軌土地系(大軌=のちの近鉄とは無関係)で、ここを掘ると京阪による北大阪電気鉄道株買い占めを東横電鉄の五島慶太氏とともに斡旋した前野芳造氏もいます。

京阪社長、太田光凞氏の自伝『電鉄生活三十年』では、旧生駒電気鉄道に関わってたことに一切触れず、信貴電が旧生駒電気鉄道を合併したときに「自分がこの会社に関係したのはその当時で~」と記しており、その後は漫画にも描いた三重合同電気視点で信貴電と関わったときのメリットを書いています。

ここから太田光凞氏の見解を二人のキャラに分ける際に
京阪には旧生駒電気鉄道が縁者であることに関してしらばっくれさせ
三重合同電気には京阪のそういう態度をやんわりと指摘させつつ彼女の思惑にとことん付き合う忠犬キャラ
となりました。

うーんやることえげつないですねこん時の京阪は。

信貴電社史と太田光凞氏自伝のミスリードに気づけたのは、鉄道ピクトリアル695号掲載の「京阪グループの系譜―戦前期の太田光凞社長の関連事業を中心に」という記事あってのことです。
この記事では

太田が(略)相談役として関与した旧生駒電気鉄道の穴を、因果を含めて一時的に信貴電に抱かせ、(略)1年後には三重合同電気なる別の姿となった信貴電の救世主として現れ、現物出資のトリックで旧生駒電気鉄道持ち越しの穴を消す手品を見せたのではなかろうか?

と書かれており、続く文章でも株主協会というのは表の姿で~的な考察が。
読んだときに寒気がしましたが大いに活用しました、ええ。

京阪系の欲望としても、旧生駒電気鉄道の不良資産問題にしても、
「王寺生駒間に」「都合よく」信貴電がいたことで利用されちゃったのかなーと。
あとは同じく生駒電気鉄道の相談役で、それを信貴電が合併したことで資本関係が生じていた大軌への牽制目的もあったのかなと妄想はしましたが、京阪・近鉄双方にそれを匂わせる史料は見つかりませんでした。
(この後大軌系とも色々ある)(近鉄系になる過程でも直接交渉があったわけじゃないっぽいし色々可哀想)

弊擬人化では、信貴電と枚方は、存在が生まれてから関係を組んだため、血縁のない義兄弟であるとふたりとも理解しています。
その他の細かいビジュアル設定はこちらの画像を。


なかなか不穏な路線関係となってきましたが、次回からはついに大軌(近鉄)との関係にも切り込むか……⁉️
またお楽しみいただけますと幸いです😘

Now!!

大軌くんの急成長こわい。

▼【3】はこちら

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