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音大生(22) 音楽とカルチャーとごはん。

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音大生(22) 音楽とカルチャーとごはん。

最近の記事

Op.52 鉄の鎧にも穴は空く

卒試も近いことだし、今月は残しておきたいときだけ書くことにする。 ついに冬休みは明けたらしい。 大学生活も後半に差し掛かり、気づいた頃には就活のついでに練習、授業、レッスン、勉強、たまに息抜き、なんて過ごし方をしていた。そして就活を終えると、それまで自分を縛っていたある意味緊張の糸のようなものから解放されて、まるですべてを束ねていたロープが切れたみたいに密度のない生活をするようになった。この生活は今でもあまり改善されていない。 これまで、あれこれやりたい事に手をつけてき

    • Op.51 最愛のそばに

      私は一体何のためにピアノをやってきたんだろう。 数ヶ月ぶりに、この問いの髄に強く頭を打ち付けてしまった。 新年本番初め。風邪が治らない上に耳も聴こえない、鼻も垂れてくる、どこか熱っぽくて悪寒がする。こんな最悪のコンディション、なんで今日なの。 本番十数分前から頭が痛くて、ピアノ椅子を調節してる時も意識がいつもより少し遠くて、3回も直してしまった。 今日くらいの緊張はいつもどおり。なんだけど、思うように呼吸ができない。したいときに吸えない。タイミングが合わない。加えて、胃

      • Op.49 2018年12月中旬

        Dienstag-Donnerstag, Dezember 11-20 11日(火): 学校を休んだ。俗に言うサボり。「練習したい」って理由で休んだ日は、面白いくらい練習が捗らない。こういう自然の摂理みたいなこと、あるよね。なんて笑ってる場合ではないんだが。 12日(水): 朝7:30から合わせ。冬の5時起きはつらい。私だって家が近いわけじゃないのに、って毎度思ってしまう。疲れちゃうだけだから考えたくはないけど、愚痴として心が吐いてしまうよね。 これまででいちばん密度があ

        • Op.48 2018年12月初旬

          Samstag-Montag, Dezember 1-10 これといった理由はないが、振り返ったことを文字に起こすまでの余裕がなかった。理由がないから原因も突き止められないけど、たぶん、何か自分の中で一度封をしたんだと思う。そんな2018年12月。 なーんにも書かずにすっ飛ばすのはあまりに寂しいから、ちょこちょこ書いちゃおうかな。 1日(土): 約1か月ぶりに千葉県に降り立った。船橋のデパートの入り口に誰でも弾いていいカラフルなピアノがあったけど、ちっちゃい頃からああいう

        Op.52 鉄の鎧にも穴は空く

          Op.47 各停気分

          Freitag, November 30 7:30から合わせ、10:00に終えて帰りの電車に乗る。 毎日寝不足が日常の私も、1時間半睡眠はさすがに辛かった。 ねえ、なんでこんなに混んでるの? みんな何しに行くの? 仕事?学校?友達と会うの?彼氏とデート? あと数か月で社会に放り出されるのに、なーんにも分からないんだな。なんて、ちっちゃくショックを受けた。赤の他人のことなんて分かるわけないけど、それに反して分かって当然だと感じることはたくさんあって。 むずかしいなあ、い

          Op.47 各停気分

          Op.46 どっちつかずはNGです

          Donnerstag, November 29 意識高い風だけど蓋開けたら全然できてないし、出来が悪いことを自覚してるのかも分からない人。 そんな人にそこはかとなく「知ったかぶらなくていいし、ただ本気を出していないだけなら絞り出し切るくらいやってほしい」と伝える方法が思いつかなくて、ただただいらいらしてしまう。 やってもできないのか、やってないだけなのか。それすら分からないからどうしようもない。 私はお人好しなのだろうか。これまで何度も見て見ぬ振りしてきたのが悪いんだろ

          Op.46 どっちつかずはNGです

          Op.45 永遠の終着点

          Mittwoch, November 28 あと5週間分の授業期間を過ごしたら、もう私は“授業”というものを受けることがないみたいだ。 次あるとしたら、子供の授業参観日? 時間が出来てから、またどこかの大学に入り直す? そんな夢みたいな話を浮かべてはけらけら笑うこの時間が好きだ。 ちょっと前まで、“授業”に終わりが来るなんて考えもしなかったよ。 ああ、卒業したくないな。 #日記 #雑記 #エッセイ #備忘録 #回顧録 #大学生 #考え事

          Op.45 永遠の終着点

          Op.44 喜びを詰めて

          Dienstag, November 27 お土産に宮原眼科のクッキーと薬局で買ったフェイスパックを持って行った。 去年の夏、両親の誕生日祝いの黄色いブーケを守るようにして持って帰ったスクエア型のショッパーが、思いがけずもこの機に活躍した。 このショッパーの使命は私と同じなのかも、なんて。 #日記 #雑記 #エッセイ #備忘録 #回顧録 #大学生 #考え事

          Op.44 喜びを詰めて

          Op.43 名残じゃ嫌だ

          Montag, November 26 就活の話を聞いて、自分をその主人公に置き換えて想像し、感じたことを相談者の性格と照らし合わせながらアドバイスをする。 少しでも気が楽になれば。 少しでも安定剤になれば。 自信を持てるようになれば。 そう思いながら努めるのは嫌いじゃないし好きなほう。だけど、ちょっと、疲れちゃった。 自分についての整理をしたい。もう既に輪郭のなくなった淡い記憶であっても、今ならまだ間に合う気がするから。 #日記 #雑記 #エッセイ #備忘録 #回

          Op.43 名残じゃ嫌だ

          Op.42 寝転び更ける暮れの朝

          Sonntag, November 25 二度寝三度寝、何回寝てもやる気は起きない。人のために自分を発揮することは天職かもしれない。でも、気が乗らない日だってもちろんあるの。私の場合、そんな日のほうが多い気がするけれど。 せっかく依頼して貰えても(何で私に?めんどくさいなあ)って思っちゃう瞬間がある。これって、贅沢かな。 ひとから必要とされることが当たり前にはなりたくない。 #日記 #雑記 #エッセイ #備忘録 #回顧録 #大学生 #考え事

          Op.42 寝転び更ける暮れの朝

          Op.41 頬の火照りはジョークのせいで

          Samstag, November 24 10:30から二台ピアノのレッスン。 先生の言葉に応えようと必死に汲み取って魔法のような体験を地道に積み重ね、だんだん理想形に近づいてゆく。 言葉ひとつで生徒の先入観や価値観を変え、気づきを与える職業なんだなあ。ただ弾けるだけじゃだめなんだなあ。 今日もたくさんの発見と収穫があった。いつもありがとうございます。 レッスンが終わりにお昼ごはんを食べようと目当ての店に向かっていたら着信があった。友達の前で電話をする、しかも恋人と。この

          Op.41 頬の火照りはジョークのせいで

          Op.40 滲ませるしかなくて

          Freitag, November 23 今日が祝日でよかった。いつもみたいに7:30からの練習室争奪戦に5時起きで挑むモチベーションはなかった。 早起きな日に「寝坊した」って言われると普段よりカチンと来てしまうのは私だけなのか。何度か重なると「ごめん」って言われても、全然沁みない。(絶対思ってないだろ)って自分で自分を余計にいらいらさせる。 大抵こういう時の私は、「ごめん」に対する返しを一切しない。たまにそれに乗っかって別のいらいら案件をそこはかとなく醸し、「あれどうな

          Op.40 滲ませるしかなくて

          Op.39 3日のブランク

          Donnerstag, November 22 これほどスリリングなレッスンは未だかつてあっただろうか。 結局家に着いたのは日付が今日に変わってから。3時前に寝て、8時に起きた。今日のレッスンは先生宅だったから、いつもよりちょっとだけ時間が要る。12時が来るのが恐かった。 これまで一日でもピアノに触れないとひやひやと罪悪感に苛まれていたが、就活を経た今、その基準がかなり低くなっている。でも、丸3日ピアノのことを放っておいたのは人生で初めてだな。これから先そんなことばっか

          Op.39 3日のブランク

          Op.38 フルスピードで考え、マイペースに走る

          Mittwoch, November 21 最終日はホテルの近場をぷらぷらしてお土産を買い込むに尽きた。朝起きたら、浮腫み切った脚に昨日の晩酌のせいとも言えそうな虫刺され跡が二箇所あった。強そうな蚊にやられたもんだ。台湾に来てまでムヒを買うなんてね。 初日にバスガイドさんが教えてくれた、台湾一美味しいらしい50嵐のタピオカを頬張った。美味しかったけど例の如く安くて量が多かった。甘さとかカスタムできるのはありがたい。 行く前はあれだけ面倒くさいとか行ってる場合じゃないのに

          Op.38 フルスピードで考え、マイペースに走る

          Op.37 水面の反映に寄せて

          Dienstag, November 20 台湾二日目は、高鐵に乗って台北から台中に向かった。 日本人だから漢字からちょっとは推測できるだろうと油断していた。予測のつかない発音と、どれも同じに見えてくる現象。そこそこ迷ったけど、自分たちで何とか到着できた喜びは大きかった。 宮原眼科でおいしーいチョコレートアイスとチーズケーキを頬張って半袖が心地よい気候を楽しんだ。ちっともカタコトじゃない、完璧な日本語のメニューがある上に店員さんも流暢に笑顔で対応してくれた。あれこそがプロ

          Op.37 水面の反映に寄せて

          Op.36 急募、和食の落ち着き

          Montag, November 19 午前2時半に就寝。 始発に乗りたいから4時に起きて、最寄りまでめちゃくちゃ走って何とか間に合った。 けど、また乗り換えダッシュで汗だらだら。 台湾は夏、日本は冬目前。だからブラウスの上にニットを被ったのに。 暑いよ!日本でもこんなに慌てふためいて重いキャリーケースと共に自分の足をこれでもかと前に運び続けたら、ニットなんて要らないよ! 空港に着いてすぐにチェックイン。 すぐさまニットを脱ぐ。 この開放感、久々。 飛行機に乗ってから(

          Op.36 急募、和食の落ち着き