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頭と心は別物

先日のキャリアカウンセリングの一幕。

どうも会社の方針に納得がいかない模様。
よくよく聞いてみると、方針自体は正論で異論はない。
ただハードルの高い理想で現状に見合っていないと感じている。

「分かるんですよ、そりゃ。やらないといけないのも分かってますよ。
だからやりますよ。でもさぁ、、、無理なんですよ。そこまで出来ないです」

こんな発言を何度も繰り返す感じ。

さらに深掘ると、それを上手く上司と話し合えず分かり合いたいけど、苦しんでいるということでした。
方針を戻してほしいわけじゃない。これは、冒頭で言っていること(方針に納得いかない)とは違うんですよね。

頭は、「やるべき」か「正しいか否か」の論理で理性で考えるところ。
心は、「やりたい」「楽しい」など感情で、考えるところ。

仕事の多くは頭で考えるばかりで、心に蓋をする人が多いです。
しんどいけど、やるべきだから頑張るしかない、など自分に言い聞かせる感じ。
行き過ぎると、メンタル不全を起こし体に反応が出てきます。
評価を得るためと言えど、頭の考えと心の考えの、上手いバランスが取れると良いと思います。

気持ちに寄り添い、意思までを受容
「分かるけど、やらないといけない、無理、出来ない」にどういう感情・意思が込められているのか、寄り添いながら言葉にしてもらって確認します。

・一方的でずるい
・こっちにも事情があることを、分かってほしい
・話し合う機会を作ってほしい
・我慢して頑張っている私のことを、日頃から尊重してもらいたい

出来事を整理
何があったのか、「事実」を正しく捉え直してもらいます。
目の前の興奮した感情で、事実がグチャグチャに歪んでいることがあるので、丁寧に確認していくと「確かに、そこまで確認していない。勘違いかもしれない」ということも、まぁあります。

今回は、大枠の方針に問題はない。MTG終わりの5分の立ち話で、唐突の一方的な依頼に不満が募った。
「こちらの事情も聞いてほしい」と言わずに「分かりました、やります」と話し合わずして終わらせたのが問題だったとのこと。

背景/意図/目的・相手の事情も考える
興奮しているとなかなか整理できないので、まずはご自身の思いの丈を語ってもらいます。その後にテーマを変えて「なんでそんなことになったんですかね?」と背景から相手の目的を考えてみると、気付きが生まれることがあります。
「それをやらないと、別のリスクがあるんですかね?」「急がないといけない特別な事情があったんですかね」「その想いを、上司も理解した上でそんなこと言うんですかね?」など、ご本人が考えもしなかった視点で問いを立てると、ハッとしたり、逆の立場に立つことで見えなかった事実が浮き彫りになったりします。

いじわるで言っているわけじゃないと思うし、依頼した側もハードな要求をしている認識があれば、お互い要件だけで済ませることは危険ですよね。

「上司の事情?そんなこと知りませんよ。抱えている事情があるなら、先に分かるように伝えるべきでしょ」とおっしゃる場合は、
「事情があるなら先に言えば良いって、同じことを相手も思ってるかもしれませんよ。(分かりました、と言われたら、心から賛同してもらった、同じ考えで良かった、と思っちゃったんじゃない?)

「これを簡単な依頼だと思ってるなら、そもそも常識がズレている」とおっしゃる場合は、「相手からしたら、これが簡単じゃないって思うなら、常識がズレているって思うかも。簡単な依頼に話し合いは不要だって思うところはお互い同じだったんじゃないですかね。」

お互いの見えている世界も常識も違う。
言語としてやるべきタスクが何かは「分かる」けど、その意図・気持ちまでは「分からない」。
頭と心は別モノ
と捉えて、そこをちゃんと話さないと分からないですよね」と考えてもらいます。

I’mOK!,You’reOK!
YesAnd , How about you?
Weメッセージで「一緒に頑張ろう!」

相手の意向を汲んであげよう(You'reOK)とする心はとても大事なことですが、自分だけがいつも損(I'm Not OK)をしているのは、健全に良いパフォーマンスは出ないので、それは結果的に相手も望んでいないと思います。

・相手の意見や依頼にまずは否定せずに、「良いですね」とYesを返す。
・その上で目的や理想のゴールを確認する。「それは何のためでしょう?最終的にどういう状態にしたいですか?」
・その目的に同意できれば、Andで「だとしたら、こういう考えもあります」「こういうのも良くないですか?」と提案
「どう思います?」How about you?と最後は必ず相手の意見も確認する
・そこで自分にとっての不都合な局面が見えたら、向こうには見えていないかもしれない「こちらの事情も説明して」I'mOKの状態を伝える「ちょうど●●の案件も抱えていて、こっちも疎かにできないので、どうしたら良いですかね」
Weメッセージ「じゃぁ代わりにこちらをやるから、それをやってくれる?」など今回の案件は、共通のゴールに対して、2人の問題であることを握り合う。
→Youメッセージ:あなたにやってほしい
 Iメッセージ:私はできない
 だけでは合意に至りにくいです。
→NoBut:まずNoと否定から入るのは避けた方が良い。
 「でも、●●なら良いと思います」と提案するならば、Butを使わない方が良い。YesAndです!

これらは「アサーティブコミュニケーション」の技術です。
プライベートでも使えるコミュニケーションですので、心に蓋をして損ばかりしていると思っている方は、是非参考にしていただき、少しでも楽に円滑に人間関係を構築していただければと願います!

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