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つぶやき採集 ーーTwitterと収集と記録に関する雑記③

もうずっと、Twitterでブックマークした言葉やその先の情報(記事など)を、時間を見つけては書き写すという行為にとり憑かれています。一冊目のノートの一番最初が2017年の若松英輔さんのツイートで始まっているので、およそ3年くらいそうやって書き写し続けているようです。

たまに呟きから脱線して、なぜか「サンゴ」についてウィキペディアで調べた内容だったり、好きな俳優さんが出演している映画作品の列挙だったり、その年のイグノーベル賞の各部門で受賞をされたテーマだったり……どこかの誰かの映画の感想、生活の中の誰かの言葉、ニュースの見出し、有名な詩の一節、(多分その時に心に響いたのであろう)名言やキャッチコピーから、なんでこれを書き写したのかよくわからない何気ない呟き、おいしそうな料理の名前やレシピまで、本当に何の纏まりもなく続いています。

このnote記事は、そうやってツイッターの言葉をメモしておくと思考がまとまります、とか、仕事にきっと役立ちます、とかそういう何かそれに意味やメリットがあるという内容のものではなくて、ただただそういう行為が楽しいね、というだけの内容です……。スクラップやペン字、書道、記録をとることが好きな人、文具が好きな人、とにかく何か手を動かして書きたい人……とか、そういう人には、もしかしたら共感してもらえるのかもしれません。
使い方によっては、日々、激流といえる量と勢いで情報が流れ混んでくるTwitter。その急流の真ん中で両足を踏ん張り、お気に入りのツイートを逃すまいとタモを振りまくっている気分ですが、そうやって得た宝物――自分の心が美しいと感じたもの、自分の心が揺さぶられたものを厳選したブックマークを、じっくりと味わい、愛でて、刻み込む。そのための行為として、書いて、モノとして残す。そこまでしてやっと満足感が得られ、納得がいく。

きっとどこかで、原始時代の生活に合わせてデザインされた私たち人間の能力では到底処理しきれない情報量に日々身を晒している感覚・好きなものを、その量が多いが故にこころやあたまの奥にまで感じられずに上滑りしていく感覚に一種の危機感というか、問題意識を感じていたのだろう、そういうことなのだろうなと、わけもわからず気がついたら始めていた行為を今は自分で解釈しています。


この一連の記事を「つぶやき採集」と題しましたが、この言葉は私が勝手に作りました。
辞書を編纂するという仕事のなかに「用例採集」というものがあります。辞書の仕事に携わったことのない方でも、小説や漫画、映画作品などで『舟を編む』という作品をご存知の方はなんとなく想像がつくかと思います。かく言う私も全然その業界の人間でも専門家でもないので実際にやったことがあるわけではないのですが、新しい辞書を作ろうとなって、そこに新しく今の言葉などを載せようとなった時に、実際に今、どういったふうにその言葉が使われているかを調査して、データを集めるという作業をさす言葉のようです。
言葉は生き物、なんて言ったりしますが、こういった仕事を「採集」と表現するあたりも、本当にそうだよなと思います。
私自身は別に、Twitterで辞書を作ろうとしているわけではないですが、世界中の「今」生きている人の言葉――公に向けた言葉も、匿名だからこそのプライベートでなまなましい言葉も、求めればいくらでも得られる。その、言葉という「記号」ではなく「生き物」を求めてうろつくさまには「採集」という言葉がマッチしているかなと思い、この言葉をあてました。
辞書編纂のように、本当は、このもう一段階先である分類をしていつでも情報が引けるように整理するところまでいけたら理想的なのですが(それを実現したくて妄想した①の記事だったのですが)、そのためには長い長い有給と書いても書いても疲れない腕を手に入れるか、やはり①の記事のようなTwitter専用ミニプリンタを開発するかなんかしなければ実現できそうにありません。

実現できた暁には、ただざっくばらんに書き記すだけでなく、こういった分類をしてノートを作成したら(私が)楽しいだろうなあという一例を、備忘録的に記しておきます。



①アカウント名鑑
ツイートではなく、アカウントだけを纏めた一冊。
どんな人でどんなツイートが多くどんな雰囲気か、どこが好きかなど。

②レシピメモ
あとでやってみるもよし、やらなくてもよし。

③たべものメモ
レシピが無くても、料理名が連なっているだけでも幸せになれるツイートが沢山ある。献立の参考にも。その年その季節に盛り上がる食材だったり料理名の流れがあるので、多分長く記しているとそういう流れを感じられたり懐かしく感じるようになると思う。

④ニュースメモ
見出しと日にちだけでも十分。新聞のスクラップのような感覚。何年の何日に現実でこんなことがあったということだけできっとすごい記録になるだろうし、沢山あるニュースのなかから自分がどういうことを選んで記したかで見えてくることもあるかもしれない。

⑤推しメモ
アニメ、ゲーム、映画、ドラマ、アイドル、芸人さん、鉄道、建築……
あらゆるジャンルにオタクと呼ばれる人々が存在します。
推しの活動記録やニュース、作品での活躍ぶり、台詞などを記すとともに、オタクのみなさんのツイートのなかでも感動的なまでに豊富な語彙力で推しへの愛を表現している名言を書き記した一冊。
かく言う私もあらゆるジャンルで沼に沈んできましたが(あらゆるジャンルに浮気している時点でオタクといえるかは怪しいですが……)どこのジャンルに行っても自分のなかで100倍くらいにあたためた「好き」を表現しようとする人・言語化がめちゃくちゃに上手い人が存在していて、そういった人たちのポジティブな方向に爆発したエネルギーを浴びるのは最高に気持ちいいものです。

⑥特定の問題やものごとに特化したメモ
例えば今問題となっている人種や性別に関すること、政治のこと、労働に関すること、特定の事件など……ニュースメモと少し被りますが、ニュースや事実でも、毎日の情報量が多いために今はすぐに流れていってしまうので、いつ誰がどういう発言をしたかとか、どういう意見があったかなどを証拠として書き記しておくことで、何かひとつについて追及したり長期にわたってゆっくりと思考を深める手助けになるかもしれないと思う時があります。

⑦動画視聴記録
これはTwitterではなく、YouTubeから纏めたい一冊です。
視聴動画を纏めておくなら、直接そこから動画に飛べるのでYouTube内にフォルダを作って纏めておくのが便利ではあるのですが、感想や内容のまとめとともに書き記しておきたい気持ちもあります。
特に私は、本要約や教育系の動画をよく見るので、一冊の本でこのユーチューバーさんはこう言っていた、このユーチューバーさんはここに注目している、実際読んでみたら自分はここが響いた、というのを本の内容とともに纏め直したりするのもありかなと思ったりします。


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