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家族旅行の悲しみ

家族旅行と言えば、楽しいイメージなのだが、
言うまでもなく、私は悲しいイメージしかできなかった。

小学生になり、夏休みの日記に「家族旅行に行った」という内容がないと、私が学校で寂しい思いをするのではないかと考えた母は、
小学1年生と2年生の夏に、それぞれ家族旅行を提案した。

私は、とにかく行きたくなかった。
行き先が嫌だとか、そういうことではない。

この憎しみが溢れた家の人たちと「家族旅行」という名目の旅行をすることが、理解できなかった。

祖母が母をいじめている、
父は見て見ぬふりをしている、
母が父に助けを求めても何も解決しない、
経済的に苦しいのに父は転職をしてくれない、
その苦労は母に溜まっていき常に離婚すると言っている、
私はいつまでこの家にいるのだろうか、、、

そんな家族が、楽しい家族旅行なんて、ちゃんちゃら可笑しい話だった。

旅行の計画段階から、私は行かないと言っていた。
小学校低学年ではあったが、こんな環境だったので、
ご飯など生活に必要な最低限は自分でできるようになっていたので、一人で留守番すると言い張った。

旅行に行く日の朝も同様に、
「私は留守番しているからみんなで行けばいい」と言った。
でも、母も父も「なんで?!」と、私を無理矢理、車に押し込んだ。

私は車での中でずっと泣いていた。

こんな形だけの家族旅行なんて楽しくなかった。

行くところどころで、記念写真を撮ったが、
笑ってないどころか、映ろうともしていなかった。
だから、無理矢理、前に押し出され、笑えと言われた。

そんな旅行のどこが楽しいのだろうか、、、
とにかく辛い1泊2日だった。

家族旅行を否定するつもりはないのだが、
実態と理想があまりにもかけ離れていることが、苦しかった。

そんなワケで、家族旅行とか、父の日、母の日、誕生日など、家族でお祝いするようなイベントは、とにかく嫌いである。
お正月もクリスマスも成人式も、カレンダーにあるイベントはどれも嫌い。
自分が祝われるのも苦手だ。

両親が私の誕生日を祝ってくれる気持ちは間違いないと思っているが、
学校や会社などでよくある、形だけでもお祝いを〜なんてヤツは、笑えてくる。

そんなのに時間を使うくらいなら、他のことをした方がいい。
自分の時間を大事にした方がいい。
マジ、形だけだな。笑

いつか、こんな気持ちがなくなり、
純粋に嬉しいと思えるようになったらいいな、と思ったりもするけれど、
その時は、相当な辛い思いをして、人のありがたみを感じた時だろうと予想している。

ちなみに、私が2年連続で家族旅行を嫌がったためか、
単純にお金がなかったためか、
その後、家族旅行はなくなった。
(良かった)

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