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数学に超疎いグラフィックデザイナーがG検定を受験した理由④[受験当日と合格発表まで篇]

前回書ききれませんでした、勉強方法の失敗と2度の絶望(大袈裟)を乗り越え試験当日までに足掻いた勉強方法(というかもはや手段)の続きから合格発表までのことを書き記したいと思います。

Contents
・[受験動機篇]…自己紹介的な受験動機談です。
・[受験準備篇]…受験にあたり、用意した本・ものの話
・[受験勉強篇]…私の勉強法(試行錯誤あり)と失敗談
          →追加して学んだ内容について
[受験当日と合格発表まで篇]…120分の試験・環境について
                  受験準備の資料制作など
    〈↑今回の記事です〉
・[G検定の総括篇]…雑記・後記的なものです

学びなおしの必要アリの現実を乗り越えたあと

上記の記事のつづきです。

この数ヶ月緩やかではありましたが真面目に勉強していたつもりのものが浅かったと分かった時のショックはそれなりに重いものでしたが、せっかくここまで関わってきたものを諦めるのも悔しいものです。(やるからには合格としか考えてませんでした。ただの意地です)

そこで考えた方法が、

追い詰められたら得意分野で解決手段を探る

でした。
のこり3週間で、またも勉強方法が甘かったことを気付かされた私ですが、試験直前では無かったことは救いでした。
なぜG検定受験者の先輩方が

・難易度は高い
・甘く考えると落ちる
・合格率はやたら高い
・6割解ければ合格できる
・余裕だった

等の感想をお持ちになったかの経緯(とくに上の2項目の理由)に気づけたおかげで、やむなく作戦変更を余儀なくされた私は、

・とにかく、模試の内容を復習し正答率を上げる。
・試験対策に完全に切り替える
・頼れるものには頼る(優秀なソフトを活用する)

という方針に切り替えました。

とにかく、模試の内容を復習し理解度を深める。

これは、正当に勉強された方には恐縮な話なのですが、私の理解能力では公式テキストや問題集では読み取れていなかった(理解できていなかった)箇所を、模試の内容からテキストに戻る様な流れで復習をはじめました。2百数十問ある模試の試験を2週間くらいで網羅し、8割強の正答率まであげるのが目標です。
ですが、書いても覚えられない、という実績がある私にはテキストを読み返したところで記憶できるハズもありません。

そこで、「試験対策に完全に切り替える」も同時にこなせるある手段に出ることを決めました。

私の得意なAI(Illustratorの方)で、
ノートを新規で作り直した。

今更Deep Learningとはなんぞやと、悠長に勉強していては試験に落ちてしまうと分かったので、この時点から試験対策に完全に切り替えさせていただきました。
まず、試験当日は検索しながら(もしくは本など資料を見ながら)の解答が可能なことは理解していましたので、本番を想定して、模擬試験の問題から仮で検索をかけてみて1問にどれくらい時間がかかるものなのか検証してみました。

すると、当然ながらWEB上にあるのは本物のエンジニアさんの解説や数学を解説するためのサイトがほとんどなので、「探していた答えはこれ!」というものにたどり着くにはまあまあの時間がかかることが想定されました。運が悪ければ3つも4つもサイトを覗いてみるはめになります。
試験当日、何らかの理由でWifiに負荷がかかっていたら、検索そのものに時間がとられてしまう可能性もありました。

そこで、基本的なものから全てを網羅するノートをPDFで作ることにしました。
PDFならば、ローカルな環境で文字を検索して調べることができます。
そして、そのPDFを自由自在にレイアウト可能なIllustratorで制作することにしました。私はMAC環境でしたので、office系のソフトは動作が遅い上に自由が効かないイメージがあります。でもIllustratorでしたら、マインドマップ型にしようが、年表型にしようが自由に直感的に作れますし、何より毎日触っているソフトですから作業も早い。結果、これが大成功でした。

ノートの製作中でもPDFで書き出しクラウド保存をすることで出歩いていてふと思い立っったときにiPhoneで開いて確認することもできますし、一応出力して紙としても見直しができるよう、A3サイズにできるだけ文字を詰め込む方式でノートを作っていきました。

連想しやすく検索しやすいノートの作り方

AI(人工知能の方)手法の発展に関しては時系列でまとめても、関数の種類に関しては別でまとめた方がわかりやすいとか、検証方法は別でまとめてさらに別の関連項目とリンクしやすくしたいとか、APIに関しては一気にとりまとめてあとでジャンル分けしよう、とか。をひたすらイラレ(Illustrator)に書き込んではざっくり配置していきました。
この方法を始めた途端、集中力に変化が…
『情報をわかりやすく再構築するand伝える』のはグラフィックデザイナーのお仕事の本質なわけなので、作業がすすむすすむ…こんなことで遅々として進まなかった勉強が立体的にかつ高速に理解できる様になっていきました。

イラストレーターなどを使用してノートを作るポイントを書いておきます。
きっとエクセルやワード、パワポが使い慣れている人なら同じ様に応用できると思うからです。

レイアウトの入れ替え、修正、追加が容易な編集ソフトを使用する
まずおおまかにジャンルを分けてノートを作り、後から関連する項目を書き込んでいく方法です。まず大きな箱を作って、その中に小さな箱や中くらいの箱、今は分類できないものなどを無造作に放り込み、あとから整理していく方法。
例えば、私は第1次AIブームから3次までの箱をつくり、可能な限り時系列で関連ワードと説明をその箱に放り込んでいきました。結果当然ですが第3次の項目が膨大になりました笑

PDF保存できるものを使用する(焦ってうっかり変更しないためにも)
ノートを作っていると、例えば関数名などはいろんな項目にわたって登場しますし、関連する手法にも紐づけたい、ということが増えてきます。その時、PDFで検索をかければものの数秒で何個関連項目があるのか表記され、すぐそのページに飛ぶことも可能です。(オフラインでマインドマップ的にWEBページを作ってしまうのが一番便利かもですが、私はコードをもう何年も書いていないので、AI(Illustrator)で作ってPDFで検索をかけることにしました) 
ワードやエクセル内でも検索はかけられますが、試験中など緊張状態でうっかり元データを消してしまったりしない様、PDF化(もしくはそれに準ずる安易に変更できない保存形式)しておくのが良いと思います。

試行錯誤が生まれる過程でどこに何が書かれているか把握できる
自分で体系づけながら書き込んでいく過程で、立体的にどこに何が書かれているか脳に自動的に記憶されていきました。結果視認での検索も早くなりました。
箱の中が整理されていくと同時に理解度も上がります。その過程が可視化されるのでモチベーションもどんどん上がります。
ただ単に私は形で覚えるタイプだった、ということなのでしょうが、文字より形の方が一般的にも覚えやすいだろうと思いますので文章だけでは頭に入らなかった方には勉強法としておすすめです。

この方法を用い、いろいろ一緒くたにして学んでいたものを体系づけ分類できたことで、もやもやしながら学んでいたあれこれが一気にクリアになりました。

また、ノートをまとめたことで新たな疑問も湧き出し(勘違いして理解していたことにも気付く様に)、WEBで検索してさらに解説を書き込むという余裕もでてきたことで、自然に理解が深まり出しました。
 当日どんな問題が来てもなるべくGoogle先生のお世話にならず、ローカル検索だけでできるだけ済ませたいので、2019年のAIに纏わる法改正やAI開発の時事ニュースもノート制作と同時進行で調べ、時間の許す限りノートに書き加えていきました。これがAI白書のかわりになったわけです。

note_imageのコピー


▲実際に私が製作したノートの一例です
水色の部分は数式。黄色の部分は関数について。だったかな??
赤字は確か重要なワードでは無くても自分の理解がまだ浅いと思った箇所だったと思います。自分だけがわかるルールで作っています。

ノート自体は最終的ににA3用紙で12ページくらいの分量になりました。(出力して読んでも視認できるくらいの文字サイズで制作)最初は比較的キレイだったのにだんだん隙間がなくなってきた…笑

今回の検定を合格するのに重要なことはは、ワードの暗記よりも問われている解答にたどり着ける能力(速さ)かと思いましたが、G検定の優秀さは、ある程度きちんと理解していないと正解にたどり着けない問いを作っているところだなぁと思います。いわゆる「コレといえばコレ」的なカンニングシートをつくっても単純には合格できない気がしました。

さて、ここでやっとメンタルにも時間にも余裕ができた私は最後の1週間で以下の2冊も読むことができました。

こちらは、私はAudible版で購入しました。松尾 豊先生の著作です。
内容は、ほぼ公式テキストそのものに松尾先生の体験談が加わったものです。
ですが、耳で聞くことでより理解が深まった実感がありましたし、
いくつか、テキストをざっと読んでしまって勘違いして把握していた箇所もこの本で発見し、ノートを修正するということもありました。
歩いているときに耳から復習できる利点もあり、試験当日までに2回は繰り返し聞いたと思います。

もう一冊はこれです。
ニューラルネットワークの実装をわかりやすく説明してくれている本です。
この時点でまだ私はPythonを触ったことがありませんでしたし、仮想としてではありますが、Deep Learningを実装するイメージがやっと掴めました。
確率的勾配降下法とか概念でなく実装のイメージが理解できたのは、この本のおかげです。読んで良かったし、G検定後もきっと役立つ1冊です。

余談になりますが、私は追加で以下の本も最近購入しました。


最後に、やらかしていた勘違い。


模擬試験に打ちのめされたあと(前回の記事より)、試験合格用の勉強をせねば時間的にもうだめだこりゃと気づいたときにシラバスの見直しを行ったのですが、その時何を勘違いしていたのかE資格の方のシラバスを見てしまったのです。前に確認した時より項目が異常に多いのに焦った私は、シラバス違いとは気づかず、自分が見た過去のシラバスが間違っていたのだと勝手に勘違いいたしました。
…しばらく(数日)して気付くのですが、それまでE資格用のシラバスから未勉強だった項目をノートに書き足していたので、、、結果オーライでしたがAPIやライブラリに対して今身近に感じているのはこのおかげかもしれません。

試験当日の感想

試験当日は久しぶりの受験に初めてのオンライン試験ということで、緊張はありましたがなんとかなるだろうな位の余裕はすでにありました。(たくさんの失敗の上に…笑)
実際は、やはりGoogle先生のお世話になりながらの試験ではありました。
ですが、全くの予想外という項目はほぼ無く、ノートには軽くしか記載していなかった箇所をWEBで調べ直す、という作業で済みました。
とはいえ、法律と実装事例や倫理関連についてはやはり少々の焦燥感と鬱屈感を抱えながら、時計と睨めっこしながらの試験となりました。
後半、AI知識確認の問題に移行した時の爽快感ったら…!!笑

人によっては、先に得意な後半の問題を効率よく解いてから前に戻る…という解き方の方も多かった様ですね。私は性格的に嫌なものから片付けたい(不安を残しながら今のことに集中できない)タイプだったのでこの方法で良かったかなと思います。

2時間後私は30秒のこしくらいのギッリッギリで全問回答までたどり着きました。
数秒考えて解けないor時間がかかりそうと思った問題はチェックを入れて飛ばし、残った時間で無回答部分に取り掛かるという方法で時間いっぱい。見直す余裕はありませんでした。(そもそも問題を読んで理解するのに時間がかかるのです涙)

あとでTwitterを見にいくと時間が余ったという方も結構いらっしゃり、すごいなぁと感嘆しつつ、一方で、ぜったい間違っているandケアレスミスを多く見積もっても、合格ラインには届いているだろうという手応えは感じていました。

2019年11月8日試験の結果は、いつまでの間に結果をメールで送付します。という方式でした。なので、日程が近づくとあちこちで結果はまだかというツイートが散見されましたが、2020年の試験からは明確に合格日が指定された様ですね。今日かな?今日こそかな?と待たずに済む様になって良かったなと思います。

無事、合格できていたときは
予想はしていたとはいえ心底ホッといたしました^^

以上が私のG検定の体験談です。
次回はその後のことや書き漏れがあったことなどを書き残しておこうと思います。G検定のビフォーアフター的な雑記になると思います。

ここまで読んでいたいた方へ
お付き合いいただきありがとうございましたm(_ _)m

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