見出し画像

“落ち着いてから挑戦する”のは絶対にやめてください

これはわたしのしくじり話でもある。

「ぜんぶ片付いてからやろ〜」という先延ばし癖あるいはちょっと完璧主義の気がある人に向けて言いたい。

絶対早いうちがいい。

部屋をまとめて片付けるために週末を待つ必要もないし、自分の自由のためにまず、経済的自由を手に入れようなんて考えは捨ててほしい。

やりたいことがあったら、「言い訳」になる要素を無理やりでもいいから取り除いて、今すぐでもはじめるほうが、幸せだと思うのである。

最適解は、「問題を片付けながら始めろ」だ。

若いとき、わたしたちをギチギチに縛ってくるのはなんだろう。

「お金」と「親の理想」だ。

「お金」は自由を手に入れる切符みたいなものである。それこそ親元にいる大半の理由は「お金」だ。お金がないと寝る場所も確保できないし、お金がないとやりたいことへの投資もできない。

…と思い込んでしまう。今思えばそんなこと、全然ないのに。

身ひとつで上京してきて仕事を見つけて夢を追いかけている人も、親に頼んでお金を工面してもらう人もいる。

正しくは、「お金がない」というより、「お金を稼ごうという意思が弱い」のかもしれない。「こんなバイト代で生きていけるわけないじゃん」という思い込み。実際にはバイトで生きている人もたくさんいるはずなのに、自分の頭で考えて「無理かも」と尻込みしてしまう。

「親の理想」もそうで、「こうなってほしい」を裏切るのが怖くて期待通りに振る舞いたくなるけれど、「こうなってほしい」を裏切ったところで、結局親は先にいなくなってしまう。

むしろ結果さえ出して、あとから説得すれば「あなたの好きにしなさい」となるのがお決まりの筋書きとはずなのに、やっぱり若いうちはそんなことにもちっとも気付かない。

ただただ、浅はかなのである。

親もお金も失うことが怖くて、足元をガチガチに固めないと最初の一歩も踏み出せない。就職したら、一人暮らしができたら、貯金ができたら。

「職と暮らしの基盤を築いてからやりたいことやったほうが精神的にラクじゃね」と思ったのだ。

そうやって延ばし延ばしにした結果、残ったのは「情けない」という感情である。

社会人4年目、役者の門を叩いた。そこに待っていたのは、たくさんの「情けない」だった。

自分よりずっと年下の子がべらぼうにうまかったり、やりたいと思っていることが全然表現できなかったり、初歩的なミスを連発したり。

ズブの素人よりはちょっと知識はあるのかもしれないけど、なんだか全然上達しない。

この歳になって、ゼロから何かを始めるというのは「できない!!」の連続で、そんなのは社会人ではまだありえるかもしれないけど、若手がひしめくこの業界じゃありえない。

もう、どう転んでもヘタで、緊張がMAXのなかやらかして、頭を下げて、もう本当に本当に情けない。

「若手は迷惑をかけまくれ!」なんていうけど、社会人として経験を積んでしまった今、全然迷惑をかけていいなんて思えなくて、それでも結局迷惑をかけるのでめちゃめちゃな感情になる。

たとえるなら、演技達者な子役に混じって足を引っ張っているような感覚。めちゃめちゃだわ。

まあもちろん若くから始めたことで大成するとは一概に言えないし、うまくできないのが年齢のせいってわけじゃないんだけど、この「情けない」って気持ちは少なくとも大人になってから身につけてしまった「荷物」に思えてならない。

それでも自分は、諦めずに続けてさえいれば何とかなるとは思っているけれど、後世に何か伝えられるとしたら、「さっさとやれ!」ってことだよなぁと思ったのでこんな恥ずかしい文章を書いている。

まだ20代のわたしですら思う。「たくさん失敗していいからやっちゃいなよ!!!」って。

「100万円あったら何がしたい?」というベタな質問があるけど、ぶっちゃけ100万円あっても買えるものってすごく限られている。

5,000兆円あっても巻き戻れない世界だから。

かつて「ぶりっこキャラ」で一世を風靡した”ももち”こと嗣永桃子ちゃんは、小学生のころからアイドルと学業を両立し、教育実習に行って教育免許を取り、芸能界を引退して幼児教育の道へ進んだ。

彼女によると、「保険をかけてるの?と言われたりしたけど、本当にアイドルも子どもも同じくらい大好きで、どっちも選べなくて両立してきた」とのことだった。

わたしもきっと、もう一度人生をやり直しても、ひとつだけは選べないような気がしている。来世もきっと文章を書いていると思う。

そうして遅い時期からの挑戦に悩みまくったけれど、レッスンを受けて、事務所にお世話になって、最近初めて収録の現場に呼んでもらえて、それはそれは恥ずかしい姿を晒してしまったけれど、ちょっとずつでも確実に進んでいきたいと思った。

やりたいことは早いうちに。できるのなら両手のどちらも離さずに。そして可能性があるうちは諦めない。

わたしもがんばる。

サポートは牛乳ぷりん貯金しましゅ