#6 さらば田中氏!
みなさんおはようございます。
今日は田中さんとのお別れのお話になります。
私が社会の厳しさを知る初めての出来事です。
田中さんは新潟から上京してきたかたで、私と同じ未経験者として入社しました。
自分にとっても同期的な感じで、がんばっていました。
とても腰が低く、やさしい方で一緒に働きやすかったのですが、ただ田中さんには遅刻ぐせがあったんですよ。
このお店は遅刻しても怒られることはありません。
私も1年に3回ぐらいしてたと思います。
ただ田中さんは多いと週に2回とかしてしまうんですよ。
朝の1時間の遅刻とか、かなり他のスタッフに迷惑かけますから。
どうも朝が弱いそうで。
ある日田中さんがオーナーと2人でお話してたんですが、ちょっと内容が聞こえてしまったんです。
「次遅刻したら、わかってるよな?」
「約束だからな」
まさか首になるのかな?
正直遅刻ぐらいでクビとかはないと思ってました。
私は学生の頃年間で50回ぐらい遅刻したけど退学にもならなかったし。
おどしてるだけだと思いました。
田中さんもすごい反省はしてるわけですし。
しかしその後10日もたたないうちに田中さんが朝来ないんです。
やばいですよね。
私も焦ります。せめてオーナーが来る前に来ればバレないからそれまでにはと。
しかしその日、田中さんが来たのはランチの10分位前でした。
ランチが終わった後呼び出されてました。
そしてオーナーが私のところに来て、
「田中は今日までになったから」
マジか・・・
あまりにも厳しいのではないのかと思いました。
田中さんが私のとこに来て、
「すいません、辞めることになりました。」
と言って私が貸していた本を返してくれたのを今でも良く覚えてます。
私は自分の考えがかなり甘かったと、舐めていたんだと痛感しました。
社会にでて働くということはこういうことなんだと、
今までは学生の感覚が抜けていなかったんだと。
これを気にだいぶ気持ちが変わりました。
遊びじゃないんだ、これが社会なんだと。
田中さんが身をもって教えてくれたんだと。
ありがとうそして、さようなら。
翌日から田中さんの仕事もやらなくてはいけなくなり、すこしむかついたのは許して下さい。
時間とお金は大切に。
ありがとうございました。
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