カルト映画を見てみよう‼︎ 『時計じかけのオレンジ』のキーワード《超暴力−ウルトラヴァイオレンス−》から感じるアレックスの世界
※こちらの記事は『時計じかけのオレンジ』の多少のネタバレを含みます。
“カルト映画”で検索をかけると 必ずと言っていいほど、どのサイトでも紹介されるこの映画。
もしあなたがこの記事を読んで
この映画が見てみたい‼︎と思ってくれたら
すごく嬉しい反面、見たいと思うように書いてしまってごめんなさいと思ってしまう。
何故なら 見る人をとても選ぶ映画 だから。
ちなみに、この映画は 私にとって人生を変えてくれた雷のような存在の映画だけれど、友人に勧めたところ「もう一生あんなのは見たくない」と言われました。
あなたがこれを読んだあとに取る行動はわからないけれど、私的には お近くのTSUTAYAに行ってもらうかアマゾンプライムを開いて欲しい。
現実じゃ味わえない 非日常がそこには待っています。
『時計じかけのオレンジ』 あらすじ
1971年 公開 『時計じかけのオレンジ』
監督:スタンリー・キューブリック
舞台は 近未来のロンドン。
街では数々の犯罪が横行しており秩序は乱れ、
治安状態は最悪。
そんなロンドンに住む 主人公の アレックスは
クラシック音楽、特にベートーヴェンを愛する15歳の少年。
アレックスは、街でも有名な不良グループのリーダーであり、毎晩 仲間達と集まっては ドラッグを摂取して、暴行・窃盗・強姦、《超暴力−ウルトラヴァイオレンス−》を執行するのだった。
しかし、とある事件が起こり アレックスは ついに逮捕されてしまう。
懲役14年と長い実刑を食らい、一刻も早く刑務所から出ようとしたアレックスは
“被験者になり実験が成功すれば すぐに刑務所から出られる”
と言われ「ルドヴィコ療法」という新しい心理療法の被験者に立候補したのだ。
過酷なルドヴィコ療法を 耐え抜いたアレックスは、以前のような非人道的な思想の持ち主ではなく、一切の暴力行為に生理的拒絶を覚える“真人間”に生まれ変わった。
“真人間”に生まれ変わり、晴れやかな人生を送るはずだったアレックスだったが、彼に待ち受ける結末は 想像を絶するものだった──。
ここが好きだよ‼︎ おすすめポイント①
「ナッドサット語」
この映画の好きなポイントは
語り尽くせないくらいあるんですけど
やっぱり 映画をもっと楽しむために
「ナッドサット語」に注目したいですね。
「ナッドサット語」はアレックスたちが独自に使っている若者言葉のことで、日本でいう「やばい」とか「それな」みたいな言葉が近いかもしれないです。
独自の言葉って、ドキドキ感があると思うんです。
合言葉とか、パスワードとか。
仲間意識を高めるためにも使われていたりしますよね。
目を瞑りたくなるような暴力やトリッキーなシーンが注目されがちな映画ですけど、
独特の世界観や人物たちの不気味さを出すのはこのナッドサット語だと思います。
ちょっと厨二病っぽいナッドサット語、
最高にクールでイカしているのでぜひ字幕にも注目してみてくださいね。
最後に映画の中でよく使われるナッドサット語を紹介します。
gloopy(グルーピー):バカ
millicent(ミリセント):警察官
moloko(モロコ):牛乳
droog(ドルーグ):仲間
下品な言葉が多めですが
ナッドサット語をまとめたサイトもあるので
気になった方は ぜひ調べてみて下さい。
ここが好きだよ‼︎ おすすめポイント②
「ルドヴィコ療法」
『時計じかけのオレンジ』の有名なシーンのひとつがこちらです。
このシーンだけ見ると、ちょっと笑っちゃいますよね。
目玉を強制的に開かされて、
悲鳴をあげているのがアレックスです。
ルドヴィコ療法とは、悪人を善人に改造することが目的の新しい心理療法です。
この時点で 不穏な空気がバンバン流れています…。
アレックスは、血管に注射を打たれ、拘束衣を着させられ、目を背けないように顔と瞼を固定され、ナチスの残酷な映像を無理やり見せられます。
これが、ルドヴィコ療法なんです。
ナチスの映像といっても、
アレックスが普段やっている悪行もナチスに張り合えるレベルなので、自分がいつも見ているような光景をずっと見ているはず。
なのに、アレックスは「先生‼︎ もうこんなことはやめて下さい‼︎」と泣き叫ぶんですよね。
詳しくは書きませんが、ここからのシーンの重要ポイントは「トラウマ」です。
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話が逸れますが、この映画には有名な二曲がよく登場します。
一曲目は、ジーン・ケリーの『singing in the rain』
有名なミュージカル映画のテーマですね。
日本だと『雨に唄えば』の名前で親しまれています。
すごくこの曲って耳に残りますよね〜、
気付いたら口ずさんでしまいます。
二曲目は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの『交響曲第九番』
これも有名なクラシックですね。
アレックスが一番好きな曲でもあります。
映画を観る際は、ぜひ劇中歌にも注目してみて下さいね。
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結局、《超暴力−ウルトラヴァイオレンス−》って何なの?
ここからは 完全に私なりの感想になります。
結局、《超暴力−ウルトラヴァイオレンス−》はその名の通り、とてつもない暴力のことで間違いないです。
ホームレスの老人をリンチしたり、強姦したり、金持ちの家を荒らしたり、人を殺したり、決してどんな人間だとしてもやっちゃいけないことです。
この映画はこんな非道なことをドラッグでハイになった15歳の少年たちがやっているわけですよ。
そりゃあ、頭のおかしな非道徳的な映画だと思われるのも納得です。
でも、どんな映画にも作り手の意図があります。
ただの暴力映画なんかじゃないんです。
初めてアレックスを見た時、すごく羨ましかったんですよね。
まるで世界は自分たちのものだと言わんばかりの暴れっぷりに 憧れのようなものを感じたんです。
決して、映画を見たから「人を殴りたくなった」とか「ドラッグを使ってみたい」なんてことを思ったわけじゃないですよ。
むしろ、アレックスたちがやっていることは嫌悪感を抱いていました。
けれど、何か自分の中でモヤモヤとしている名前のつけられない感情を思い切り爆発させたような、それをアレックスたちが自分の代わりにやってくれているような、不思議な感覚をプレゼントしてくれたんです。
ストレス発散にカラオケに行く人っていますよね。
感覚的にはあれに近い感じです。
「自分の潜在意識の中にひっそりと隠れる獣」が「暴力」で表現されいるのかなと私は思います。
人間には誰しも いつもは抑えている感情があるんだと思います。
それが爆発しないように 発散方法を探して普通に暮らしているんだと思います。
アレックスから見た世界は、
常に爆発状態だったんでしょうね。
結末は あえてここに書きませんが
アレックスはアレックスだし、私は私だし、あなたはあなたなんです。
上手く伝えることができないけど、この映画は私にとって大事な作品です。
表現方法は過激だけれど
《超暴力−ウルトラヴァイオレンス−》を通して、アレックスが見た世界を通して、あなたの中に響くものが見えてくると思います。
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映画界の鬼才、スタンブリー・キューブリックが生み出した最高の作品
『時計じかけのオレンジ』
視聴の際はお気をつけて、ぜひ楽しんでください。
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