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ミラーニューロンは親子間で強く働く…ネットを見ている場合じゃないわ

娘が眠る前に話してくれた。
モヤモヤして、どうしても私に話してから眠りたかったようだ。

明日、Aちゃんちに遊びに行く約束したんだけど、Aちゃんとケンカした。でも、遊びたい…と。
何があったのか聞いた。

娘はAちゃんとビーズで遊んでいた。Aちゃんがある色のビーズを見つけ出すのが難しくて、大変そうにしていた。だから娘は「私の時も手伝ってね」と約束して、Aちゃんのビーズを探し出す手伝いをした。
Aちゃんは娘が探し出したビーズで自分が作りたいものを作った。そしてでき上がった。
娘が手伝いを終え自分のビーズ作りに戻ったら、Aちゃんは違うところで違う遊びを始めて手伝ってくれなかった。
『自分はAちゃんから大切にされてない』と感じて、悲しくなって、怒ってしまった。
Aちゃんに「約束したじゃない、私のこと大切じゃないの?」と言うと、「やろうと思ってたのに!責めるなら明日一緒に遊ばない」と言われたのだそうだ。

娘は「責めるつもりはなかったけど、悲しくてイラっとして、言い方がちょっときつかったかも…」と反省していた。
私は言った。
「それは悲しかったね。自分が大切にされてないと感じたら悲しくなって怒るのも仕方ないよ。
人にきついことを言っても、相手が悪いんだと反省しない人もいる。モヤモヤするのは、あなたが素敵な子だからだよ。反省できるのは凄いことだと思う。

自分が大切にされなかったことは怒っていい。そうされると嫌だということを相手に知らせるのは、これからも友達でいるためには大切なことだよ。
でないと、相手は『あの子は自分より私を大切にしてくれる子だから、私を優先していい』と感じて、いつもあなたより自分を優先するようになる。

それでも遊びたいからって、遊び続けると、あなた自身も『私は私が1番大切なはずなのに、あの子を優先してる。私は私に大切にされてない』と感じる。
そしてまた、悲しくて怒ることになる。
怒るとまた、そんな自分を自分で責めたりする。

自分が自分を1番大切にすると、相手も「この子と遊ぶならこの子を大切にしないとならない」と理解する。それで対等に遊べるようになる。
自分が自分を1番大切にしないで、誰かを優先していると、誰からも大切にされなくなる。
自分が自分を1番大切にすると、みんなが自分を尊重してくれるようになるんだと思う。

自分が自分を1番大切にすると、自分が輝き出して、この子は宝物だから傷つけてはいけないんだってまわりからもわかる。
自分にとって自分が宝物だとわかると、みんなも同じ宝物だとわかる。だから尊重し合える。
相手を尊重するということができない相手とは、一緒にいる価値はない。

あなたはママの宝物だから、ママのためにも自分を守ってね。あなたが大切にされなかったら、ママも悲しい。
ママとあなたがケンカすることもある。その時は、ママはママの味方だから、あなたはあなたの味方で、ちゃんと言いたいことは言わなきゃならないよ。
あなたがママの宝物であることは、何があっても、あなたがママに何を言おうとも変わらない。」

そんな感じの話をした。
これは、私が『そうなんだな』と思っていることだ。
もしかすると娘にはまだ難しかったかもしれない。

自分であり、娘であり、まさに日本人、ではないか。自分の国民より、他の国の人を優先する。そんな政策に不満を持っている人も多いと思う。

「人に迷惑をかけない」とか、「かして」「いいよ」と頼まれた事はしてあげないと罪悪感を持つように育てられたせいだろうか。
最近は「かして」「あとで」になったようだが、「ダメよ」もありだと思う。分かち合えるのも素晴らしいが、自分にとって宝物だったり相手によっては貸せないものもあるはずだ。それは相手も同じだということになる。

自分を大切にすることは、相手を大切にしないことではない。
全ての人が、自分を大切にする事は義務ともいえる。
自分を大切にできない人が、相手を、誰かを大切にできるだろうか。

まただ。
結局は自分が自分を大切にすることなのだ。
それは、自分がどう感じていてどうしたいのかを理解することから始まると思う。

娘は前にも、ある仲の良いお友達がその子したい遊びしかせず、娘がしたい遊びはさせてくれないという状態だった事があった。
「嫌な事は嫌と言わないと一緒にいられなくなるよ」と話していて、娘も「そうしているんだけど…いいじゃぁ〜んって…」
「いいじゃん」その一言で、不思議とこちらが罪悪感を持つように誘導されてしまうのだ。

私は娘と一緒に学校へ行っていたので、友達との関係性はかなり把握していたと思う。
親が口出ししない方がいいし自力で解決するといいなと見守っていた。

そのうちに、その子が何人かで遊んでいても娘だけに指示するようになってきた。
その段になって、これはいじめの入り口となると感じ、娘に「遊びたいのはわかるけど、嫌だと言ってもやめない、自分を軽く扱う子と遊ぶのはやめた方がいいよ」と話した。娘も限界だったようで距離をとった。お友達は他にもいる。クラス替えでクラスも別々になった。

結果、どうなったかというと、しばらく距離を置いていて久しぶりに遊んだら、お互い尊重して遊べたと。
その後も何回か遊んでいるようだが、楽しく遊べているようだ。

今回も相手は違えどまた似たような問題。
ということは根本は同じ事が原因だと考えられる。
娘は優しくて世話焼きで…自分のことを置いておいて人の世話をしていたりする。
「人の手伝いは自分の事をしてから」「時にはお節介な時もあるよ」と声かけしているのだが…

……。
私が小さい頃からの夢であった漫画家の仕事をせずに(まとまった時間がとれないため描けず)家族の事を優先している姿と重なった。

娘に発した言葉はブーメラン、私に返ってきた。
私は私のしたい事を優先するべきではないか。
家族がいて100%優先できないこともある。
それを言い訳にしていないか。
連載が続かなかった時のショックを引きずって、また傷つくのがこわくて、臆病になっているのかもしれない。
自分と向き合うことになった。

ミラーニューロンは親子関係で強く働くという。
私の姿を娘は無意識に模倣しているのかもしれない。
まずは私が、私を優先することからなのではないか。

私が私を大切にすること、それは娘を大切にしないことではない。
私が私を大切にすることは、親としての義務とも言えるのだ。
私が私を大切にすることが、娘も自分を大切にできるようになる近道なのではないか。

私は1年ほど前に『私を大切にしない人とは離れる』と決めた。
大切にし合える相手とだけ一緒にいると決めたのだ。
待て待て待て、まず自分が自分を大切にできているか?
私はどう感じ、どうしたいの?

私はまだまだ、もっともっと自分と仲良くなった方がいい。
ネットを見ている場合ではない。
自分と話す時間をとる必要があるのだ。

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