呼吸を止めてなるものか。
中学生の頃、漠然と死にたかった。
別に、嫌なことがあったわけでも落ち込むようなことがあったわけでもない。
ただぼんやりとした希死念慮が背中をついて回っていて、楽しい時間にふと顔を出していた。
高校生の頃、自分は27で死ぬと信じていた。
ジミヘン、カートコバーン、ジャニスジョップリン。彼らのように夭折するのだろうと、なぜか信じていた。
大学生の頃、ようやく気づいた。シド・ヴィシャスが死んだ21歳をいつの間にか越えて、どうやら自分はロックスターではないという事を気づいてしまったのだ。
「無駄」という言葉はなんだか好きではなくて、きっとどんな事も今に繋がっていると信じたいのだけれど。
それでも、自分は何者でもないという事に気づいてしまってからはある意味で自暴自棄になっていたと、今になって思う。
酒に溺れ、上手く行かない理由を自分以外のものに押し付け、ただやってくる日々をこなすだけの日常が流れていた。
無駄とは言わない。友人との日々は今でもかけがえのないものとしてはっきりと脳内に残っているし、大切な時間であったことには疑いようがない。
むしろ、楽しすぎたのだ。
あまりにも楽しすぎる日々にかまけていて、そんな毎日がまるで永遠に続くと思っていて、「いつか終わりがくる」という事実から頑に目を背けていたのだ。
今更になってようやく分かったことがある。
どうやら僕はこのままでは27歳で死ぬことはできない。
生きる勇気も、死ぬ勇気もないくせにただ日が昇り、また沈んでいく。
それなら、ただ生きるしかない。ただ、ただ生き続けるのだ。
自分が生きた証をどこかに刻めるように。
重い足を無理やりにでも動かして前に進むしかないのだ。
『ただ生きる 生きてやる 呼吸を止めてなるものか エイトビート エイトビート』
ザ・クロマニヨンズ-エイトビート
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