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消費者から離れてしまった食品産業 - 課題やひずみの起源

ごあいさつ

こんにちは。株式会社MiL代表の杉岡侑也です。
MiLは2018年に創業し「the kindest (カインデスト)」というブランドでベビー・キッズフードを展開し、皆様に支えられ成長してまいりました。
まだまだ小さなブランドですが、いつの日か社会に無くてはならない会社になり、多くの社員、ステークホルダー様に応援いただくようになった時のためにも、MiLの仲間達とともに、私たちのビジネスの裏側にある”想い”を書き留めて行こうと思っています。

2回目の投稿は「消費者から離れてしまった食品産業 - 課題やひずみの起源」です。

もとは誰かの"食べる"を支えて来た

90兆円を超えるという巨大な日本の食品産業。
今日は毎日の生活に一番近い食品産業が消費者から離れてしまっているんじゃないか、というお話です。

日本の食品産業は世界的にも歴史が古く、100年以上続く企業が多く存在する業界です。大企業、中小企業、さまざまな企業が存在し、食品産業を牽引しています。

もともと商売とは、一対一の構造から始まるもので、お互いに困ったときに助け合い、その感謝が報酬として回ってくることが起源です。その感謝は、通貨に形を変え回り、また困りごとを解決するエネルギーになる。
これが商売の原点です。

食品業界も同じ、食べたい人と提供できる人。
最初は一対一の取引でした。
とうちゃんが一生懸命弁当を作り、かあちゃんが売る。
家族単位で始まった商売は確実に誰かの”食べる”を支えてきました。

そして、より多くの誰かを支えるために、資本主義を活用します。

事業が企業になり、産業になるまで

人を雇い拡大。
物件を借りて拡大。
そうして事業になります。

経理を雇い拡大。
店舗を増やし拡大。
そうやって企業になっていきます。

家族での商売は、提供する人全員がお客様全員の顔を知っていました。
「あ、今日は体調悪そうだな!佐藤さん。」
「なんかいいことあったのかな!加藤くん。」

佐藤さんには野菜を多めに。加藤くんには赤飯を。
いいんだよ、いいんだよ!またきてね!

そんな商売もいつしか拡大し、弁当屋を支える経理担当者は、または仕込みだけを担当する人は、”お客様が誰で、何に課題があるのか”、そうした困っている人の顔が見えなくなっていきます。

事業になり、企業に成長してゆく過程で合理化し、アウトソースすることで更にこの流れは加速し、規模の拡大とともに分業化が当たり前になります。

いつからか、日本の食品産業は、お客さんに接することのない人たちが増え、次はお客さんに直接触れることのない企業が連携してバリューチェーンを構成し、一つの食品を製造し、配送し、販売するという複雑な産業構造が出来上がりました。

資本主義を活用し、便利で豊かな、ある種均一なパフォーマンスを出せる食品産業が育ったことには当然良い側面があります。

利益最大化は誰のため

一方、消費者や生活者との接点を失い、ある種の部分最適化を続けたことにより、本来の商売から離れてしまっている側面が持つ、ネガティブインパクトも理解する必要があります。

企業の利益を最大化するためにも、かあちゃんは佐藤さんに野菜多め、加藤くんには赤飯をたまにプレゼントしていました。

そこでの商売、つまり利益最大化とは、顧客体験の最大化であり、顧客が喜べば結果が返ってくるという構造でしたが、今は違う形態が多い。
それぞれが利益を最大化することで分業に分業を重ね効率化を実現したか、部分最適は必ずしも顧客体験の最大化に向かっていないケースが多いように思います。
これにはやはり厳しい目を向けないといけないと思います。

ある種、消費者の利益のために、企業には社会からのプレッシャーが必要だと私は思います。
一方、参入障壁が高く、寡占状況にある食品産業は産業内のプレッシャーが少ないどころか、慣れてしまった消費者からのプレッシャーも少なく、改善せずとも、磨かなくとも儲かってしまう構造をも作り上げてしまいました。

そのために、まずは消費者自身がその構造を正しく理解し、私たちが毎日食べるたくさんの食べ物の知識を身につけ、産業全体にプレッシャーをかけられるようになるべきだと思います。

均一で安価な商品を流通するために生じた歪み。
そろそろ目を覚ましましょう。
私たち消費者ひとりひとりが理解して行動する社会を目指して、the kindest、MiL社はこれからも#赤ちゃんからの食育 を通して発信してまいります。

引き続き、応援お願いいたします。


photo by lifeforstock/出典:Freepik 


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