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海馬を降って

想起される事柄は
幾度となく定着せず
未だに仕舞い込め無い
光る画面に暗く照らされ
現実を悲劇的に写す
未読が理解できない
しようとしない

目から溢れる水は
何味だろうか
それは初冬の苺の様な
甘酸っぱい
そうか僕らは早過ぎたんだ

鼻に染み付いた
君の首筋の香り
ほんのり香る
甘くて不安定な香り
心揺さぶられ何もかもが
衝動的になる

バカ甘い蜂蜜でも飲んで
満面の笑みを浮かべて叫んで
爆ぜる星空を眺めよう
その中でキスをするんだ
経験したことない様な
幸福で悲劇的なキスを

ネオンが照らす
寝ることを忘れた街
時間も忘れた僕たちを
流れる時が足を掬う
心は置いてけぼりになり
記憶の中で拾い集めては
目を背ける様に
冷たいベッドで今日も眠る

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