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百人一首

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百人一首 第二十四句

みくりや てつき

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管家
かんけ

このたびは 幣もとりあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに
このたびは ぬさもとりあえず たむけやま もみじのにしき かみのまにまに

意訳
この度の旅は、急ぎで、お供えの幣も用意できませんでした。手向山の神よ、どうぞこの見事な紅葉の錦を、み心のままにお受け取りください。

百人一首 第二十三句

みくりやてつき

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大江千里
おおえのちさと

月見れば ちぢに物こそ 悲しけれ 我が身一つの 秋にはあらねど
つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど

意訳
秋の月を見ると、色々とものを思い悲しい気持ちになります。わたし一人にだけ、秋が来るわけではないのに。

百人一首 第二十二句

みくりやてつき

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文屋康秀
ふんやのやすひで

吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ
ふくからに あきのくさきの しおるれば むべやまかぜを あらしというらん

意訳
秋の山風が吹くと、草木がしおれてしまう。なるほど、山風と書いて、嵐というね。

百人一首 第二十一句

みくりやてつき

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素性法師
そせいほうし

今来むと いひしばかりに 長月の 有り明けの月を 待ち出でつるかな
いまこんと いいしばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな

意訳
すぐに会いに行くよと、あなたが言ったから、毎晩待っていたの。夜の長い九月、有明の月が見える朝まで、待っていたのよ。

百人一首 第二十句

みくりやてつき

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元良親王
もとよししんのう

わびぬれば 今はた同じ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ
わびぬれば いまはたおなじ なにわなる みをつくしても あわんとぞおもう

意訳
あなたとのうわさで思い悩む日々。こうなったら同じこと。この身が滅ぶともあなたに会いに行こうと思うのだ。

百人一首 第十九句

みくりやてつき

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伊勢
いせ

難波潟 短き芦の 節の間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや
なにわがた みじかきあしの ふしのまも あわでこのよを すぐしてよとや

意訳
難波潟の短い芦の節と節の間ほどの短い時間でも、あなたに会いたいのに、あなたはもう、会わずにこの世を過ごせとおっしゃるのですか?

百人一首 第十八句

みくりやてつき

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藤原敏行朝臣
ふじわらのとしゆきあそん

住の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ
すみのえの きしによるなみ よるさえや ゆめのかよいじ ひとめよくらん

意訳
夢の中、わたしのところに通って来ておくれ。夜でさえ、どうしてあなたは人目を避けて、会いに来てくれないの?

百人一首 第十七句

みくりやてつき

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在原業平朝臣
ありはらのなりひらあそん

ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川 唐紅に 水くくるとは
ちはやぶる かみよもきかず たつたがわ からくれないに みずくくるとは

意訳
神様の時代でさえも聞いたことがない。竜田川を赤い紅葉が覆い隠し、その葉の下を水がくぐるように流れるなんて。

百人一首 第十六句

みくりやてつき

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中納言行平
ちゅうなごんゆきひら

立ちわかれ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む
たちわかれ いなばのやまの みねにおうる まつとしきかば いまかえりこん

意訳
お別れです。わたしは因幡の国へ参ります。でも、皆さんがわたしを待っていると聞いたなら、すぐに帰ってきますよ。

百人一首 第十五句

みくりやてつき

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光孝天皇
こうこうてんのう

君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ
きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ

意訳
あなたのためにと春の野原に出かけて、若菜を摘みました。そんなわたしの着物の袖に雪が降ります。

百人一首 第十三句

みくりやてつき

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河原左大臣
かわらのさだいじん

陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに
みちのくの しのぶもじずり たれゆえに みだれそめにし われならなくに

意訳
陸奥の織物しのぶもじずり。その乱れ模様のように忍ぶ恋でわたしの心は乱れはじめた。誰のせいだと思う?わたしではなくあなたのせいだよ。

百人一首 第十三句

みくりやてつき

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陽成院
ようぜいいん

筑波嶺の 峰より落つる 男女川 恋ぞつもりて 淵となりぬる
つくばねの みねよりおつる みなのがわ こいぞつもりて ふちとなりぬる

意訳
筑波山の湧き水が集まり蓄えられて、男女川になるように、わたしの恋も積もり積もって、もはや抜け出すことのできない深い淵になりました。

百人一首 第十二句

みくりやてつき

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僧正遍昭
そうじょうへんじょう

天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ
あまつかぜ くものかよいじ ふきとじよ おとめのすがた しばしとどめん

意訳
空に吹く風よ、雲の通う道を閉じてくれ。天女のような美しい少女たちの姿を、もう少しこの目にとどめておきたいのだ。

百人一首 第十一句

みくりやてつき

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参議篁
さんぎたかむら

わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人の釣り舟
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね

意訳
大きな海を島々に向かって船を漕ぎ出したと、都にいる人に、告げておくれ。海人の釣り船よ。