「今夜、世界からこの恋が消えても 」への想い
「今夜、世界からこの恋が消えても」公開1ヶ月、そして興行収入10億円突破おめでとうございます。
この作品を通して感じた気持ちをまとめておきたくて、noteを書いています。
(※ネタバレを含みます)
感想
全体の感想
キラキラ映画に見えてそうじゃない、なんて言われていて、映画好きな方からも評判が良いこの作品。
確かに一見よくある設定ではあるんだけど、単なる高校生男女だけの恋愛映画ではなく、 恋人・友人・家族、それぞれの人を想う気持ちや無償の愛が描かれている作品だと思います。
三木監督の演出と、月川さん松本さんの脚本、主演ふたりの透明感、脇を固める役者の存在感、そのバランスがすごく良かった。
元々人気があった真織と控えめな透とは正反対ではあるけれど、そのふたりが出会って惹かれていく様子が丁寧に繊細に美しく描かれていて。
そこにプラスして、真織の親友である泉と、透の姉である早苗の行動や想いに心が動かされる。
どの人物に感情移入するかで見方が変わる作品でもあるんじゃないかな。
特に泉の号泣と、早苗のあのシーンは、思い出しただけで苦しくなります。
でも、見終わったあとは前向きになれる。
心が洗われたようなデトックスされた気持ちになります。
ラスト、劇伴が高まったところで、エンドロールに入るところも好き。
あんなに良い終わり方ない。
ヨルシカの左右盲もとても作品に合っていて。
毎回余韻がすごいです。
原作を先に読んでいたので、冒頭から泣けてしまい、また、原作の改変の上手さに感心したりしました。時系列とか。
ちなみに、映画を数回観てから原作を読み返したら、最初に読んだ時よりも号泣してしまい、その後また映画を観たらまた泣けたので、原作と映画を交互に見るのもオススメです。
個人的に、原作からも映画からも伝わるメッセージは同じで。そのメッセージを映画ならではの表現で映像にしてくれているのがよかったです。
神谷透
透が真織に惹かれていく過程が、言葉にはしなくても、表情や髪型や姿勢で表現されているのがとても好きです。
前髪の長さだったり、猫背が治っていたり。
自分の人生に光を与えてくれた真織に惹かれて、献身的に支えていくピュアさや優しさが本当に素晴らしかった。
初デートで寝てしまう真織を見る表情が、もう好きだけど、本気で好きになってはいけないんだよな、っていう切なさが見えて好きです。
最初に告白したときのぶっきらぼうな表情も、真織をさがしているときの必死な表情も、姉に真織の毎日を楽しいことで埋めたいと話すときの嬉しそうな表情も、忘れられていたキーホルダーで傷ついた表情も、その後の姉の受賞の喜びと真織への想いで、複雑な想いを表現する表情も花火のときの真剣な表情も好き。
もちろんデートの点描のシーンもね!
透の声のトーンがまた良いんだよね…
(三木監督は撮影に入る前に声のチューニングをするそうで、道枝くんは普段より低く、莉子ちゃんは普段より高く声を出しているそうです)
他の俳優さんがこの役をやっていたら嫉妬するぐらいに良い役だと思います。その役がハマり役になっているの、とても素晴らしいと思う。
日野真織
真織の目線で見ていると、透から受ける愛がとても大きいので余計に喪失感でいっぱいになる。
知らないはずの透がいなくなったことに涙する真織と、それに寄り添う泉のシーンが、悲しいけどとても好きです。
真織は本当に強い人なのだと思う。明るくて周りからも人気があって。でも、毎日絶望と向き合って、その世界に透が入ってきたことが希望になって。
覚えていないはずなのに、確かに透への想いが真織の中で大きくなっていく感覚が、胸を打つ。
1周回って最初の教室のシーンが緊張感があってすごく好き。
3つのルールを話しているとき、明るく強く見えて本当は緊張している感じとか。
後半に真織の目線で描かれる、真織の日記と透とのやり取りにも泣いてしまいました。
映画なんだけど、ある種ドキュメンタリーのような、この世界のどこかにいる神谷透と日野真織の日常を見ているような、そんな感じがします。
好きな台詞の話
前にふせったーで書いた透くんの好きな台詞です
「僕は、とっくに破ってる」
優しくて穏やかな透の、真織への想いの強さを感じました。
「好き」という言葉を使わずに、
真織「3つめのルール破ってもいい?」
透「僕は、とっくに破ってる」
なの、すごくロマンチックで良いなぁと思います。
3つめのルール破ってもいい?の真織もすごく綺麗でかわいいんだよね…。
(この前の真織の「気づくの遅くないですか?」も可愛くて好き)
(髪飾りを贈るシーンもそこに至るまでの透の想いも全部好き)
その後の花火も合わせて芸術で、大好きなシーンです。
あれほど美しいキスシーンを撮っていただいて本当に感謝です。
脚本の月川さんがあのシーンを中盤のピークに持っていきたかったと仰ていてさらに感謝。
「今日の日野にまだ会えてないから」
このシーンの透と泉ちゃんが話してるところ全部好きだけど、
照れたように笑って「あ、でも、今日の日野にまだ会えてないから」って言うのが、完全に恋してて好き。
好きだから早く会いたい。
その気持ちが台詞と表情に現れてて。
その後の「今までどおり付き合いたかったから」にも透の真織への気持ちやストレートな表現に誠実さが現れていて好き。
「日野にわかるかな~」
透と真織の図書館デートのシーンがすごく好きで。
デートシーンはすべてアドリブという話だったので、このシーンも?と思って、
監督と脚本のおふたりに質問できる機会があったので質問してみたら、図書館のシーンもアドリブと仰っていました。
「日野にわかるかな~」
って、馬鹿にしてるわけではなくて、表情にも声にも真織のことが好きで可愛いと思う気持ちが溢れてた。
あの一瞬でも想い合っていたことが伝わってきて、切なくてでも幸せな気持ちになりました。
(これアドリブとか天才?とも思いました)
セカコイへの想い
私がこの作品に惹かれている理由は、推しが出ていることも、映像や音楽の美しさでもあるのですが、
描かれているものが特に次の3つだからかなと思っています。
・お互いがお互いの光であること
・いない人の存在感
・そして、遺るもの
改めて、こういう作品大好きだよね私…って笑ってしまうくらい自分のドストライクな話だったわ。
そして人を想う気持ちが本当に美しく描かれているから。
それからセカコイ、演者だけでなく、演出面、脚本面、音楽面でもいろいろなお話が聞けて嬉しかった。
後で記事まとめておきたいな。。
そして共通しているのが、この作品に関わった方みんな穏やかな方ということ。
作り手の人柄というのも作品に出るのかなと思いました。
演者、監督、脚本家、それぞれに質問できる機会を設けていただいてありがたかったです。
透が真織に贈った髪飾りの花言葉のお話も聞けてよかった。
(透が真織に贈ったひまわりの髪飾り。花言葉はあなただけを見つめる)
道枝駿佑さんのことは、ドラマ初出演のときから陰ながら見守っていたので、
こんなに美しくて優しい作品で主演をやれていることに本当に感動してしまって。
彼の初主演映画がこの作品で本当に良かったです。
そして、福本莉子さんとW主演で本当に良かった。
最後に
七夕イベントで道枝くんが言っていた願い
「たくさんの方の心の中で忘れられない作品になりますように」
が少しずつ叶っていて嬉しいです。
キャスト、スタッフ、みなさんが大切に作ったこの作品をこれからも大切にしていきたい。
心に残る忘れられない作品を、本当にありがとうございました!
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