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愛犬ミクと家族の闘病記

ヨークシャーテリアの愛犬ミクは、2021年5月18日(火)、虹の橋🌈を渡った。
12歳2ヶ月のわんぱくな犬生だった。

動物病院の主治医の先生はじめ、全ての先生方・スタッフの皆様、多くの方に支えられ、ミクは旅立った。

今日は、ミクと家族の闘病とその想いを話そう。

肺がん治療のために、3月に7時間半に及ぶ大手術を乗り越えたミク。
その後も分子標的治療や樹状細胞移植などをしながら、病気と戦ってきた。

「がんとの共存」「穏やかな死」
などの言葉は、
ミクと我が家にとっては綺麗事でしかなく、それはまさに激闘の日々だった。

5月に体調が悪化してからは、
熟考する間もなく迫られる「選択」の連続。

「より良い選択」
「安楽な選択」
言葉で言うのは簡単でも、決めることは容易ではなかった。

5月の連休明けからは、食べられない、吐いてしまう、立つのも困難、呼吸の苦しさから眠れず。
酸素ハウスなしでの病院への搬送も危険に思えた。

一緒にいたい。一人にしないよ。

入院の選択肢はなかった。
病院には連れて行かず、家で看取ると覚悟した。

家でできる全てをやると決意し、
私が受診に行き、夫と協力しながら家で点滴や注射をし、栄養剤や水を飲ませ、排泄の介助をやった。
酸素ハウスもレンタルし、ハウスから出るときは、エリザベスカラー&ヘアキャップの中に酸素チューブを通し、ミクが少しでも楽に過ごせるよう工夫した。
家族の時間を楽しむと決めた。
でも、その覚悟は揺らぎに揺らいだ。
そんな覚悟なんて、本当はできていなかったのだ。できるわけもなかった。

在宅看護・介護は、最後の時を家族で過ごし、一緒にいられる幸せを感じることができる。
一方で、本当にこれでいいの?という葛藤、重いプレッシャー、果てしない孤独との表裏一体。

やれることをやり切る、という想いは、延命したかったわけではない。

今を
今日を
少しでも楽に
幸せに
穏やかに

過ごしてほしい。
その想いだけが、私を突き動かした。

家で看取ると決めた我が家の場合は、
病院の先生と何度も電話で話しながら、家でできる看護・介護を工夫した。
電話が医療とつながる唯一の命綱だった。

最後の時間は
家族で支えることができた。
大切なかけがえのない時間。
この時間を私は忘れない。


闘病生活を終えた今思うこと。
ミクはとても頑張った。
私たちの覚悟に応えようとしてくれた。
親想いの強い子だった。
ミクは我が家のスーパーヒーローだ。

辛い戦いではあったけど、
ミクと私たちが受けた医療は、とても暖かく優しいものだった。

私は看護師をしているが、
今の人間の医療に本当の優しさはあるだろうか?
ミクと動物病院の方たちに、医療の原点を教えてもらった気がした。

今は、苦しみから解放されたミクが虹の橋🌈で楽しく走り、大好きなグリニーズを頬張り、スヤスヤと気持ちよく眠れることを願っている。

だけど、私たち家族の時間は止まってしまった。

しばらくは焦らずに、悲しみと寂しさを抱きながら過ごそうと思う。

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