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私が老犬に魅力を感じる理由

犬の寿命は、人間と比べてそれは短い。

十数年の凝縮した時間の中で、
パピー、成犬、シニアの時を過ごす。
どの時期も可愛いが、とりわけシニアの時期が好きだ。

愛犬ミクと過ごした12年を振り返り、今日はそれぞれの時期に感じる魅力と、なぜシニアの時期が好きなのかを書こう。

1.パピー
パピーはいつも新しい体験をしている。その目はキラキラと輝き、でも時に不安そうな目をする。
できなかったことができるようになる。その速さ、その吸収力も凄まじい。
できたことを褒めたとき、全身で喜びを表現する。
パピーは人間の赤ちゃんのような匂いがする。その匂いは人間の心をほっとさせるのだ。
食事量にムラがあり、食べない時がある。その理由がわからず、人間を困らせる生き物だ。
でも、困りながらも、可愛いから許してしまう。

2.成犬
成犬はとてつもない体力を持っている。
何時間も散歩し、おもちゃで遊ぶ。
全力で走るスピードに驚かされる。
食いしん坊で、おやつに目がない。
賢くて、辛く悲しいときにそっと寄り添ってくれるような優しさがある。
私の人生で最も辛かったときに、私の気持ちに寄り添ってくれたのは家族ではなく、ミクだった。
犬という生き物に、私は救われ生かされたのだ。

3.老犬、シニア犬
私は、7歳以上の老犬とかシニアと言われる時期が一番好きだ。
老犬の魅力は、
表情が優しくなる。
動きがゆっくりになる。
ぽーっとしていることが多くなる。
寝てる時間が多くなる。
夢を見ているような表情がなんとも可愛い。
筋肉が減り、身体にたるみが出てきたことさえも、可愛さに変えてしまう魔力を持っている。

愛犬ミクとシニア期を一緒に過ごしたことで、人間が嫌う老化現象が犬の可愛さを引き立ててしまうという新鮮な発見をしてしまったのだ。

加齢にあがくことなく、老いを受け入れる。
人生を受け止め、あるがままに生きていく。
老いを受け入れる生き方は、魅力的なのではないか。
ミクを見ていて、老いも悪くないと思った。

シニア犬となったミクの周りで流れる時間は、いつも緩やかだった。
おかげで、一緒に過ごす私たち人間も緩やかな気持ちになれた。
晩年のミクは肺がんを患い、治療を受けた。
最後の最後まで不満一つ言わず、今を精一杯生きたミク。
最後の最後まで、ミクは優しい顔をしていた。

老犬、シニア犬の魅力が伝わっただろうか。

犬を迎え入れるとき、
ペットショップ、保護犬など、いろいろな手段がある。
そのほとんどが、パピーを飼いたい、迎え入れたい、と言う人だろう。
確かに、パピーは罪深いほど可愛い。

でも、老犬、シニア犬との暮らしも選択肢に入れてほしいと願っている。
老犬、シニア犬と人間が共に暮らすことで、幸せを共有できたら、こんな素敵なことはないだろうな。





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