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助産師が教える!母乳育児の実践ガイド:生まれたらどうする?

 妊娠中に母乳育児の準備ができたら、次は生まれてからの実践!です。

生まれてから、入院中の1週間ほどが母乳がでるために一番重要な時期になります。


1.生まれたらすぐに授乳する!


「赤ちゃんが生まれたら、なるべく早く授乳を行いましょう。」

とはいっても、赤ちゃんが生まれた後はすることがいーっぱい。

赤ちゃんの処置や、母体の処置がありますので、実際はなかなか直後が難しいのです。

病院によっては、産後のバースプランを作るところもありますので、是非、できるだけ早くお乳をあげたいとプランにのせてください。

バースプランがなければ、出産時に担当のスタッフに伝えておきましょう。

*赤ちゃんはおなかにいるときに、すでに羊水を飲んで、おっぱいを飲む練習をしているのです。

出産後「おぎゃー」と生まれてから、2時間後には入眠時期に入ってしまうので、2時間以内の起きている時間帯に、はじめて口にお乳をすわせてあげることで、赤ちゃんは、お乳を本能的に母乳が出る物と認識するのです。

この時間に授乳出来なかった場合、赤ちゃんのはじめに口にするものが、人工乳首だとすると、哺乳瓶の飲み方をはじめに覚えることになります。

これが、定着すると、効率的に母乳を飲めなくなることもあり、刺激がもらえず、母乳量が増えなくなります。

2.頻回に授乳する!

 
生まれたら、赤ちゃんののみたい時に、のみたいだけ授乳しましょう。赤ちゃんの飲む刺激によってホルモンが誘発され、分泌を促します。

1日10回以上を目標に授乳をします。

赤ちゃんの飲み方が悪いと、乳首に傷ができたり、痛くなってしまうので、正しい飲み方ができるように、助産師に確認してもらいましょう。

妊娠中に乳首のマッサージを頑張っていた人は、ここで乳首が痛くなることはありません。


3.疲れたら休む


 産後の体力回復が遅れると、貧血になったり、体が動けなくなったりします。
産後は自分の体も大切に、休める時に休むようにしましょう。

4.栄養バランスのとれた食事をとる!


 産後の体力回復や母乳への供給の為に、栄養のあるバランスのとれた食事をとりましょう。

5.正しい授乳方法を教えてもらう!

 「頻回に飲ませているのに、母乳が増えません」という悩みを訴えるお母さんがたまにいます。

これは、生まれてから、正しく授乳できていなかったことが原因のひとつと考えられます。

赤ちゃんに正しい位置で授乳できていないと、せっかく作られた母乳はのみとられず、おっぱいに残った状態になります。

おっぱいに残った状態が続くと、「これ以上おっぱいが必要ない」と脳が判断し作るのを抑えてしまいます。

赤ちゃんがのめているかは、はじめてのお母さんには判断が難しいでしょう。
病院の助産師に甘えて、たくさん教えてもらいましょう。

産後の育児が順調にすすむよう、支援するのも助産師のお仕事ですから。

まとめ

赤ちゃんがうまれたら、退院までにこの5つを実践しましょう!

  • 生まれたら、なるべく早く授乳する

  • 頻回な授乳を心がける

  • 正しい授乳方法を教えてもらう

  • やすめる時に休む

  • 栄養バランスのとれた食事をとる

母乳分泌には、個人差があり、分泌してくる時期には早い人も遅い人もいます。遅い人だと、自宅に帰ってから分泌してくることもあります。

ですが、焦る必要はありません。
あなたと赤ちゃんのペースですすめていけばいいのです。
あなたの赤ちゃんに最適な栄養を与えることができるのは、あなただけなのですから。

追伸

 「もう少し早く出会ってれば・・」

助産師として働きながら、お母さん達からよく言われる言葉です。

母乳分泌は生後早い時期に、いかに適切なケアを受けられるかにかかっています。

「そんなこと教えてもらえなかったです」
「もう少し早く知っていれば」

 母乳や育児に関しては、幅広い知識や経験が必要で、病院だけではまかなえない部分もあるのだと思います。

ですが、赤ちゃんにとって、一番大切なことは最適な栄養をとれることであり、そもそも授乳によって産後の体も回復しやすいように、人間という動物はできているのです。

母乳は人間のお母さんなら誰でも与えられるものです。

すべてのお母さんが母乳の良さを知り、母乳で育てられるように、地域に助産師がおります。

退院後の早い時期に、助産院などで授乳を教えてもらうと、格段に母乳育児が成功しやすくなると思うのです。

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