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目指すは高カロリーなコトバ

幼稚園のころ。頭に柿が落ちた。

痛かったかどうかは覚えていないけれど、頭蓋骨が激しく揺さぶられたのは覚えている。その時に受けた衝撃が原因なのか、わたしは物事を深く掘り下げて考えるのが苦手だ。

わいの考えがペラッペラなのはぜんぶ柿のせいだ……!


さらにわたしは会話も苦手です。自分の言葉が薄味すぎて恥ずかしくてたまらんのです。「マジっすか」「すごいですね」「なるほど」を擦り切れるまで、いや擦り切れていても使いまわしてしまう。

自分のターンになったらとりあえず話しだすものの「あれ?ゴールがみえないぞ」と迷子になって、もはや何を話そうとしていたのかわからなくなる。相手がわたしに対して「なにが言いたいのかわからないなぁ」と、困っているのが伝わってくるので本当に申し訳ないのですよ。

まわりの人たちは、みんな聞きごたえがある高カロリーな言葉のキャッチボールをしているのに。わたしだけ根っこを無視して土の上に見えている、手が届きそうな柔らかい葉だけをちぎったような、深みのない言葉しかでてこなくて悔しい。

コミュ障も口下手も、大人になれば改善すると思っていた。でも大人になることで、自然に装備されると思っていたものは、何も身についていない。

そりゃそうだ。 わたしたちはある日突然大人に進化するわけじゃない。子供のころは年齢を重ねれば、やがて人は万能になると思っていた。大人になったその日からピーマンの苦みを美味しいと感じて、細かくて難しい文章だらけの書類を解読できるようになると信じていた。

でも大人って、子供時代の延長線上にいるだけだ。大人の自分に期待して子供時代をサボっていたら、体積が増えただけのスカスカの人間ができあがってしまうのです。わたしのようにね!

思考を深めるには「なぜ?」という問いかけが必要らしい。それはもうたくさんの「なぜ?」をもつといいそうだ。

だからわたしはnoteで探求修行をする。ベルトコンベヤーにのせて流していくだけだった日々の出来事を、「ちょっと、待てぃ!」して検品しようと思う。

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