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愛でる気持ち

 何かを愛でる時の気持ちというのは、良いものです。何とも幸せな気持ちになりますよね。

 少し前に、何でもかんでも「かわいい」の一言で表してしまうようになったことを、語彙力が減ると危惧する風潮があったと思います。たしかに、語彙力が乏しくなるという意味では危惧される事態であったかもしれません。
しかし、私たち日本人は、素敵なものを愛でること。何かを可愛いと感じ、いつくしむ気持ちは、減ってはいないなぁと感じます。むしろ、そこかしこにたくさんあり、一言だとしても表現することが増えているのかも。

 小さな小鳥や、犬や猫、ちょっとした小物や、小さな草花。人が書いた文字や絵などなど、様々なものを見つけては「かわいい!」と、声をあげる。たくさんのささやかな「かわいいものたち」が、私たちの身の回りに溢れていることに、その言葉を聞くたびに気づかされるのです。
 
 愛でるという言葉には、「褒める」という意味もあるそうです。そう考えると、面と向かって褒めることを恥ずかしがる日本人的な奥ゆかしさを打破し、気軽にいつでも自分の気持ちを表明できる「かわいい!」は、もしかしたら、当時の若い子たちにとって、魔法の言葉だったのかもしれません。
 
 いまは、推し活という言葉が流行るくらいに、みな自分の好きなものを各々見つけて、そしてその良さを語ったり、愛でたりすることを大っぴらにできる時代になりました。

 表現する言葉は、一つでも、その対象は本当に様々。その細やかな心の動きは、なんて豊かでそして、温かなエネルギーに満ちているのかと思います。

 ささやかな心の温かさは、ささやかな幸せを運び、ささやかに生きている毎日を明るく支えてくれているのでしょう。
 
 皆さんは、日々の中で、どんなものや、事柄を愛でながら、過ごしているでしょうか?
                        (K.N)

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