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【研修情報】知識と洞察を広げる          ~アセスメントの実践的アプローチ~

こんにちは。本日は、いつものコラムと違い、みこと心理臨床処で主催する「心理職向け」の研修情報になります。
ただいま、参加者募集中です。お申込みの詳細等は、このページの下方を参考にしてください。

今回は少しだけ、こちらの研修の裏話などを書きたいと思います。

 元々、今年の夏に、知能検査田中・ビネーVを取り上げた研修を予定していました。ビネーVでも、精神年齢や知能指数を測るだけはなく、検査中のお子さんの様子を観察することで、数字には表れませんが、得意な部分や苦手な部分を推測し、その後の対応やフィードバックに活かすことが出来ます。
 その部分を中心にお伝えする研修だったのですが、研修企画をみことのメンバーで話し合ううちに、それだけだと、ちょっともったいないねという話になりました。

 なぜかというと、田中・ビネーVは、子どもの知的発達を客観的に見ることが出来る優れたツールなのですが、それを試行する私たち心理職は、検査を熟知し、その検査から必要な情報を読み取るだけでは足りないからです。

 子どもたちの定型発達をちゃんと理解していてこそ、検査結果と実際のお子さんの状態像を照らし合わせ、どの部分は順調に発達していて、どの部分は少し遅れているというのを把握できるのです。その上で、今、ここまで発達してきているから、苦手な部分を伸ばすとしたら前段階のここの関りを増やしたり、援助したりすることで次の発達段階に進めるだろうと予測します。

 つまり、検査の後に、検査結果を伝えるだけではなく、支援に繋がるフィードバックを的確に行うには、定型発達の知識も不可欠なのです。
 定型発達はどのようなものかという知識は、心理職ならば一度は学んでいます。しかし、現場に出て実際にお子さんたちと関わることが少ないと、その学んだ知識が生身のお子さんの状態像と結びつきにくいものです。
 
 そこで、田中・ビネーVを通して、定型発達と言われる状態像も一緒におさらいし、同時にそれをWISC-Ⅳ検査にも応用していくという研修の方が、学びが大きいだろうと考えました。

 また、これらの検査について理解が深まってくると、結果的に子どもたちの日常場面を観察することだけでも、そのお子さんの発達状況、何が得意で何が苦手そうかという予想が立てられるようになってきます。

 常に、どの子にも知能検査を出来るわけではありません。まず、普段の生活場面であったり、書いてもらった絵を見たりしながら、アセスメントをし、その子の臨床像を描き、何に困っていて何を得意としているのかということを、丁寧に見ていく事が大事です。

 子どもの絵を見ると言っても、闇雲に見てもただの主観的な判断になってしまいます。だからこそ、まずは、統制されたグッドイナフ人物画を通して発達段階を把握する事、さらには投影的な部分も検討する事が大事です。それが出来るようになってから、子どもたちが何気なく書いている絵にもそのアセスメントの視点を活かして、お子さんの発達を知るための情報の一つとして生かしていけると良いでしょう。

 そして、最後に、日常場面の観察からも、ポイントとなる視点を、前述した検査や描画での知識を応用しながら見ていくということが可能になるのです。 

 という、流れをイメージしながら今回の4回研修を企画しました。そして、この企画を発表しようというタイミングで、WISCなどの検査を受けるのには、待ち時間が長すぎるという報道を目にしたのです。検査を受けるまで何もできないのでは、どうしても手立てが後手になってしまいます。子どもたちが成長していく時間は、大人の生活している時間の流れとは違います。

 なるべく早く、出来る所から、少しずつ支援を始めていく。そのための、手立てとして今回の研修が少しでも、お役に立つことが出来ればと、みことスタッフ3名、願っている次第です。

 と、話しが長くなりました。以下より、今回の研修のお知らせとなります。専門職の皆様は、ご興味がございましたら、ぜひ、研修にご参加ください。

 4回全部の研修を受けなければいけないことはありません。自分が弱いと思っている部分、興味がある部分の回だけの受講も可能です。今回は、4回シリーズということもありまして、アーカイブ配信も予定しております。
当日ご参加いただけない方も、お申し込み可能です。
 また、ライブ視聴が終わった後に、前の回が見たくなったという場合にも対応できるよう企画しています。
 
 なにか、ご不明点、ご質問等ございましたら、みこと心理臨床処のお問い合わせフォームから、お気軽にご質問くださいね。
よろしくお願いいたします。     (K.N)


知識と洞察を広げる~アセスメントの実践的アプローチ

 私たちは、目の前にいる子どもたちをアセスメントするときに、何に注目をしてアセスメントをしているでしょうか? 今回、4 回シリーズで行うこの研修では、おもに年少児から小学校低学年児 4 歳~7 歳 の子どもを対象に、発達的な視点から解説をしていきます。

 まず1,2 回では、田中・ビネーV やWISC-Ⅳといった知能検査で、子どもの何が見えるのか? 検査中にどのような部分を観察するかをお伝えしていきます。3 回では、グットイナフ人物画の注目点から、子どもの描く描画の見どころにも話しを広げていきたいと思います。4 回では、検査を離れ実際の生活場面でどう評価するか、検査の視点を活かした行動観察とはどういったものか、解説します。そして、これらのアセスメントを元に、保護者や支援者に何をフィードバックし、どのような支援につなげていくか考えていきましょう。

全4回シリーズ 1回90分(単回での申し込み可) 後日見逃し配信あり

 ①田中・ビネーV 検査 2023 年 10 月28 日(土) 19:00 00~20:30

 ②WISC --Ⅳ検査 11 月23 日(木・祝) 10:00 00~11:30

 ③人物画(描画) 1 2 月 9 日(土) 19:00 00~20:30

 ④生活場面の観察 2024 年 1 月19 日(金) 19:00 00~20:30


対象
 実務経験おおよそ5 年以内の心理職、田中ビネーV とWISC の検査実施が可能、 もしくは検査内容を知っている方。守秘義務を守れる方。
 ※検査項目を解説する研修ではありません。検査項目を知っていることが前提です。

参加費
 単回申し込みは、一回ごとに2000 円ずつ(好きな回だけお申込みできます) 全4 回一括申し込みは、6000 円

講師:みこと心理臨床処 二階堂千絵(明治大学文学部兼任講師)

研修方法:オンライン Zoom を使用(後日、1 か月程度のアーカイブ配信あり)。カメラオフでご参加いただけます。録画・録音は一切禁止いたします。

研修のお申込み方法:下記URL もしくは、みこと心理臨床処HP の研修フォームからお申し込みください。

お申込みフォームのURL: https://forms.gle/mL4AY3fF3HwNifn49

本研修のチラシはコチラ。

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