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19年ぶりに会社の先輩に会った話

旦那が亡くなってから、喪中はがきを出して以来、翌年から年賀状が来なくなった人がほとんどだった。

年賀状を出すときに出来るだけ気をつけていたけれど、自分は結婚して子供もいる状態で独身の子に旦那と連名、子供の写真をプリントした年賀状は、何だか自分は【人生上手く行ってる自慢】しているみたいじゃない?私と仲良くしてくれている人達だから分かる。気を使って年賀状を出さなくなったんだ。
でも、きっとみんな元気にしてる。
そんな中で、引越して私の住所が変わっても、旦那が亡くなっても毎年毎年 年賀状をくれた先輩がいる。

この先輩、本当に明るくて、カラッとしていて、みんながこの先輩のことを好きだったんだよね。
惚れっぽい同期の男子も、この先輩のことが好きで、「みんなで遊びに行こう」って私も巻き込まれて遊びに行ったり。(2人で遊びに行きなさいよねぇ)
私の上司になった人で独身のハゲ(毒)も、「オレ、○○さん(先輩)が好きなんだよね」(だから何?自分でどうにかしなさいよ)と謎のカミングアウト。
「用事はないんだけどさ、○○さん(先輩)いる??」とわざわざ話をしにくるおじさんがあとを経たない。

100人ぐらいいる会社の役職のある3人の秘書と庶務みたいな係をしていた先輩は、話を聞くのが上手で3人のおじさんとすぐ仲良くなった。単身赴任で来ていた所長が、カレーを作ってきて、先輩にあげていたり、昼休みに所長達と一緒にランチに行ったり。私も一緒に連れて行ってもらったり。
所長達に仕事の話をしに行く会社のおじさん達は、先輩や私をとおしていくから、私達に色んな話をしてくれて、ゴルフ部やラーメン同好会なんかを作って休みの日までみんな仲良く過ごしていた。この先輩のコミュ力が無かったら会社を辞めてただろうっていうおじさんが沢山いる。私もその中の一人だ。
先輩のお父さんが亡くなった時に人事をしていた私は、同じく人事をしていた上司(既婚)と一緒に、会社代表でお葬式に行くように言われてお手伝いに行ったことがある。

ところで私の旦那が亡くなった時のことを誰かに話すと、
「私のおじいちゃんが亡くなった時はさー」
→いや、あんたの旦那は生きとるやろ
「私の旦那が病気になった時はさー」
→いや、だからあんたの旦那は生きとるやろ
「うちのわんこが亡くなった時はさー」
→いや、そもそも人間じゃないやろ

とひねくれ者の私はいちいちムカついてしまい、伝えることをあきらめてしまい、このnote以外で誰かに自分の気持ちをちゃんと話したことが無かった。
私の両親は幸い健在だが、配偶者が亡くなったわけではないし、上記のように話を最後まで聞いてくれずに身近な亡くなった人の話にすり替えられてしまうため何年もモヤモヤしたままだった。

旦那の写真に向かって、「うちらなんで身体が有る人と無い人になったんだ?私に亡くなった人とチャネリングするスキルを得るためとかか?
やりたいこと沢山あったし、行きたいところも沢山あったのに、読みたいマンガの続きも、観たい映画の続きも沢山あったのに、それを身体が有る私と身体が無い君とでどう共有するか研究するためか?
意味わかんないよ。」と毎日コーヒーを淹れる。

先輩は、会社の後輩と結婚して、退職してからの話を色々教えてくれ、
私も退職してから引越し先のことや旦那の話をした。
その時先輩は、初めて最後まで私の話を自分の身近な人の死とすり替えずに聞いてくれた人になった。
本当に本当に嬉しかった。
こういう人だから、みんなが先輩のことを大好きだったんだなって。

ちなみに先輩の旦那さんは単身赴任中だったつい最近、なんと私の旦那と同様の症状で病院に自力で駆け込んで今は大丈夫だそうだ。

私の旦那が亡くなったあとにスピリチュアルカウンセラーの方を通して伝えたかったこと、
我慢して自分の考えていることを言わないでいた事を後悔している。もっと、ブチ切れてでもいいから、自分の考えを話せば良かった。】と言った話を先輩にも伝えると、旦那さんにも自分にも当てはまることがあると納得していて、
「そうだよね。我慢して身体を壊してしまったらもったいないもんね。」
と言っていた。

先輩も私と同じようにお子さんが小学生になった頃から少しずつ推し活に勤しんでいるのだとか。
健康でいて、推しがライブするのならそこへ駆けつけられる体力をつけて、そのためのお金を節約貯金して、せっかくもらった人生の時間をやりたくないことに使わずに楽しいことをするために使うにはどうすればいいか??
それをかしこく考えて生きて
、またランチしようね!って言ってくれた。

うん、やっぱり良い先輩に会えたんだな、私。
幸せだなぁとホクホク家に帰りましたとさ、という話。

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