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サンドイッチマン風ネタ~新聞勧誘

「ぴんぽーん」

「なんだようるせえなあ」(伊達ちゃん)

「すみませーん。読み捨て新聞の者なんですけど」(富沢さん)

「読み捨て新聞?」

「はい」

「通称読んだらそれっきり新聞」

「新聞の売り込みか」

「読み捨てだったら価値ねえよな」

「ですから朝刊は読み捨てで、夕刊は切り抜きしてスクラップにしてください」

「スクラップじゃなくてスクラップブックにしてくださいだろ。スクラップにするなら捨てると同じことだろ」

「すいません。できればラップに包んでください」

「なまものかよ」

「記事は新鮮さが命ですから」

「そらそうだよな」

「記事は新鮮じゃないとダメだけど」

「というわけで今日はお客様に」

「お客?まだ客になってないよ」

「新鮮なホタテおもちいたしました」

「ホタテいきなりか」

「ふつうポテトと間違えてホタテとか言うんじゃねえのか」

「お客さん、そのネタもう古いですよ。
あっはははははー」(富沢爆笑)

「営業ではちょいちょいやってただろ、あれウケよかったじゃねえか」

「いつまでも過去の栄光を引きずっている者は、その過去の栄光で滅ぼされるんだ」

「なんで俺が説教されるんだよ。それで何?新聞とってほしいってこと?」

「やっと分かったのか」

「って最初から分かってるけどさ。なんでそんな上から目線になったんだよ
ちょーめんどくせ」

「上から目線と言うならば、それはお前が下から目線だからそう見えるのだ。下から上を眺める時も時には必要だ、おれはそういうことを言いたいんだ」

「だったら最初に言えよ」

「いいだろう」(富澤さん上から見る)

「それは上から目線っていわないだろ」

「じゃあ何だって言うんだ」

「上から見ている目線だ」

「いいだろう」

「あ、つま先立ちおろしたな。それでいいんだよ。契約するよ、いくら?」

「月額3,800円になっていますけど夕刊をおつけしますと4,600円になります」

「けっこう上がるんだな」

「でも、宅配サービスの場合はプラス1,000円になります」

「は。宅配サービスって、それ新聞配達の基本サービスなんじゃねえの。別料金払うのか」

「コロナ時代ですからねえ、こんな感じになってしまっているんですよ」

「コロナは大変だけどさ、どっちかというと、それってコロナと関係ねえんじゃないのか。
いいよいいよ、じゃあそれで契約するよ」

「合計でいくらなの」

「合計で52,000円になります」

「桁が違うだろ」

「いえ、お布団の代金がはいっておりますので」

「悪徳セールスマンかよお前は。布団はいらないよ」

「わかりました。では5,200円で」

「はいよ。じゃあ6,000円で」

「お釣り2,966円でございます。
リーズナブル! 産経新聞なみ! はっきりものをいう新聞です」

「俺のポストにあしたからどこの新聞が届くんだよ」

「日替わりで届きます」

「ア・ラ・カルトか」

「お客さん」

「ん、なんだ。
まあ金払ったしもう客だけどな」

「注意してくださいね」

「何をだ」

「こういう勧誘ですよ」

「人の心の隙間に食いいるんですよ」

「そういうのをなんて言いますか」

「わかったよ...あら、かると(゚0゚)」

「二度寝させてくれよ」(富澤さん)

「どっちがだよ」(伊達ちゃん)

「ありがとうございました」

遠くでオウムが真理(まり)ーと鳴いていた…。

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