見出し画像

気をつけて

去年の9月に母がバイクで事故に遭い、4ヶ月が過ぎた。
大きな事故で頭から足までのたくさんの骨折、内臓損症。
救急病院から回復期リハビリテーション病棟、そこから追い出されるようにある日突然の転院。
母を預かってくれる病院も施設も見つからず、今の精神科にまわされた。

今、母は別の世界を生きる子供のようだ。
脳挫傷の影響で怒りっぽい。
暴言暴力、服を脱ぐ。
日付がわからない。
年齢を聞いても違う。
左目はずっと開かない。
つかまれば、立てるけど足に筋肉がなく、歩けないから危ない。
車イスに足を縛っているのでこれを外して、といつも言っている。
それをとれば、立ってしまうから骨折の危険がある。
あと2ヶ月で今の病院を出るが、どこに行けばいいのか決まっていない。

入院した精神科の病室を見せてもらった。
鍵のかかった部屋に布団が一枚。
それ以外は何もない。
母はドアの前に座り、ドアをコンコン叩き、開けて〜と言った。
そしてゴロンと寝転がり、開けて〜とジェスチャーをした。
私は開けてあげられない。
ちょっと待っててね。
それしか言えなかった。
ツナギを着せられた母の今の姿を誰が想像しただろう。

私はずっと考えていた。
交通事故を減らすにはどうしたらいいのかを。

事故の前、最後に交わした会話は転職決まったよ。と母に電話した時だ。

あの辺、危ないから気をつけて行きな。と言われた。

なので私もその言葉をみんなに伝えたい。

あなたの大切な家族や友人、お客さん、知り合いみんなに言って欲しい。

気をつけて。

気をつけて、行ってらっしゃい。

気をつけて帰ってね。

気をつけて行ってきてね!

この言葉をお守りにして送り出して欲しい。
きっとあなたの大事な人を守るだろう。

#交通事故
#高機能障害
#気をつけて
#守る
#命

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?