見出し画像

牡蠣の天ぷらを食べ、島に着くなり猫のお迎えが来て、ひとり旅に目覚めた、香川二泊三日

Googleフォトを整理していたら、いつかの冬に、高松に旅をした時の写真が目に止まった。そういえば、この顛末をSNSに出していなかったと思い、書いてみようと思う。

まったく季節感は異なってしまうが、きりっと透きとおった冬の空を、夏真っ盛りの8月にお披露目するのも、これはこれで涼しげで良いでしょうか。みなさんはこのnoteをいつご覧になっていますか。

ぼくは、子どもの頃から、旅行が好きではなかった。慣れない街で気ばかり遣い、枕が変わって落ち着かず、知り合いもおらず寂しくなるばかりのものだと思っていました。

なので、大人になっても、旅に出るよりは、家にいたほうが落ち着くタイプだったのですが、

この時期は、どうしても遠くへ行ってみたいと思ったのだった。ふらりと気分転換をしたい、というよりは、もう少し切実な、ごく個人的な動機を抱え込んでいた頃でした。

そんなある日、どこに行くか決めずに、LCCのチケットをざっと眺めていたら高松の文字が目に止まった。ここに今、行くしかないと直感的に思い、家族の承諾を得て、2泊3日の旅程をさだめ、手際よくチケットを取った。

成田経由のLCCで、航空券がびっくりするほど安かった。検索して見つけたカプセルホテルをおさえ、何をするというのも決めずに旅立つことにした。

なんで高松なのかは自分でもよくわからなかったが、友だちに高松行きの話をしていたときに、思い当たった。

村上春樹の作品では「海辺のカフカ」という作品が、全作品の中で、いちばん好きなのだが、高松が舞台の一つとして出てきます。で、主人公がうどんを食べるところと、香川で図書館を訪れるシーンが印象に残っていて、初めて読んだ学生の頃から、いつか実際に訪れてみたいとうっすら思っていたのでした。

たぶん、このことと無関係ではないんだけど、これだけが理由というわけでもない。だけど、目的地が決まると、旅が始まる感じがして、わくわくしてきた。

・・ということで、このnoteは、数年前の、季節は冬の入口で、ふと思い立ち、とくに事件は起こらず、ひとりで高松に行って帰ってくるまでの話です。文章はほとんどなく、写真だけでまとめています。

けっきょく旅をしても、"もや"はこれといって晴れなかったけど、旅じたいはとっても楽しく、それ以来、ひとり旅を好むようになりました。

また行きたいです、高松。

ジェットスターの高松便はおそろしく安い。千葉県民で、成田と羽田の距離は同じくらいなので問題ない

🛩🛩


Day1 見知らぬ居酒屋、牡蠣の天ぷらで優勝

瓦町駅の車止め
フラトンキャビン。時期的に客がすくなく、ほぼ貸し切り状態
ドリンクを出してくれたオーナーと話していたら、noteに興味があるらしく、バーカウンターをはさんでのnoteコンサルが始まり盛り上がる
街の灯りの割に、人流はそこまで戻ってない頃
グルメサイトに頼らず、ふらっと見つけたここへ。小魚だいすき
芋のソーダ割り、びっくりのでかさ
お通しは、太刀魚の南蛮漬け。うまい
なにかの白身魚のおさしみ
「おすすめは?」「今日は牡蠣があります」「食べ方は?」「天ぷらがおすすめ」「え、牡蠣の天ぷらですか!?じゃあそれで!!」とてもうまかった
居酒屋のあと、まだ寝たくなくて、うどん屋へ
わかめがしっかりしたうどんが好きだ
金ちゃんラーメンがコンビニで売っててぶち上がる。愛知県民としてもソウルフードだぜ、徳島製粉さんよ
大型犬が寝ているような形だなあ、と思いながら毛布を写真におさめた

Day2 何もなく誰もいない豊島で猫がお出迎え

うどん県の朝は早い
住宅地にある有名店。店内に有名人のサインで埋まってる
ぶっかけ+おろし+えびてん。このあと一瞬で胃に
きょうは直島にいくんだ
これに乗るのね
乗った
ぐいぐいと瀬戸内の波をかきわけていく
何もねえ
島が遠くに見える
なんかある
存在感がすごい
かぼちゃだった
冬だがぽかぽか陽気で、ダウンの前を開けて歩くと気持ちいい
アートの島だが、アートを楽しむ催しはほとんどやってない時期に行ってしまった
度数が高い。買って、島のあいだを航行するフェリーに乗りながらのむ
船をのりかえて、
ぐいぐいと進んでいき
到着したのは豊かな島と書いて「豊島(てしま)」
豊島の港からすぐの、推され物産たち
誰かきた
めっちゃきた
にげない
よしよし
なでなで
「なんだよ、食い物ねえのかよ、使えねえな」
「ほんとに何もくれないの?」
「もういいよ、行きな。せいぜい元気でいろよ」
おそらく、島の生活を左右する大切なお店。チップスター買った
何らかの柑橘が実り放題に実っている
どっしりとした鳥居
お参りをさせていただいた
海を眺めながら歩いていくと・・
おや・・?
のどかな島の、ゆるさらしからぬ尖り倒したコンセプト
島じゅうを歩き回る
はじめの港に帰ってきた
そう、おれはTESHIMA にいる
いたるところにきれいな棚田がある
「え、おまえ、この島に来たのに、ぶらぶら歩いてただけ?まじ?」
まじだ。散歩したあと、フェリーが来るまで港ちかくの喫茶店へ
旅のあいだ中、海辺のカフカをずっと読んでた
産廃問題でずっと戦ってきた話を、店主のおばあちゃんが話してくださった
ずっと話し込んでたけど、他のお客さんは来ず
港に夜の帳が下りようとするころ、フェリーが到着する
高松に戻って、とにかくこれを食べるべきと10人くらいに言われた骨付鶏を食べる
一口目でもう、みんながおすすめした理由がわかった

Day3 こんぴらの階段を登り、降りるまで

最終日はこんぴらさんへ。ことでん、かわいい
ど平日だったので、生活の足につかう人たちに混じって旅する後ろめたさがよかった
どーん
修学旅行のとき以来のこんぴらさんにきた
足腰に不安があるので足湯でほっとしてから、登り始める
まるきんのグッズがたくさん売ってた
スタートの階段
おまんじゅうか何かをおすすめされそうになった
容赦ない急角度がつぎつぎと
老若男女がもくもくと登っていく
励ましにも何にもならなかった段数表示
ふと振り返るといい景色
ゴールっぽいけどぜんぜん途中だった
紅葉も終わりがけの頃でした
あとちょっと
ゴールの景色
と思いきやまだあった
本当のゴール
この眺めを見るために登ってきたんだ
さあ降りないと
降りるのたのしい
お昼に近づき、客が増えてきた
ツアーの方も多いみたい
歴史的に店をひらくことを許された人々
地上に戻った後にここのコロッケがめちゃうまだったけど、おなかがへってたのか写真がない
ということで旅はここまで。飛行機にのって帰ります

香川の2泊3日は、美味しいものにたくさん出会えたし、見慣れぬ風景も、ぜんぶよかった。この先がどうなるか予想できない土地をぐいぐい歩くのに興奮した。

とくに2日めの、豊島がよかったです。豊島に向かうフェリーで島のことを調べていたら産廃問題でハードな歴史があったことが分かったんだけど、着いてみたら、この上ない、のどかな風景を味わうばかりで。

会話をしようにも人がほとんどいない。まじで猫とちょっと喋ったくらいで、ぼんやり、ぼーっと過ごしていたら、最後に立ち寄ったお店で、おばあちゃんから、その社会問題の当事者としての生々しいお話をこってり聴くことができた。

あと、宿泊したカプセルホテルのオーナーとも、noteについてこんこんと話し込んだのも印象的でした。どこに行ってもnoteコンサルやれるやん、と思いました。ずっと晴天に恵まれた、見知らぬ人との雑談がたのしい旅でした。

読んでいただきありがとうございます。いただいたサポートはnoteコンテンツの購入にあてさせていただきます。