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086 | 中央の衰退と地方の可能性[テレビ]

福岡で商業デザインを本業としながら、Webマガジン『ミッケ!フクオカ』の編集長でもあるおしけんです。ほんと久しぶりのnote投稿86回目。今回はテレビに関する『中央の衰退と地方の可能性』です。

福岡には『ゴリパラ見聞録』という番組があるのをみなさんご存知でしょうか?2009年にとある番組の1コーナーから始まって、番組として独立し、今や全国でイベントツアーを行うまでになったTNC テレビ西日本の人気番組。ゴリけんさんとパラシュート部隊(斎藤優さん・矢野ぺぺさん)の3名による旅番組で、自分もこの番組をかれこれ10年以上視聴してる。
詳しくは番組HPや番組Youtubeで。


2023年1月9日からフジテレビにて、11:45~14:45の月-金の帯で『ぽかぽか』というお昼の情報バラエティ番組が始まる。この番組内で、1月16日から20日までの5日間、毎日ゴリパラ見聞録が放送されることに。地方局制作の面白い・注目の番組を取り上げて放送する試みのようです。

これ自体は番組ファンとしてはめちゃくちゃ喜ばしいことだし、これを機にもっと多くの方に番組を知ってもらって好きになって欲しい。それこそイベントは完売続き、リリースしたDVDやグッズも多く売れ、地方ローカルで制作した番組が全国で勝負できることを体現してる。番組自体が楽しくて見てるのもあるけど、『福岡(地方)でこれだけのコンテンツって作れるんだ!』という希望と可能性を感じる番組。いや、ほんとすごいんよ。

一方で『視聴者離れ』『テレビ離れ』と言われ、今やレガシー産業の代表格となったテレビ業界。今回のフジテレビの新番組ぽかぽかは、怪物番組の『笑っていいとも!』以降、何かと迷走している時間帯の印象。ゴリパラ見聞録が放送されることを知った時、嬉しかったの同時に『ここまできたか』と思ったのが正直な感想だ。改めて実感した2点。

 ・コンテンツ制作を地方に頼る限界
 ・制作費の大幅な削減

改めてフジに限らず、今のキー局の番組でよく見かける内容を思い返してみて欲しい。どんな番組が多い印象ですか?自分が思い浮かぶのは『Youtubeのおもしろ動画』『クイズ』『警察24時系』『街ぶら』あたり。
昔から一般人が出る番組は多かったけど、あくまでタレントが主役でという話だった。今はそれが完全に逆転してて、ある意味がっかりすることが多い。『Youtubeのおもしろ動画』なんてその代表格で、ぶっちゃけタレント不在でも成立するくらい、リソースを業界外に依存してる。
これはバラエティに限らず報道でもそう。〝視聴者提供映像〟がないと成立しない報道がめちゃくちゃ多い。こうなってくると、本当に『一般人の撮ったもので広告費を得ている』状態なんですよね。

この流れはますます加速するし、ITで出来ることは飛躍的に増えていく。制作コストが抑えられる地方ローカルでも、わざわざ中央を目指さなくても生み出せるコンテンツ・エンターテイメントで勝負出来る。

もちろん『中央じゃないと出来ないこと』は間違いなくあるし、それにも大きな価値はある。あとは、3年後・5年後・10年後という先に、どういう状況になっているかのそれぞれの目利きになると思う。

メディアにしてもコンテンツにしても、中央一極集中はどの業界でも限界を迎えてきてる。小さく生み出し大きく育てることは我慢と努力の連続ではあるけれど、これから大事な戦い方になってくる。『ゴリパラ見聞録』にはこれからも頑張って欲しいし、応援していく。地方から中央へ大きな槍をぶっ刺し続けて欲しい。

個人的にはずっと変わらないスタンスだけど、やっぱり色々な活動をしていく中では鶏口牛後でありたい。大きなステージの中でいるかいないかわからない存在より、小さなステージのど真ん中に。常にチャレンジ。