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電子猫とNBA(NFTのお話し)

皆さんは、スポーツ選手やキャラクターのコレクターズカードを集めたことがありますか?実は、コロナ禍の中コレクターズカードの売買が盛り上がっているようでして、今月マイケルジョーダンのカードがオークションで$738,000で落札されました。コレクターズカードは何十年も前に印刷されたものもあり、現在は既に生産されていないため希少であることが価値の裏付けとなっています。

ブロックチェーンが初期に話題になったころから、ブロックチェーン上で例えばデジタルアートの所有権をトークン化できれば、コピーを防ぎ、所有権の売買がスムーズに行える巨大な市場ができると言われてきました。実際、2017年から始まったNFT(Non-Fungible Token:日本語では代替不可能なトークン)の流れの中で、唯一無二の猫の画像をトレードしたり育成したりするCryptoKittiesなど試験的なプロジェクトがいくつか始まりました。余談ですが、CryptoKitties上のDragonという猫が、2018年9月に600イーサリアム(当時の価格で$170,000)で売れたりしています。下の画像がDragonですが、現在も600イーサリアムで買うことができますが、イーサリアムの価値がその後上がっているため現時点でのドル換算で$899,000となります。

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(CryptoKittiesのホームページより)

NFTの説明は、こちらのコインチェックの記事に詳しく書かれています。すごく簡単に言いますと、例えばビットコインのブロックチェーンのように、1ビットコインと1ビットコインは価値が同じであるため、交換(代替)が可能であるのに対して、NFTではアートとか不動産とかの資産をコイン化したものは一点ものであるため代替ができません。

CryptoKittiesは、NFT上で構築されていますが、暗号通貨ファンには受けそうですが、あくまでも実験的なプロジェクトでした。

そんな中、CryptoKittiesを開発したのと同じスタートアップDapper Labsが、NBA Top Shotをローンチしました!2020年の10月にローンチをされましたが今月に入ってから注目が集まり、これまで$100M以上のトレードが行われています。

NBA Top Shotでは、これまでのNBAの本物の試合の公式ハイライトクリップを買うことができます。各クリップは、デジタルであるものの決められた数のコピーしか販売されない為、従来のコレクターズカードと同じ特性を持っています。

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(NBA Top Shotホームページより)

ユーザは、定期的に販売されるパック(ランダムなクリップが複数入っている)を購入できます。そして、自分の持っているクリップを他のユーザへ売ることができるマーケットプレイスも用意されています。

NBA Top Shotが注目に値するのは:

① NBAのクリップという多くのファンが欲しがるコンテンツであること。

新しいパッケージは販売が始まると60秒で売り切れたとのことです。(StricktlyVC Podcast 48. VC David Pakman on the Sudden Rise on Cryptocollectibles)

② マーケットプレイスという二次流通の仕組みを備えていること。

例えば、Morant選手のダンクのクリップが$240,000で売られています

③ 権利者へ二次流通の収益も分配できること。

NBAや選手は、これまでは初期のコレクターズカードの販売に対してのみロイヤリティを受けることができましたが、Top Shot上では二次流通からも収益の分配を永遠に得られます。NBA Top Shotは二次流通の販売額の5%を手数料として課金しています。詳細は、明らかになっていませんがこの手数料をNBA選手ともシェアしている可能性があります。

④ 選手へがプロモートしてくれること。

選手は、二次流通からの収益が期待できるため、自分のクリップをプロモートするインセンティブが働きます。実際、Hot Shotは広告費を一切かけずに選手たちのソーシャルネットワーク上でのプロモーションによって集客しています。

⑤ 暗号通貨を意識させない作りになっており、ユーザはクレジットカードでカードを購入することができますこと。

実際、先程のStricktlyVCのポッドキャストによると、六割以上のユーザがこれまでに暗号通貨未経験者です。

⑥ イーサリアムではなく、Dapper Labsが開発したflowというブロックチェーンがベースになっていること。

flowは、イーサリアムよりもスケールしやすい上により安い価格でトランザクションを書き込むことができます。

⑦ NBA Hot Shotで買ったカードで遊べるファンタジースポーツSWYYSHもローンチしており集めたカードで遊べる楽しみも用意していること。

NBA Hot Shotは、NFTの本命アプリと言えると思います。試合のデジタルクリップというこれまでに無かった特徴的且つファンが欲しがるデジタル資産企画力と、ブロックチェーンの特徴を生かしたコピー防止と100%取引を補足できる仕組みによりIP保有者へ永遠に収益還元できる仕組みを提供しています。それにしても、NBAを巻き込めたのは凄いですね。

今後flowを使ったいろんなサービスが出てきそうですね。

ご興味のある方はポッドキャストでもどうぞ!


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