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開帳足とフォーマルシューズ

春日井市のHさんは長年外反母趾を抱えておられます。お仕事の時はスニーカー履きで問題はありませんが、冠婚葬祭用の靴を履くと必ず足が痛くなるそうです。「特にこれから増えそうなお悔みごとの時にラクに履ける礼装用の靴を探しています」と相談に来られました。

アーチの沈み込み

足のトラブルの一つに「開帳足(かいちょうそく)」があります。これは足のウラから身体を支えている「アーチ」と呼ばれるドーム状の屋根と大きな関係があります。「アーチ」は足の内外のタテ方向にそれぞれ一か所ずつ、そして母趾と小指を横断する直線上に一か所存在します。この三か所はバネのような役目をしており、体重がかかると床方向に沈み、負荷がかからない時は上方向に戻るようになっています。しかし、老化や肥満、関節部をつなぐ靭帯の弱まりなどが原因で元の位置に戻りにくくなることがあります。特に内側タテアーチ(いわゆる土踏まず)が沈み込むと「偏平足」状を呈してきます。また、母趾部につながる筋肉にも影響して外反母趾を誘発していることがあります。ヨコアーチの場合は5本の指を支える関節がゆるむため、足幅が左右方向に広がってきます。このヨコアーチのくずれた状態を「開帳足」と呼んでいます。さらにタテヨコ両アーチが同時にしずみこむことも多くみられます。外反母趾を誘発している場合だとさらに横に広がって見えます。自分の足は上からしか見下ろせないので「幅の広い大きな足」というイメージを抱きがちです。また「幅の広い靴でないと痛い」という心理が働きます。サイズを大きめ大きめで選べば横幅の問題が解決したように思いがちですが、足の要所要所がしっかり留まらないので、履いているうちに母趾や小指のつけ根が靴のカベに押されて痛みを感じるようになります。また、ヨコアーチが崩れているので足ウラの指のつけ根が中敷きの圧迫や摩擦を受けてタコやウオノメを誘発することもあります。

フォーマルシューズとの上手な対処法

一般に礼装用の靴はかかと部に数センチのヒールを取り付けてあります。スニーカーのような運動靴と比べると靴底も薄めの設計になっていますので、開帳足の方にとってはヨコアーチの負担はある程度心得ておく必要がありますネ。例えば足首近くをストラップ(ベルト)で固定するデザインを選べばヨコアーチへのストレスを軽減できます。また、レースシュー、特に甲全体を包み込んでくれる「ギリータイプ」の靴を選ぶと甲やタテアーチが安定します。最近は中敷きが着脱できるヒール靴も増えているようです。ヨコアーチを持ち上げる加工をすればさらに履き心地の点数が上がります。中敷きを加工したレースタイプの靴で歩かれたHさん、「これだと痛みを全く感じませんね。礼装用以外でも短時間のお出かけなどでも楽しめそうです」と嬉しそうに感想を述べておられました。外反母趾・開帳足には程度加減・個人差があります。Hさんが言われたように自分の足の状態に合わせて履く時間の経験値も把握したいですね。

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