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【書籍紹介】ハーバード流交渉術

以前他の記事でも紹介したことがありますが、最近読んだ本で非常に面白かったので紹介したいと思います。タイトルにもあるとおり「交渉術」の本なのですが、ここに書かれているポイントを頭に入れておくと、不必要に相手にイライラすることも減るので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

この本では大きく分けて4つのポイントが書かれています。これについて自身の経験も交えながら御紹介したいと思います。


①人

始めに出てくるポイントは「人と問題とを分離する」こと。先日の記事でOB会のメンバーから何かと攻撃を受けることを書きました。が、この問題を人と結びつけてしまうと、常に相手とは敵対的になってしまいます。

そこで例えば何らかの問題を指摘してくる相手に対し、私は時々「おっしゃるとおりですよね。ではそれを解決するために、どのようなアイデアをお持ちでしょうか。」と質問で返すのですが、これが「人と問題とを分離する」ことになっているなと気づきました。

攻撃的な相手でもまずは受け止め、その人をいちアドバイザーとしてとらえなおし、その人の考えを整理させることで、まずはその場を落ち着かせることを心がけています。

②利害

次に「立場ではなく利害に焦点を合わせる」ことが重要と書かれています。私なりの理解及び実践方法としては「共通の利害を見出す」ようにしています。

先日も職場のヒアリングで、これ以上人員は確保できないという話になったのですが、その際に「わかりました。では次年度に向けて予算を増額するとか、何らかの対策は打っているのでしょうか。それをしているのであれば、こちらも市民の方に『組織全体として取り組んでいる』と説明できるので、どのような対策をとっているのか情報をいただきたい。」と依頼しました。

企画部門は事業をさせる立場、窓口部門は事業を執行する立場、ということにこだわると「企画部門の案を受け入れるか否か」に終始してしまいますが、「対外的に堂々と説明できるか」という利害は共通しているので、予算や人員の交渉には効果的な(結果として変わらなくても相手を自分のフィールドに巻き込める)手法だと思います。

③選択肢

「行動について決定する前に多くの可能性を考え出せ」とあります。要は「他の方法はないか」と常に自問する姿勢が大切ということですね。

これは仕事ではなくOB会での活動に関して当てはまることがありました。活動資金が相当少なくなっている状況にあり、「どうやって会費を集めるか」を考えた際にECサイトを使って集金する方法に気づきました。今までは出席者から任意に寄付をいただくスタイルだったのですが、これにより出席者は寄付を迫られなくなり、反対に出席できない方からも低額で寄付をいただけるようになりました。

こういったアイデアは単独で思いつくことはまれなので、個人的にはキングコング西野さんのVoicyをいつも参考にさせていただいています。

④基準

「結果はあくまでも客観的基準によるべきことを強調せよ」とあります。これは言うまでもなく公務員がよく口にする「法律(または条例)で決まっておりますので」というフレーズにも通じるものがありますね。ただここで終わるのではなく、「なぜそのような法律になっているのか」まで説明できるようになれるといいなと思っています。

以前保育所に入れなかった方から「自分は求職中でお金に困っているのに、なんでお金に困っていない人のほうが優先されるのか。」という質問を受けたことがありました。実際のところ保育所入所選考の際は育休からの復帰の方のほうが休職中の方よりも保育要件が高いと判断します。

その際にどう回答するか。「基準がそうなっているから」という回答だとなかなか納得いただけないのですが、ある日「おっしゃることはわかりますが、求職中の家庭の子を入所させたいので、現在就労中の方に仕事をやめてくださいとは言えないですよね」と伝えるようにしたら効果的だと気づきました。今ではこのフレーズをよく使っています。

最後に

この本の面白いところは、最後に実践編が載っているところです。そこを読むだけでも「なるほどね~」と思わされる部分が多いです。

  • 相手が自分よりも強かったら?

  • 相手が強硬に主張してきたら?

  • 相手が汚い手口を使ってきたら?

「これは使える」という部分をぜひ手帳に書き込む等して、この記事を読まれた方には交渉上手になってもらえると嬉しいです。

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