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公務員の世界における目標管理あるあると、ジブン株式会社的視点からの処方箋

公務員の世界もノルマというわけではありませんが、一定の目標達成に向けて業務に取り組もうという考えが浸透しています。公務の世界は性質上目標管理になじまない分野もありますが(犯罪の取締件数が多ければいいというものでもない、みたいな)、大半は事務仕事なので職員それぞれが目標を設定し、年度末までの取組を進めていくことになります。

今回は公務員の世界における目標管理のあるあると、それに対してジブン株式会社的視点からどうやってそれらを打破していこうかと考えた内容を書いてみました。


目標管理あるある

あるあるその①:組織目標が若干ポエム

別に自分が所属する組織をディスるわけではありませんが、「税収○%増!」みたいな目標をなかなか立てられるわけでもなく、そのへんは総花的な、ちょっとふわっとしたポエムっぽいものになってしまうのは否めません。

「誰もが幸せに暮らせる社会の実現」とか「活力ある社会にするための施策の推進」みたいな表現が最上位目標に据えられることは多く、それだけを見ると若干ポエムだな、と思われても仕方ないのかもしれません。

とはいえそれを受けて組織の一員として働いている我々としては、もう少し具体的に日々の業務に落とし込む必要があるのが悩みどころ。ただ、福祉の世界などでは「障がい者手帳の交付数を増やす!」みたいな目標は目標といえないので、行きつくところは業務効率化になりやすい世界です。

あるあるその②:目標を「~のマニュアル作成」にしがち

そして業務効率化を成し遂げるにあたり、「業務に要する時間を○%削減する」というような目標が設定できればいいのですが、普段の業務を数値化して把握していることは多くないため、どうしても定性的な表現になりがちです。

とはいえ「○○業務の効率化を図る」だけだと具体性に乏しいという指導を受けるため、この話の落としどころとしてはマニュアル作成やマニュアル改善という形になりがちだなあと感じています。実際に私も数年前、マニュアル作成という目標を設定したことがありましたが、はっきりいってその年の人事評価はそれまでで最悪でした。職場との相性が悪かったこともありますが、惰性で作った目標は見透かされてしまいますね。

あるあるその③:マイナスをゼロにする思考になりがち

マニュアル作成や改善も悪くはないのですが、これってミスをなくすことにベクトルが向いていて、今ある仕事をどうやってより良くするか、より良いサービス提供の手法はないか、といったポジティブな課題解決策ではないので、やってて面白くないと思います。

人間誰だってミスをします。ミスをするから人間。なのにそれを無くすような目標って人間でなくなるというか、より高い価値を生み出すという仕事の本義からは外れているような感じがしています。どうせ1年かけて取り組む仕事なら、日々楽しくコミットしていけるものであって欲しいなと思っています。

そこで次の項目からはジブン株式会社的視点を取り入れた私が、今年度の目標についてこういう方向で考えていますという事を述べていきたいと思います。

ジブン株式会社的視点からの処方箋

処方箋①:時代を見据えた打ち手にする

これからは供給制約社会、人手不足が慢性化していく社会になることは目に見えていますが、そのことに気づいていない職員はまだまだ多いなと感じています。ここで時代の先を見据え、人手がさらに減っていくなかでも業務が回るよう、今のうちから手を打っていかなければなりません。

そこでチーム会議を開き、今年度の目標のひとつとして、保育所入所にかかる申込手続きのオンライン化にチャレンジしようという目標を立てました。すでに他の自治体では実施しているところもあるので、特に目新しいとは言えないのですが、私が所属している組織内ではまだ誰も実施していない取組なので、これが実現すればイノベーションだと言っていいと思います。

と同時にいきなりやって大失敗してもいけないので、今年度の目標としては、選考にかからなくても問題のない方にしぼって実施していくつもりです。解像度を上げて言うなら、育休延長希望の方の申込をオンライン化し、窓口での対応時間を削減しようという目標にしました。全体の申込数のうちの10%は確実に存在するものなので、具体的な数値でも表すことのできる目標を立てることができそうです。

処方箋②:新たな文化を作る

これまでは自分の業務のみにとじた形でオンラインを活用した業務改善に取り組んできましたが、チーム会議の中で、この範囲を拡大して課の半分くらいでオンライン化の恩恵を受けられるような形に持っていきたいという話もしました。

具体的に言うと、一部の業務について予約専用窓口化するということ。いきなり全てうまくいくとは思えませんが、窓口の性質が違うなとなんとなくわかるように、レイアウトの改善にも取り組みたいと思っています。レイアウトの改善なんかも実は目標管理あるあるなのですが、単にレイアウトを変えるだけでなく、その背景に文化という視点を盛り込んでいるところがこれまでと違うところです。

処方箋③:得意分野で勝負する

目標管理というと「ミスを減らす」という形でアプローチすることもあるかと思います。マニュアルの作成や改善なんかはその例かと。

でもこれって取り組んでいて楽しいのでしょうか。自分の出来ないところにずっと目を向け続け、人間だからちょっとくらいミスをするのは当然で、そのたびに「自分はまだまだだ」と必要以上に悲観するような毎日だと絶対楽しくないですよね。

そこで部下に「解決したい課題に対して自分の得意な分野でアプローチしていこう」と話し、「あなたの得意分野はなんですか?」と尋ねてみました。こんなこと言われると全く想像していなかったのか、私と面談した部下は固まってしまいましたねw。驚かせてすみません。それくらい公務員って自分の得意分野を意識することはまれなんです。

ヒューマンエラーは存在しない。あるのはシステムエラーだけ。

西野亮廣さん

最後に

最後に今年度の目標をもう一度書いておきます。

  • 保育所入所申込を始め、複数の業務でオンライン申請を導入する

  • レイアウトを改善し、予約専用窓口を作る

いい形で年度末を迎えられるよう、チームで楽しく取り組んでいこうと思います。

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