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【VC卒業します】DCMで働くって、実際どうだった?!

私ごとですが、今月をもって4年半勤めたDCM Venturesを卒業することになりました!(卒業経緯は一番最後のエピローグにて。。。)
振り返ると、DCMって本当に唯一無二のとっても素敵なVCだったなぁと感じています。

私がDCMに入った2019年当時は、正直日本のVCに関してもDCMに関しても、そこまで詳細な情報が転がっていませんでした。
そこで今回の卒業を機に、”DCMに対する感想”的なものを残してみようと思い、最後の(そして2年ぶりの爆)noteを書いてみました!

謎多き(?)DCMチームの普段の様子が少しは鮮やかに伝わり、"DCMの良さ"が多くの人に伝わったら嬉しいです。


DCM JAPAN、実際どんな人たち?

少ない人数、少なめの露出でやってきたチームだからか、VC業界に入ってから、DCMって実際どんな感じなの?とよく聞かれました。笑
メンバーの投資哲学等に関する、ハードコアな記事やメディア露出は充分供給されていると思いますので、ここでは、チーム目線での人柄やエピソードを紹介してみたいと思います。
いかにハートフルで魅力的なチームか、ということが伝われば幸いです。

DCM日本チームのメンバー
(左からMats san, Keiko san, 私, Osuke san, Ken san)

ちなみにサムネの写真は、日本チームメンバーと、何故か中国の砂漠に行って"JAPAN"の人文字をしたものです。Keiko sanのPが反対🤫笑

Osuke san (GP)

まずは、我らがボス、GPの本多央輔から。
※ 投資哲学等に関しては抜粋記事をご参照:

① 大の愛犬家、モフモフわんちゃん2匹と生活

Osuke sanは、大の愛犬家です。めっちゃ犬を愛しています。見た目もいかつく、柔術も最強で、声も渋く、発言も鋭いので、「怖そう」というイメージが強いと思いますが、モッフモフのワンちゃん2匹と生活しています。朝4時とかに起床して、2時間くらい散歩させてあげている、とっても優しいdog loverなのです。

たまにOsuke sanがzoom中にミュートになるのは、怒っているのではなくて、だいたいワンちゃんが鳴いているからです(多分)。Osuke sanの腕のあたりが動いていたら、おそらくOsuke sanが会議続きでカマチョになっているワンちゃんに、何かを投げてかまってあげているのだと思われます。
一回だけ、zoom中に突然Osuke sanの膝の上を一瞬モフモフが横切った時もありましたが、いかつい飼い主と可愛すぎるモフモフのギャップが、なんとも愛くるしい光景でした。

Osuke sanは犬が好きすぎて、たまにフィードバックも犬の例えでしてくれます。こちらに、印象的だった話を紹介します。

投資は、目で見えることだけでなく、五感を研ぎ澄ませて判断するのが大事。偏った器官やインプットに頼ってはいけない。犬のように、"今ここ"に集中して、全方位的にオープンマインドでいることが大事。
子供の頃飼ってた犬のBellを、48km離れた家に車で預けたことがあった。預けた日の夜、Bellは脱走して、2日かけて一人で家まで帰ってきてしまった。Bellが一人で48km帰ってこれたのは、全神経を研ぎ澄ませ、"今ここ"に集中した結果。🐶

by ボス

グリット(やり抜く力)がない人を判断するのは簡単だが、本当にあるかを見極めるのは難しい。犬には人の肩書きとか見えないが、犬はちゃんと人を判断してる。人のグリットを見抜くには、肩書きとかを無視して、犬のようにバイアスなく、誰に対しても同じように見極めることが大事。🐶

by ボス

② 愛情深く、見捨てない

あまり表に出てこないですが、下でKen sanが言っているように、Osuke sanは圧倒的なリターンを出している最強の投資家なので、さぞかしドライで血も涙もない人なのだろうと、入社前は思っていました。

しかし4年半をDCMで過ごす中で、いかにOsuke sanが一度コミットした人に対して義理深く、愛情を持って、良い時だけでなく大変な時にこそしっかり関わる人かということが、よくわかりました。ある時、1on1でOsuke sanがこんなことを言っていました。

成功イメージなら、誰にでも持てる。投資を決めるときは、成功した時のことではなく、「この人だったら、失敗してもいいか?」と自分に問う。この人を信じて、賭けて、失敗した時に、この人だったら仕方ない、責任取って血を流そうと思えるか。これなら失敗できるというシナリオがないなら、投資しない方がいい

by ボス

何回か、Osuke sanの投資先たちがハードシングスにぶち当たっている所を見ましたが、Osuke sanは大変な時も決して見放さず、日米を行き来する超多忙生活の中でもしっかりコミュニケーションをとって、何かしらの光の糸口を見出しているのを見て、Osuke sanが言っていたことや、Osuke san/DCMとしての投資ペースの意味(投資件数が多すぎたら、必然的にこういうことはできなくなってくるはず)がわかった気がしました。

③ めちゃくちゃ質素

こんなに成果を出している投資家であり、ファンドなので、さぞかしラグジュアリーなチームだろうと思っていましたが、実際は質実剛健そのものでした。前職のタクシー生活(汗)に慣れていた私は、DCMに来て、質実剛健さに影響され、財布の紐がめちゃくちゃ固くなったと思います。

Osuke sanの服は、いつもだいたい同じです(褒めています)。しかも、だいたい投資先かDCMのTシャツ/パーカーです。ヘアカットにも多分ほとんどお金かけてないです。コロナの時は、自分で丸刈りにしていました。。
オフィスの引越しの時は、何年も使っているテーブルや椅子、スクリーンなど、新オフィスにそのまま持って行きました。勿体無いからです。
経費も非常にしっかりしてると思います。ランチやディナー/会食を経費で落とすべきかについても、投資や投資先の価値向上に本当につながる場か?という本質に立ち返ったROIを考えさせられます。
本当にお金を増やす(=投資の仕事)人は、お金を無駄に遣わないんだな。ということをしみじみ感じた4年半でもありました。

Osuke sanの愛犬の子犬時代(もう1犬いらっしゃる)
オフィスのデスクに張ってあるOsuke sanの愛犬
(隣に写り込む写真にはOsuke sanの愛犬を抱くKen san)
毎月のBoard mtgでの議論に深い愛が感じられた
Osuke sanとMagic Moment代表の村尾さん

Ken san (Partner)

次は、Partnerの原健一郎
※ 投資哲学等に関しては抜粋記事をご参照:

① とにかく多趣味、何事にもただならぬ探究心

野球、音楽、サウナ、ランニング、お酒、グルメ、アウトドア、サーフィンまで。Ken sanはとにかく多趣味です。しかも、1つ1つについてめちゃくちゃ詳しくて、極めています。例えば、地元の話などで誰かがどんなマイナーな地域の話をしても、まるで地元民かのようにその地域の良いサウナや、美味しいカレー屋などを知っています。

このただならぬ探究心は、Ken sanの"野球マニア"すぎる一面に特によく現れています。日本で生活していれば、野球好きの人は周りに必ず数人はいると思いますが、Ken sanはレベチです。まじでレベチ。
プロ野球選手についてはもちろん、大学・高校野球についてはもちろん、中学生とかまで知っています。野球太郎(?)とかいう、中学や高校野球の野球専門誌までいつも読み漁って、有望な選手がプロになった際にはその人の中学時代から知り尽くしている、といった徹底ぶりです。

多分これ

自分が興味のある分野に対する、あくなき興味と探究心が、何歳になっても本当に少年みたいな人だなぁと思います。

② 1on1のフォーマットは"散歩"がお気に入り、ついでにオタ活

シリコンバレー流なのかもしれませんが、Ken sanは、チームメンバーや投資先の起業家との1on1のフォーマットとして「散歩」を好みます。外苑前の南青山3丁目交差点にオフィスがあるのですが、大体そこから神宮野球場(あれれ・・・?)の方へ向かって、ぐるーっと国立競技場の周りを回って、帰ってくるルートが多いようです。

そしてご察しの通り、散歩中、神宮野球場の駐車場の辺りを抜けていくのですが、1on1トークをしながら、駐車場に駐まっている車を指差して、これは誰の車なんだとか教えてくれます。Ken sanは、韓国界隈でいういわゆる"サセン"なのか・・・?という疑念を抱きつつ、領域は違えど同じオタクとしてKen sanに妙な親近感を持つ瞬間です。

でも真面目な話、Ken sanは、脳みその使い方に応じて、どういうフォーマットが自分にとって一番パフォーマンスが上がるかをしっかり考えて、追求していると感じます。毎日欠かさないランニングも、インプットの時間にしていたり、おそらくこの外を並んで歩く「散歩」フォーマットも、正直でアイディアの出てきやすい対話をするのに最適なフォーマットとして、たどり着いたのだと思います。多分。

③ 思考はキレキレ、ご飯は結構迷う

Ken sanのPodcastなどを聴いていると、さぞかしキレキレの思考で、何にでもスパッと自分の考えを持っていて、判断に迷ったりグルグル悩んだりなんてしないんだろう、というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

そんなKen sanが、めっちゃ優柔不断になる場面があります。ランチを何にするか決める時です。食に対するこだわり故と思いますが、よくお昼時に、何をデリバリーするか、どの店に行くか、悩み続けているKen sanを見かけます。「やっぱあれかなー。あれにしよ!」(3秒後)「いや、やっぱこっちかなーー。こっちにしよ!」(3秒後)「いや、迷うなー。Miki sanどれがいい?」などという、普段のKen sanからは信じられない優柔不断トークが繰り広げられることもしばしば。

そんなKen sanの食へのこだわりも、1つ1つの意思決定にベストを尽くしたいという追求心から来るのだと思います。私は常に思考停止状態で毎度下のカフェでパンを買ってきてしまうので、見習いたい所の一つです。

DCM Japan行きつけのちゃんこ鍋屋(閉店済🥲)にて
楽しそうなken sanとosuke san
ロウソクの数と見た目が一致していない
ken sanの誕生日サプライズ@DCMオフィス🎂
USでPickle ballにハマりすぎたKen san
社内会議中に練習場所を探していた所をUSメンバーが激写w

Keiko san (Analyst)

そしてアナリストの三輪恵子
Keiko sanは外銀>VCと経験して起業を志し、最初はDCMのシードプログラムAtlasに応募してきてくれたのですが、プロダクトについて学んだり、もっとアイディアをブラッシュアップする必要があるということで、なんと起業を目指しつつ、まずはDCMのメンバーとしてチームに入ってくれました。

① 体力お化けでメンタルお化け👻

Keiko sanを一言で表せと言われたら「体力お化けでメンタルお化け」に尽きます。可愛らしく華奢な見た目からは想像がつかないですが、信じられないほど体力があり、根性があります。3歳から大学生までアルペンスキーひと筋、強化指定選手にも選ばれて活躍していたKeiko sanですが、ザ・体育会系出身のスポ根魂で、死ぬほど働きます。全く疲れを見せず、モチベーションも常に高く、完全なる自律駆動型人間です。

とにかく真面目で誠実なKeiko san。平日めちゃくちゃ働いて、オフィスにもいつも一番遅くまで残っているKeiko sanですが、サラリーマン的に言われたことをやる社畜というのでもなくて、ちゃんとピュアな興味と関心から、期待されてること以上の範囲で自ら色々調べたり情報収集したり。。。社会人の鏡ですが、さすがに週末は寝溜めするのが定番でしょう。

驚くなかれ、平日働きまくりのKeiko san、週末は1日16kmのバックカントリーをやってます。3連休明けに、「週末はゆっくり休めた?」とスモールトークを投げかけたら、「バックカントリーで40km歩きました」と爽やかな笑顔で言われた時の衝撃たるや。

② JもKもいけるオタク。CD150枚積んでました

そんなKeiko san、仕事とスポーツにしか目がないかと思いきや、大間違い。ちゃんとオタ活もしてます。しかも結構ガチのやつです

Keiko sanが来てくれるまで、DCM内に、私の韓国トークに付き合ってくれる人が皆無だったのですが、基本的な共通言語が普通に通じるKeiko sanが入ってきてくれてどんなに救われたことか。。。

Keiko sanは元はと言えばJ界隈で、しかもデビュー前のグループを全国各地追いかけて、「けいこスキって言って」とかいうお手製の団扇を掲げてファンサをもらっては悶え死んでいる、<ちゃんとしたオタク>です。一体どこにその時間と体力の余地があるんだろう・・・と隣で見ていて本当に不思議です。先日やっと推しグループがデビューを果たしたそうで、初めてのハイタッチ会のために、CD3桁枚をちゃんと積んでいました。<ちゃんとしたオタク>です。(オタクは"にわか"に厳しい)

③  スピード狂ドライバー

そしてこれまた見た目とのギャップが激しいのですが、Keiko sanは遠くの山やスキー場まで、大きな車をガンガンスピード出してぶっ飛ばす(もちろん規制範囲内で)、スピード狂ドライバーらしいです。

よく、大勢でバックカントリーなどに行っている様子を聞いているのですが、話を聞いているとKeiko sanが一番年下で、昨今ジェンダー関係ないとはいえ1人女性で、まさかKeiko sanが行き帰りの運転席に座っているイメージは全く持っていなかったのですが(偏見で反省)、率先して運転しているらしい。カッコ良すぎる。。。私は免許さえ持っておらず、ジェットコースターにも乗れないので、Keiko sanは永遠の憧れです。

スポーツ万能、スキー選手のKeiko san
社内Pickle Ballでも大活躍
San Franciscoで🦀を前に嬉しそうなKeiko san
NYでkeiko sanと一緒にみたwicked

Mats san (Venture partner)

最後に、投資チームではないですが、専門性を活かして投資先や投資チームのDDに貢献するVenture Partnerのケン・ワカマツ。通称Mats san。
上記リンクのプロフィールが英語版しかないので、簡単に下記日本語プロフィールもご参照。

カリフォルニア州オレンジカウンティ⽣まれ、カリフォルニア⼤学バークレー校出⾝。エンジニアとしてMacromediaに⼊社。その後、Kodak、Adobe、Ciscoを経てSalesforceに⼊社。2016年、Salesforce Japanに出向し、プロダクトマネジャーの責任者として、プロダクトマネジメントチームを⽴ち上げる。 2020年、AI交通費精算サービスを提供する株式会社metrolyに参画。2021年、一般社団法人日本CPO協会を設立。2022年、DCMに入社。

FastGrow

① Osuke sanの少年時代を知っている貴重な存在

Mats sanは、実はOsuke sanのアメリカ高校時代、日本語補習校の同級生でした。つまり2人は、子供の時から友達。Mats sanが入社された時、Osuke sanの少年時代を知っている人がチームにいるという感覚が、ものすごく新鮮でした。

あのOsuke sanに、普通に「おーすけ!」と呼びかけられる存在は、この仕事をしているとなかなか見かけないので、とても貴重な光景です。30年以上前のアメリカで、アジア人として少年期を共にsurviveしている2人なので、強烈で面白いエピソードもたくさんあり、そんな昔話を聞けるのもMats sanがジョインしてからなので、とてもありがたいです。笑

② ちょっとだけ、日本語をイジられがち

Mats sanは生まれも育ちも国籍もアメリカの日系アメリカ人なので、カタカナで「ケン・ワカマツ」というのが本名。すでにKen sanがチームにいたので、「マツ」をとってMats sanと呼んでます。

そんなMats san、日本語は普通に流暢なのですが、もちろん英語の方が母国語なので、見た目も発音も完全に日本人が故に、ちょいちょい日本語をいじられがちです。笑  ものすごい経歴の持ち主なのに、そんな親しみやすさがあるところが、Mats sanの最大の魅力ポイントです。

③ マインドがめちゃくちゃ若い

何よりMats sanがすごいなあと思うのは、親しみやすさにも関連しますが、マインドやアンテナがめちゃくちゃ若いなと思います。まだ小学生以下の2人の娘さんがいらっしゃるのもあるかもしれませんが、最新のトレンド情報を色々知っています。

一度、韓国のかなり若いチームの投資先にプロダクトワークショップをしに行ったことがあるのですが、打ち上げの飲み会で、2000年代生まれのメンバーたちにとても自然に溶け込んで、普通にファッションとかカルチャーの会話を楽しんでいて、私もこんな大人になりたい!と強く思ったことがありました。

2人は高校時代(@US)からの仲✨ 
韓国投資先の2000年代(!)生まれのメンバー達にも
普通に溶け込めるMats san
シードプログラムAtlasの採択メンバーたちに
囲まれているMats san

想像以上にグローバルでワンチーム

1996年にシリコンバレーで設立したDCMは、米・日・中の3カ国にチームがあり、投資メンバーは総勢で15名+GP4名います。この3カ国は、1つのUSドルファンドから投資しており、地域ごとにファンドを分けていません。そのため、同じグローバル機関投資家のLPのお金から、同じ投資基準で投資をしており、毎週の投資委員会も3カ国一緒に行い、どの地域の案件についても3カ国全投資メンバーで議論します。

DCMに来て驚いたのが、他国チームと話すのは毎週の投資委員会だけでなく、本当に日常的にチャットでコミュニケーションを取っていることです。
例えば投資先企業で新規プロダクトの議論をしていたり、新しい起業家にあったときに、各国に類似の先行事例がないか、投資メンバーとのグループチャットに息を吸うようにメッセージを投げます。「Has anyone looked at this space?」
そうすると、数人から即座に返事が返ってきます。最近会った会社のピッチデックや、そのテーマで深掘りした際のインサイトなど、バンバン共有してくれます。めちゃくちゃサポーティブで、何を投げても答えが来る、本当によく調べよく知っているチームだなと、入った当初は驚きました。

そして、これほど3カ国が距離感近く、会話を交わせるのは、年に4-5回(数日/回)オフラインでも会って顔を合わせているからだなと思います。下手すると、日本にいる友人より、米中の投資メンバーとの方が頻繁に顔を合わせている気がします。
オフサイトでは、どこかの国に投資メンバー全員が集まって、数日間ホテルに缶詰になります。1日中かけて、何十社とある各国の投資先の近況や、各国での投資テーマ仮説について、みっちり議論し合います。
もちろん、たまにはホテルから出て、半日ほどその国/地域の観光スポットやアクティビティを楽しんだり、現地の投資先企業やスタートアップをみんなで訪問して、インプットを増やしたりもします。

DCMの共同創設者兼GPであるDavid Chao(通称OD)は、中華系のバックグラウンドを持つ大阪生まれ日本国籍の人で、高校からアメリカで教育を受け、新卒リクルート>Apple Japanの立上げ>Mckinsey>日本通信の共同設立という、日米中のルーツを持つ人です。こんなバックグラウンドを持つOD(社内に若いDavidとシニアなDavidがいるので、YD-young david、OD-old davidと呼ばれています…)にとっては、3カ国とも母国のような身近さで、そのルーツがDCMのグローバルワンチームなDNAにもしっかり反映されている気がします。

投資先の上場を祝って、グローバルチーム全員でtoast🥂
3カ国のメンバーでワイナリー見学
3カ国のメンバーでStanford(…写真が苦手笑)
USから来たCOOのMattと共に日本の焼き鳥屋で
とあるジャニーズグループの決めポーズ(?)

"本質"に忠実、シンプルかつ愚直

投資家の本質は、リターンを出すこと。VCの場合は、預かっているLPの資産をしっかり増やして返すこと。(ちなみにDCMは米ドルファンドで、、リターンをストイックに求めるグローバルの機関投資家が主なLPです)

DCMのカルチャーは、この本質に忠実で、 シンプルかつ愚直だなと強く感じます。投資判断の際も、株主として投資先とコミュニケーションする際も、とにかく愚直に"billon dollar question"を投げかけ続ける人たちだなと思います。

それを体現しているものの1つが、毎週火曜日のグローバル投資委員会
毎回これでもかというほど丁寧に議論します。まず、会社の経営陣が直接プレゼンをして、その場で投資メンバー(特に現地のDDに参加していない他国メンバー)からガンガン質問やコメントが来るのですが、これに1-2時間かけます。そして、経営陣が退室した後、さらに社内で1-2時間かけて議論した上で、投資の意思決定に至ります。
つまり、1社につき早くて2時間、時には3-4時間かかることもあるのです。しかもすごいのが、新規投資だけでなく、既存投資先への追加投資の際も、毎回、全く同じ要領でこのプロセスを踏みます

もちろん投資の意思決定をすることが目的の議論ですが、それだけでなく、他国メンバーのフレッシュな目も入れて、株主として、この企業が"billion dollar company"になるには何が必要か?という観点で、この場で論点を出し切るようにしています。
基本的にDCMはシード/アーリーから継続投資していくこともあり、投資委員会での議論が、その企業のより長期的な方針や、次のラウンドに向けての論点への重要なインプットの場にもなっているなと感じます。社内議論の後には、経営陣にもフィードバックを伝えるようにしています。

しかも、これらの質疑や議論では、3カ国チームのアナリストからGPまで、20名弱のほぼ全員が普通にカットインしてガンガン発言します。日本人若手文化的には正直難易度高しで慣れるまで苦労しますが、めちゃくちゃ良いカルチャーだなと思います。

このように、決して惰性を許さず、愚直に本質を追求するDCMチームですが、本質以外のことに惑わされない「ブレなさ」も好きでした。
例えば、他社の動きなども踏まえて「DCMもこんな取組をした方がいいか?」といった議論も出たりしますが、決まってよく出てくるのは「それをしたからと言って、良い投資ができるわけではない」「それをすることで、投資先の価値向上につながらない」といったコメント。あと、社内政治とかもないので、本当に大事なことに集中できる環境だったなと感じます。

この章に関して特に関連写真はないのですが、DCMでの4年半で、ボスが何度も繰り返し言っていたことは、まさに原理原則を重んじて愚直に投資を行うDCMを表していたと思うので、quoteでいくつか紹介したいと思います。

基本が大事。常に基本をリビジットすること
- 成果が出てる投資家は、みんなシンプル。本質はシンプル
- 意味がある反復練習...日頃からやってないと習慣つかない。基本練習、マッスルメモリー(四股を踏む)
- サンプル数を増やしてパターン練習をする

by ボス

原理原則、投資仮説
-  来たものありきではなく、投資仮説(テーマ)から掘り起こす。disciplineをもってると、何をノーと言うかがはっきりしてくる
- 大事なのは、コアとなる基本(原理原則)をおさえて、その上で自分のスタイルを作ること
- 常に自分の頭で考えて、捻り出していく。トップダウンで、マクロを理解した上で、仮説に落とし込んでいく
- マクロサイクルは読んでも、空気は読まない。声が大きい人や、目立つ人が言っていることを、鵜呑みにしすぎない。インプットは大事だが、自分が信じるべきものを見極めていく

by ボス

忍耐が大事。時間をかけて、自分なりにfigure outしていく
- 結果や成果が見えないからって一喜一憂しない。uncomfortableな状況 でcomfortableでいられるかどうか
- 原理原則が、本当に何を意味してるかは、焦らずに模索していい
- Long termでは、正解が正解じゃなくなる可能性。ミッションはリターンを出すだが、そこに行きつく道は明確じゃない
- もがく楽しみ、拙速にならない。基本的なことを何度も繰り返す。基礎工事が一番大切。近道はない

by ボス

投資家の質が、会社の質に影響する
- 考えずに済んでいる投資家が増えるほど、会社の質も下がる
- 焦って投資しない。lazyにキリをつけず、納得できるまで諦めずにしっかり詰める、というのが大事。細かい事象が本質を表したりするので、細部まで詰める
- 起業家とのミーティングは、どうやったらこの会社が良くなるか?どうしたらbillion dollar companyになるか?を見据えた議論をする。小さくまとまらないってことを、常に言い続ける
- 知識とか情報を提供するというのは即効性はあるが、起業家の目線を上げることが最も重要な役割。俯瞰的、複合的、違うアングル

by ボス

VCのバリューはコックピット
- VCは、投資先の採用やリサーチのマンパワーではない
- 起業家の希望的観測を鵜呑みにしない。cheerする役割ではない
- 先を見越して<not make sense>なことをしっかり指摘する
- 日々オペレーションをやっていたら気づかない視点を与える。自分が見てる景色が起業家と違うことが大事。コックピットに立つ役目、チアリーダーや伴走ではない

 by ボス

コミュニケーションスタイルも、原理原則を理解
- まずは、人の行動の理由(なぜその言動?)と、モチベーションの源泉(どうしたら満足?)を理解する(「論語と算盤」の視・観・察
- 理解した上で、目的実現に向けたコミュニケーションのアプローチは自分流を作る
- コミュニケーションは相手のタイプによってtailorする

by ボス

女性が普通に活躍している

最後に。グローバルでみても、DCMの投資メンバーには、業界全体の印象と比較して結構女性が多いなと思います。グローバル合わせて投資メンバー15名(GP除く)のうち、7名が女性です。職位としてGPの次にくるPartnerも、1/3が女性です。

投資委員会など議論の場でのプレゼンス(存在感)も高く、「女性的な立ち位置」みたいなものも全くなく、特にジェンダーがわざわざトピックにならないくらい、女性が「普通に」活躍しているなという印象を、入社当初から受けていました。

※ 写真はみんなアジア系でややこしいですが、米日中の投資チームです笑

Calistogaにて
NYの韓国居酒屋にて

私の入社後4年半の間にも、同世代の3名の投資メンバーがお母さんになり、母になっても依然としてVCとして活き活き働いている姿は、とてもinspiringでした。

(エピローグ - Follow your heart)

あんまりまとまりがなくなってしまいましたが、DCMチームの魅力、少しは具体的に伝わってきたでしょうか・・・?
起業家の方、これから起業を考えている方、はたまたVCやスタートアップへの転職を考えている方は、とりあえず是非、DCMのメンバーにリーチアウトして欲しいです。150%おすすめできます。もし繋がりがなければ、私でよければ退職後でもお繋ぎできるので、いつでもご連絡ください。

最後に私事ですが、今回の転職契機について。
特に、転職活動をしていたわけではありませんでした。日頃から雲を掴むような難しい仕事だなと悩みながらも、「VCはペイシェントに続けていかないと意味がない」と胸に刻み、いつも脳が刺激される最高の環境で、VCなら絶対にDCM!という気持ちで黙々とやっていました。

でもある日、謂わばdream jobのチャンスが、突然舞い込んできました。
自分には無縁だと決めつけて現実的選択肢から省いてきたのですが、いざ機会が舞い込んで来たら、掴む以外の選択は考えられませんでした。「舞い込んできた」と受動的な言い方をしましたが、推しの言葉を借りれば()、

チャンスをチェンジ(=変わるきっかけ)にできるのは、その準備ができている人だけだ

東方神起 ユノ

ということで、自分の常日頃の言動の積み重ねや立てているアンテナが、このきっかけを手繰り寄せたのだとは思います。冷静にリスクやデメリットをあげればキリがない選択でもありますが、私の"heart"として、これは今飛び込まなかったら、飛び込んだ後の後悔よりも絶対に大きな後悔をすると思い、現職への不甲斐ない気持ちは強く残るものの、即決しました。(お気づきかもしれませんが、韓国エンタメ系のど真ん中に行きます笑)

私の人生選択は毎度直感で決めているふしがあり、時間をかけて迷ったことも、何かを逆算して決めたこともほぼないのですが、一見繋がっていないような今までの一点一点が、私の中では結構繋がってきていて、人生って面白いものだなと感じています。

この4年半、起業家、そして投資家という生き方について学びを深めていくなかで、「自分の物差しで判断し、覚悟し、意思決定すること」について、改めて考える機会を何度も得られました。誰のためでもない自分の人生で、幸せは、自分の心だけが決められるものだと思います。

何かを達成したり結果を残すことを幸せに思う人もいれば、自分が誰かの役に立っていることを幸せに感じる人もいれば、仲間と一緒に過ごすことが幸せだという人もいれば、自分の好きなことに1人没頭している時間が幸せな人もいれば、本当に千差万別だなぁと感じます。

何をするにしても、自分が"幸せ"な状態であることが、日々の意思決定の質を上げるのではないかと思うのです。

これまでの道のりでお世話になった皆様方、本当にありがとうございました。そしてどうか今後とも、よろしくお願いいたします!

チームからいただいた送別品🥲
このお花を眺められる間は感傷的になりそうです🥲

グローバルチーム皆からのメッセージアルバム、感謝感激😭



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