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クリスマスに読みたくなる本

街中はイルミネーションでキラキラしていて、寒い夜に道を歩いていると少しだけ顔が上がる感覚があります。寒いのが苦手な私にとって、少しだけ冬が楽しくなる出来事かもしれません。

さて、今日は本の紹介。
クリスマスをテーマにした本はたくさんありますが、思い出に残っている絵本と大好きな漫画を紹介します。音声でもぜひご視聴ください。


絵本のご紹介

あのね、サンタの国ではね… / 作:嘉納 純子 絵:黒井 健

サンタの国では畑でおもちゃの実がなることや、トナカイ学校があること、とても大切な「サンタ会議」があること、望遠鏡をもって良い子探しにいくこと。
サンタさんも大忙しです。クリスマス・イブにプレゼントを届けるため、サンタさんやトナカイたちが1年を通して準備してくれている様子が描かれています。あたたかな絵もとってもほっこりしていて優しい気持ちになれる作品です。

幼い頃に読んだ絵本って覚えているんですよね。いつだって色褪せない優しい物語は大人になったいまでも心をほっこりと温めてくれます。

そしてもう一つ。漫画のお話。

ブラックナイトパレード / 中村 光

主人公は就職浪人の日野三春くん。
クリスマスを一人切なくコンビニバイトに費やした三春くんは、その夜、黒いサンタ服の男に遭遇します。「悪い子の所には、黒いサンタがやって来る」そう語る男に「悪い子」だと告げられた三春くんは、突如、サンタの袋に食べられてしまいます。目の前が真っ暗になり気づけばそこには、あの黒い服を着ていた男が立っています! 目の前の黒いサンタは、三春くんに「就職おめでとう」と告げてきます。今まで欲しかった内定をプレゼントしてくれるんですね。しかも会社、待遇はとっても手厚い。可愛い同僚もいます。これから待ち受ける仕事はどんなものなのか。

この物語はドイツのクリスマス文化がモチーフになっています。ドイツでは12月6日はもう一つのクリスマス、聖ニコラウスの日とされているそうです。ニコラウスは、4世紀頃に実在した人物で、諸説ありますが、サンタクロースの起源となった人物だそうです。ニコラウスはとても慈悲深い司祭で、恵まれない人々を支え続け、街の人々に慕われていました。彼が必ず持っていたとされるアイテムが「杖」と「本」。この本には子供の一年間の行いがしっかり記されているとされています。ひとりひとりの子供たちが一年間いい子にしてたかどうか、ニコラウスはすべて書き留めているそうなんですね。良い子にしていた子供たちにはご褒美としてお菓子を与えてくれます。なんだかほっこりする景色です。
ただ、彼は黒い服をまとった付き人をつれているようなんです。

この黒い服の男の名は、クネヒト・ループレヒトと言われています。大きな袋を背負っていて、良い子にしていなかった子はクネヒトがこの大きな袋で連れ去ってしまうそうなんですね。

よい子にご褒美を与えるニコラウスがサンタクロースの原型であることから、これと対比してクネヒトは「黒いサンタクロース」などとも呼ばれているそうです。

そうです。
このブラックナイトパレードの黒い服の男は、このクネヒトをモチーフにされています。三春くんはどんな悪いことをしていたのか、そして可愛い同僚も。

その他にも、くるみ割り人形を想像させるドッセルマイヤーやねずみたちも出てきます。もちろん、トナカイたちも。

中村光さんの世界観が溢れた作品で、シュールなギャグとテンポのよさ伏線の多さなど物語を楽しめる要素はたくさんあります。ぜひ温かいお部屋で読んでみてください。


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