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週刊 ホテル田中新聞 Vol.4|~20.11.015

ホテルって不思議ですよね…1泊3000円のところもあれば、300万円のところもある。300万でも全然トップではなくて、スイスのプレジデント・ウィルソンとかは700万円の以上の部屋もあります。1泊ですよ??(総面積は1680㎡らしくよくわからない)

1泊に700万円使う人は何を購入しているのでしょう?厳重なセキュリティによる身体の安全?自己肯定感?「もてなしていますよ」という意思表示?マーケターの森岡毅さんの著書で資本主義の根本は"人間の欲"という旨の内容があります。ホテルの与えるものって人間の欲と密接に関係している気がします。自分は何を得るためにホテルに泊まってるんだろう、そしてどんなものを提供できているだろう・・・?と考える2連休でした!



1. 特徴のないホテルはいかに特徴を出すか

淡路島にある“日本一のフィッシングホテル”というキャッチコピーの「淡路島観光ホテル」今のような状況でも8月は昨年と同程度、9月には昨年の予約数を上回るV字回復を果たしたというのがすごい。釣り好きの社長が敷地内で釣りを楽しんでいたところ、ゲストからも釣りをしたいと要望があり、喜んでもらったことから徐々に釣りのサービスを整備・拡張してきたみたいです。

最初から特徴のあるbar hotel 箱根香山みたいなホテルもありますが、そうでないところがほとんど。そんな中の淡路島観光ホテルは大きなヒントがあるのでは?と思いました。

「釣り体験はあくまでもお客さまへのサービス。料理・宿泊・おもてなしというホテル業の本分を果たすことが第一です」 

特徴は出しつつ、ホテルとしての基礎的な部分はもちろんおろそかにしない。ここもまた重要なんだろうな〜〜


2. もっといろんな人がホテル紹介をしてほしい

作家やデザイナー、その他の人たちがいつか(また)行きたいと願っているお気に入りのホテルを紹介している記事です。この紹介の仕方が面白くて、作家の方の説明にいたっては情景をイメージできるのです。特にAYANA MATHISさんの文章が好きでした。(長いですが引用させていただきます。日本語に関しては参考程度でどうぞ!笑)

It isn’t a slick design palace. It doesn’t have troves of scurrying staff members and a smug, officious concierge. But it is luxurious, in the truest sense — that is to say, going there is like stepping out of the workaday world and into bewitching beauty. I went on my honeymoon in December of 2018 (ah, the Old World!). It was the off-season and there weren’t many other guests.

 My wife and I arrived after 10 p.m. on a Monday night; our key was waiting for us at the front desk. In our room, the fireplace was lit and, in a miracle of timing, in front of it sat a tray with bowls of still-hot soup — I believe there were artichokes involved — and warm bread, as well as cheeses, very fresh salads and a bottle of zinfandel from a winery a few miles down the road. It was glorious — perfect, actually. We ate in leather armchairs with woolly throws over our knees, the fire crackling and the windows ajar to the crashing surf and salt air.

 In the morning, we woke to sun pearling through sea mist, and the air was iridescent and golden all at once. Every day for breakfast the small and kind staff served housemade bread and pastries and various fluffy egg concoctions with perfectly ripe avocados, and then off we went to explore the coastline, or, more inland, the wonders of the redwood forest. In the evenings, we’d return a bit windblown to find some delicious dinner waiting in the dining room. We’d choose a table near the wide wooden and glass double doors and watch the reflection of the moon on the water. The days went on this way, enchanted and outside of time. The trip home was like waking from a dream I didn’t want to end. Now we are, all of us, trapped in another kind of dream. But someday this shall pass, and when it does we’ll go back to the Brewery Gulch and it will be sublime.

洗練されたデザインの宮殿ではありません。慌てふためくスタッフや、無愛想なコンシェルジュもいません。しかし、それは本当の意味で贅沢なものであり、つまり、そこに行くと、日常の世界から一歩踏み出して、魅惑的な美しさの中に足を踏み入れたようなものです。私が新婚旅行で行ったのは2018年12月。オフシーズンだったので、他のお客さんはあまりいませんでした。

妻と私は月曜日の夜の午後10時過ぎに到着しました。私たちの鍵はフロントで私たちを待っていました。私たちの部屋には暖炉がありました。暖炉の前には、奇跡的なタイミングでまだ熱々のスープ(確かアーティチョークが入っていたと思う)と温かいパン、チーズ、とても新鮮なサラダ、そして数マイル先のワイナリーからのジンファンデルのボトルが置かれていました。それは素晴らしいものでしたし、完璧でした。私たちは革張りの肘掛け椅子で食事をし、膝の上には毛糸を敷いて、火がパチパチと音を立てて、窓を開けて波の音と塩気を聞きながら食事をしました。

朝、私たちが目を覚ますと、太陽が海の霧の中の真珠のように輝き、空気は玉虫色で金色に輝いていました。朝食は毎日、親切なスタッフが自家製のパンやペストリー、完熟アボカドとフワフワの卵料理を出してくれました。夕方、少し風に吹かれて戻ってくると、ダイニングルームで美味しいディナーが待っていました。広い木とガラスの二重扉の近くのテーブルを選び、水に映る月を眺めていました。魅惑的で時間の外のような日々が続きました。帰り道は、目覚めたくない夢から覚めるようでした。今、私たちは皆、別の種類の夢の中に閉じ込められています。しかし、いつの日かこれも過ぎ去ります。その時にはブルワリーガルチに戻り、それは崇高なものになるでしょう。

この文章表現、作家の方とあって美しいなと・・・ホテルの魅力が伝わるしホテルへの愛も感じます。日本でも、もっといろんな職業の人がそれぞれの視点でホテルを紹介するのを見てみたいなと思った記事でした。


3. 魅力的な宿泊体験を設計するポイントはギャップを作ること?

エースホテル 京都でドレスコードがパジャマの映画鑑賞会をするという記事です。ツイッターでも比較的多くの方に反応をいただきました。

みなさん何に興味が湧いたのでしょうか?個人的には「ギャップ」が大きい企画は興味喚起しやすいんだな〜と思いました。エースホテル…言わずものがなスタイリッシュなイメージです。そんなエースでパジャマ??そのギャップ、言い換えると真新しさに反応したのではないでしょうか?

・ゲストハウスでクラッシックコンサート
・ホテルなのに一睡もさせてもらえないプラン
・築100年の建物の旅館だけどスパイスカレーしか出さない

みたいな感じで”普通はこういうものだ”というイメージがついているものを意図的に崩すことで「なんか面白そう!」と思ってもらえるのかなと・・・と感じた記事でした。エースホテルのイベント、今後も不定期開催する予定みたいなので参加してみたい、、、


4. What is DMO

DMO・・・この業界に入るまで全く知りませんでした。DMO = Destination marketing organizationの略らしく日本語では”観光地域づくり法人”と呼ばれています。観光庁の説明を見てみましょう。

観光地域づくり法人は、地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人です。

これでだいぶイメージできたのではないでしょうか。一つの地域をサービス、商品と見立ててマーケティングし、ちゃんと魅力を作る・伝えることで人にきていただく。結果、会社単体ではなくその地域が稼げるようにすることが目的なのです。観光っていろんなプレイヤーがいて成り立っているのでその中でマーケティングをすることは難易度がもちろん高いのですがその分やりがいもあると思います。そんな魅力たっぷりのDMOが京都という特徴的なエリアで募集が始まったよ〜という記事でした。興味がある方は応募してみては!?

「週刊 ホテル田中新聞」は発行者の趣味なので、今後も無料で配信します。なので、ちょっとでも読んで良かったなと思えたら、♡を押していただけると喜んで更新ができそうです😂 また来週~~!


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